小規模企業の経営者の方、個人事業主の方へ質問です。
ご自身が税務顧問を依頼している税理士事務所の担当者が何件の担当をもっているかご存知ですか?
担当数の平均は25件程度
何かの統計を見たわけではなく、わたしの感覚なのですが、税理士事務所の担当者の平均件数は25件程度ではないでしょうか。
では、経営者の方や個人事業主の方は、ご自身が依頼している担当者が何件の担当を持っているといいと思いますか?
5件しかなければ、「少ないなぁ、大丈夫かな?」と思うかもしれないですし、50件であれば、「そんなに見ているの、大丈夫かな?」と思うかもしれません。
少なければ、「あまり経験がないのかなぁ」と心配になり、多ければ、「そんなに沢山見ていて、自分のところをしっかりと見てくれるのか」と心配になります。
また、経営者であれば、自分が支払っている顧問料を知っているので、担当件数がわかれば、担当者の売上もある程度の推測が出来てしまいます。
「それしか売上がなくて大丈夫なの?」「売上が多くて儲かっているみたいだけど、サービスの質は大丈夫?」と色々なことを思うでしょう。
しかし、当然ながら、その件数には意味があります。
依頼している税理士の特徴を理解しよう
少し、極端な数字で話をしてみます。1人の担当者が1,500万円の売上をあげているとします。
年間の顧問料が100万円の顧問先を15件担当していても、年間の顧問料が30万円の顧問先を50件担当していても、担当者の売上は1,500万円です。
では、この数字だけを見て、どちらの担当者に依頼する方がいいのかわかるでしょうか。
答えは、わからないと思います。
通常であれば、顧問料が100万円なら、100万円の理由がありますし、30万円なら30万円の理由があります。
売上の規模や取引の量、訪問頻度、税金だけではなく周辺業務の相談の範囲、記帳代行や給与計算など、税理士事務所が行う業務の範囲は色々です。
とにかく色々とやってくれるし、100万円を支払っても安いと思っている経営者もいると思いますし、30万円も支払っているのに、たいしたことをしてくれないと思う経営者もいるでしょう。
1人の担当者が、100万円の顧問先だけやっているわけではありません。50万円の顧問先も30万円の顧問先も担当しているほうが普通でしょう。金額に応じたサービスを提供していることが普通です。
経営者が、自分が支払っている金額分のサービスを提供してくれているかを判断するようにしましょう。
これを考えないと、何のために顧問料を支払っているのかわからなくなってしまいます。
担当者の売上を考える場合も、作業は事務所内の別の人が行っている場合などは、担当者の担当件数も増えることになりますので、一概に担当件数が多いからといって、「大丈夫かなぁ?」と不安に思うことはありません。
税理士事務所の仕事を確認するのも大事
担当者の担当件数が多いからといって、不安に思うことはないと言いましたが、仕事の確認はした方がいいです。
幅広い業務を行ってくれるので、高い顧問料を支払っているけど、一つ一つの仕事の質が低いとか、実際は、狭い業務の範囲内しかやってくれないということもあるでしょう。
また、とにかく安いところがいいと言って選んだけど、さすがに「この仕事はないでしょ!」ということもあると思います。
自分が期待することをしっかりとやってくれて、それに見合う顧問料を支払うためにも、税理士事務所の仕事振りを確認することも忘れないようにしましょう。
必要以上にチェックをして、お互いに関係がギスギスしても上手くいかなくなりますので、税理士とのコミュニケーションを図りながら確認するのがいいと思います。
担当者との相性を大事にしてもいいでしょう。
まとめ
いい税理士事務所では、事務所内の業務の効率化、標準化を図り、より良いサービスを適正な料金で行う努力をしていますし、そうでない税理士事務所では、それなりの仕事でそれなり以上の料金をもらうところもあるかもしれません。
担当者の担当件数はあくまでも参考程度にして、料金とサービスの内容に合った仕事をしてくれる税理士事務所に仕事を依頼できれば、会社にとってもメリットになるのではないでしょうか。
わたし自身も、お客様に選ばれるようなサービスを適正な料金で提供する努力や工夫を今以上に続けていこうと考えています。
【編集後記】
近所の公園も紅葉が始まっています。来週の勤労感謝の日には、紅葉を観に鋸山に行こうかと考えています。