MFクラウド確定申告などのクラウド会計ソフトで、クレジットカードやAmazonなどの取引を自動で取り込んでいれば、未払金の残高を気にしなくてもいいと思っている人もいるのではないでしょうか。
売上や経費は確認をしても、未払金の残高は確認しないという人もいるでしょう。
個人事業主で青色申告特別控除65万円の適用を受けようと思ったら、全ての取引を記帳し、貸借対照表を作成する必要があります。
貸借対照表を作成しようと思ったら、未払金の残高も確認する必要があるのです。
MFクラウド確定申告でのクレジットカードとAmazonを取り込んだ場合
せっかくMFクラウドを使っているのであれば、クレジットカードやAmazonの取引は自動で取得したいものです。
特に、Amazonは商品名まで取り込んでくれるので、適用をほとんど入力しなくてもよく、手間がかかりません。
クレジットカードの場合は、明細にお店の名前しか出ないので、多少の入力は必要です。
Amazonで消耗品を買ったときの仕訳は次のようになります。
消耗品 1,000 未払金/Amazon 1,000
ここまでは難しいことは何もありません。
Amazonでの支払いはクレジットカードでするとします。
クレジットカードを取り込んだ際の仕訳は次の通りです。
未払金/Amazon 1,000 未払金/クレジットカード 1,000
最初に間違えやすいのがここです。
クレジットカードの明細にAmazonと載っていますので、購入したものが消耗品であるならば、消耗品で処理したくなります。
しかし、ここで「消耗品」で処理をしてしまうと、消耗品が二重に計上されてしまうことになります。
Amazonの取引を自動で取り込んでいる場合に、Amazonで購入したものをクレジットカードで支払ったときは、「未払金」で処理すると覚えておきましょう。
そして、クレジットカードの引き落とし日の仕訳は以下の通りです。
未払金/クレジットカード 1,000 普通預金 1,000
これで、未払金/Amazonも未払金/クレジットカードも、残高が0になります。
未払金/Amazonの残高が0になっているかを確認する
ここまでで見てきたように、未払金/Amazonの残高は基本的に0になります。
注意点としては、Amazonでプライベートの買物をした場合です。
プライベートの買物は、「対象外」で処理をして仕訳を入力しないという方法もあります。
もちろん、これでも間違いではありません。
しかし、「対象外」にしてしまうと、未払金の残高を確認しづらくなります。
おすすめの処理方法は、「事業主貸」で処理をする方法です。
仕訳にすると以下の通りです。
事業主貸 1,000 未払金/Amazon 1,000
この方法で処理をすると、クレジットカードを取り込んだ際の仕訳は以下の通りになり、未払金の残高も問題ありません。
未払金/Amazon 1,000 未払金/クレジットカード 1,000
下記にも書きますが、プライベート用のクレジットカードを使ってAmazonでプライベートのものを購入した場合は、対象外にしましょう。
未払金/クレジットカードの残高
未払金/Amazonの残高に比べて、未払金/クレジットカードの残高を合わせるのはちょっと大変です。
未払金/クレジットカードの残高は、未払金/Amazonの残高と違って、通常は0になりません。
クレジットカードを普段から使用している場合は、残高も常に残ります。
12月31日時点の未払金/クレジットカードの残高は、クレジットカードの明細を見て利用日が12月31日以前で、12月31日現在支払われていないものの合計になります。
末締め翌月27日払いのクレジットカードであれば、1月27日に引き落としになる金額が未払金の残高になれば簡単なのですが、そういう訳にはいきません。
クレジットカードの締め日よりも前に利用したものでも、翌々月の引き落としになるものがあるからです。
ETCやガソリンスタンドなどは、翌々月になりがちです。
さらに末締めでないクレジットカードであれば、12月の締め日以降12月31日までに利用したものも未払金の残高に含まれます。
結局は、12月31日までに利用したもので12月31日の時点で支払われていないものが残高になるという当たり前のことなのです。
しかし、数字を自分で集計して残高を確認する必要があるので、少し手間がかかります。
対象外にしない
さきほどamazonの取引について書きましたが、クレジットカードでも対象外にしないことをおすすめします。
事業に関係ない買物だからといって、対象外にしてしまうと、未払金の残高を合わせるハードルが上がってしまいます。
事業に関係のない取引を取り込みたくなかったら、事業用のクレジットカードとプライベートのクレジットカードを分けた方がいいです。
クレジットカードを使い分ければ、プライベートの取引がMFクラウドに取り込まれることもありません。
クレジットカードを使い分けて、Amazonでプライベートの物を買ったときは、プライベート用のクレジットカードで支払うのであれば、Amazonを取り込んだ時に対象外で処理をするようにします。
プライベート用のクレジットカードでプライベートのものを購入したのに、事業所得を計算するための会計データに入れる必要はありません。
まとめ
MFクラウドなどのクラウド会計ソフトで、クレジットカードやAmazonの取引を自動で取り込んだ場合の未払金の残高について書いてみました。
Amazonやクレジットカードを取り込んだ際の仕訳はさきほど書いた通りです。
ポイントは、クレジットカードでAmazonの取引を取り込んだ場合の勘定科目は「未払金/Amazon」になることです。
そして、未払金/Amazonの残高は0になります(楽天を取り込んでも同じことです)。
Amazonで同じ日に複数のものを購入した場合、Amazonでは明細が一つごとに取り込まれますが、クレジットカードでは合計で取り込まれることがあります。
残高の確認をする際は注意しましょう。
未払金の残高を確認しやすくするためには、対象外にせずに事業主貸勘定を使用するようにしましょう。
そもそも、事業用とプライベート用のクレジットカードを使い分ける方法もあります。
クラウド会計で自動取込をしているといっても、未払金の残高は自分で確認するようにしましょう。
普段気をつけて入力している場合でも、残高を間違うことはよくあります。
今回書いたポイントに注意をすれば、未払金の残高もしっかりと合わせることができます。
【編集後記】
昨年、メインのクレジットカードを変更していたので、以前メインで使っていたクレジットカードを解約しようと思い、カード会社に電話をしました。
個人事業主になってカード会社の信用が落ちていると思うので、今あるクレジットカードはできれば解約したくないのですが、それなりの年会費がかかるので仕方ないかなと思っていました。
ところが、電話をして解約を申し出たところ、今から一年間は年会費無料で使えます、とのこと。
ということで、とりあえずもう一年間様子を見ることにしました。