個人飲食店が消費税増税後も価格を据え置いたらどのくらいの影響があるのか

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消費税の増税が迫ってきました。

過去に何度か延期をしているせいで、未だに実感がない人も多いのではないかと思います。

今回は個人の飲食店について、増税後も価格を据え置いたときの影響について書いてみます。

価格を据え置いた場合

個人のラーメン屋さんを例に取って話を進めます。

ラーメン屋さんでは券売機を使っているところも多く、券売機は通常10円単位の価格設定になっていると思います。

そして、多くのお店では、税込金額で1円単位の端数が出ないように価格設定をしています。

例えば、増税前は850円でラーメンを売っていたとします。

味玉トッピングは100円、チャーシュートッピングは250円とします。

金額は全て税込です。

この価格を厳密に消費税率の上がった分だけ上げるとすると、以下のようになります。

ラーメン 850÷1.08×1.1=865円
味玉トッピング 100÷1.08×1.1=101円
チャーシュートッピング 250÷1.08×1.1=254円

券売機などでは対応できないですよね。

これを10円単位で値上げすると、消費税増税分以上に値上げをしたというイメージを持たれる可能性もあり、値上げをしない(実質の値下げ)お店も多くあるのではないかと思っています。

年間の売上げが税抜1,500万円、仕入その他の経費は全て消費税のかかる取引として、金額は税抜900万円とします。

消費税の計算方法は簡易課税方式とします。

本来なら税込で1,650万円の売上げとなるところが、税込価格を据え置くので、税込で1,620万円になります。

そして、経費は、今までであれば、972万円であったところが、税込990万円になります。

販売価格を据え置いたとしても、仕入その他の経費は、もちろん消費税増税分を支払わなくてはいけません。

そして、価格を据え置いたとしても、税務上の売上げにかかる消費税は10%で計算されます。

1,620万円が10%の消費税込みの金額とみなされますので、税抜きの売上げは14,727,272円になります。

価格を据え置いたはずなのに、税抜きの売上金額は、約27万円も下がってしまいました。

納める消費税は下記のようになります。

消費税が8%だった時 15,000,000×8%×40%=480,000円
消費税が10%になったけど、税込価格を据え置いた場合 14,727,272×10%×40%=589,090円

これらの影響を合計します。

税抜の売上金額の減少分 272,728円
税込の経費の増加分 180,000円
支払う消費税の増加分 109,090円
合計   561,818円

何と56万円もの影響が出ました。

ただし、支払う消費税の増加分は、価格を据え置いても、消費税増税分を上げても、それ程変わりません。

消費税率が上がるので、納める消費税が増えるのは仕方のないことです。

それを除いても約45万円もの影響が出ることになります。

ちなみに、消費税の計算方法が本則計算の場合は、またちょっと違ってきます。

簡易課税の場合は、支払った消費税を納める消費税の計算に影響させませんので、経費に掛かる消費税が増えれば、その分まるまる負担が大きくなります。

まとめ

個人飲食店の方で、今回の消費税増税で価格を据え置こうと思っている方も多いのではないかと思っています。

しかし、価格を据え置いても、納める消費税は10%で計算します。

その分税抜きの売上高が減少してしまいます。

また、仕入れやその他の経費にかかる消費税の増税分はもちろん支払わなくてはいけません。

簡易課税を選択している場合は、その分丸々負担増になります。

売上が減少して経費が増えるというダブルパンチです。

2%の増税だから価格を据え置いても大して変わらないと思っている場合は、再度検討してみた方がいいかもしれません。

消費者も増税時の値上げであれば仕方ないと思ってくれる可能性が高いです。

最終的には経営判断になりますので、慎重な判断をされるようにしてください。

ちなみに、消費税の免税事業者の場合は、価格を据え置いても、仕入れや経費に掛かる消費税の増税分のみの影響になります。

【編集後記】

千葉ロッテは、今日からのソフトバンク4連戦を2勝2敗で乗り切れば、クライマックスシリーズ進出がかなり見えてくるんじゃないかなぁと思います。


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