会計ソフトとは
会計ソフトとは、会計の記録を入力して、試算表などを作成するソフトです。
入力する項目は、日付、勘定科目、金額、取引先、取引の内容であり、これらを入力すると、仕訳日記帳、総勘定元帳、現金出納帳、預金出納帳、補助簿、試算表、前期比較試算表、月次推移表などが自動的に作成されます。
中小企業では、市販のインストール型会計ソフトを使用していることが多いと思います。
今のインストール型の会計ソフトの仕組みは、わたしがこの業界に入った15年前にはすでに出来上がっていました。その後は、法律や制度の改正に合わせてマイナーチェンジがされてきましたが、大きな変化はありませんでした。
仮に、15年前に会計ソフトを使えた人が当時仕事を辞めて、今15年振りに仕事に復帰したとしても、すぐに今のインストール型の会計ソフトを使うことができるでしょう。そのくらい変わっていないと思います。ある意味、すでに完成されていたということです。
MFクラウド会計とfreeeの登場で劇的に変わった
ほとんど出来上がっていた会計ソフト業界が、MFクラウド会計とfreeeの登場でこれまでになかった変化を見せています。
こられ2つの会計ソフトの大きな特徴は、入力を自動化して経理の効率化を図るところでしょう。
銀行預金やクレジットカードの取引を自動で取り込むことが出来ます。取り込むだけで入力がすべて終わりというわけではないのですが、今までよりも入力が楽になり、時間もかからなくなります。
預金取引を一つ一つ入力していくということはなくなったのです。
先日のこちらの記事で、経理事務員は機械化代替率が高いと書きました。
「AI(人工知能)が発達しても、税理士という仕事は残る」
実際にMFクラウド会計やfreeeが普及すれば、どんどん機械化が進むことになります。
MFククラウド会計のHPを見ると、MFクラウド会計がリリースされたのは2014年1月のことです。
記憶はあいまいですが、リリース前か直後くらいにMFクラウド会計の説明を聞いたことがあります。当時は製品としての完成度はまだまだで、登録に時間がかかり過ぎて使い物にならないという印象でした。
しかし、当時から開発力があり、どんどん進化していくんだろうなあという感想は持っていました。
今では、MFクラウド会計の入力のスピードは当時とは比べ物にならないくらい速くなりました。すごいことですね。このあと、どこまで進化していくのか楽しみです。
クラウドにセキュリティーの心配をする人もいるかもしれません。先日、MFクラウド会計のかたが、「セキュリティーには力を入れています、大丈夫です。」と言っていました。
会計ソフトだけではなく給与計算、経費精算、請求業務まで出来るようになる
MFクラウド会計とfreeeでは、会計ソフトだけではなく、給与計算や、経費精算、請求書の発行まで出来るようになります。
今後も、マイナンバー対応や、電子帳簿保存対応など色々なことが出来るようになるでしょう。
MFクラウド会計やfreeeのすごいところは開発力にあると思っています。
会計業界が長い人からすると、「そんなことまで出来るようなるんだ」ということが出来るようになる可能性があります。
MFクラウド会計とfreeeのどちらかが圧倒的なシェアを奪うのか、それともこの2つが競って発展していくのか。
税理士としては、どちらの会計ソフトを選ぶのか、判断が難しいところです。しかし、結果が出るのを待っていたのでは対応が遅れてしまいます。両方対応するべきでしょう。わたしは、MFクラウド会計の公認メンバーにもなっていますし、freeeの認定アドバイザーにもなっています。
税理士事務所によっては、まだクラウド会計ソフトについては、様子見のところもあります。しかし、お客様がクラウド会計を求めていますので、今後はやらないわけにはいかないでしょう。
MFクラウド会計にしてもfreeeにしても、今後どのような進化を見せてくれるのか、非常に楽しみです。