一人社長やフリーランスの人が税理士に求めるものって何でしょう?
もちろん、人によって様々だとは思いますが、概ね次のようなことが考えられます。
・税金の計算をして、申告書の作成と提出をして欲しい。
・経理のやり方や、会計ソフトの操作方法を教えて欲しい。
・会計ソフトの入力をして欲しい。
・経理全般の代行をして欲しい。
・節税対策を教えて欲しい。
・税務調査対策をして欲しい。
・資金繰りを見て欲しい。
・経営のアドバイスが欲しい。
・会社や個人事業のことに限らず、お金全般についてアドバイスが欲しい。
・社会保険や、登記業務などの周辺業務をして欲しい。
では、ひとつずつ見ていきます。
税金の計算をして、申告書の作成と提出をして欲しい
もし、本当にこのことだけを考えているのならば、どの税理士に依頼してもやってくれることですので、何も考えずに安いところに依頼しましょう。
さすがにこれだけでは簡単すぎるので、少し補足します。
税金の計算や、申告書の作成と提出は、通常、税理士事務所であれば、当たり前のように行っています。
ですから、このこと自体では、税理士事務所間での差はあまりないと言えます。
とはいえ、実際は、税金の計算をいつしてくれるのかという問題はあります。
申告期限ぎりぎりに納税額を教えてくれるのか、とか。
申告書の作成も、税制の改正などの対応に問題がある税理士事務所(そういうところはあまりないとは思いますが)では、間違うこともあるかもしれません。
自分が依頼している税理士事務所が、当たり前のことを当たり前にやってくれるかどうかの確認はしたほうがいいでしょう。
経理のやり方や、会計ソフトの操作方法を教えて欲しい
ここは、税理士事務所によって考え方に差がでます。
お客様が入力したものを確認訂正するよりは、税理士事務所で入力したほうが早いと思っている場合もあります。
そういう事務所の場合は、会計ソフトの操作方法を教えるということもやっていないかもしれません。
逆に、積極的に税理士事務所のおすすめの方法をお客様に教えるという事務所もあるでしょう。
お客様の経理方法を、税理士事務所のやり方に合わせてしまえば、税理士事務所側は楽になります。
会計ソフトの入力はともかく、経理のやり方は、会社に合ったやり方がそれぞれあるはずですので、税理士事務所には一般的なアドバイスを求める程度のほうがいいかもしれません。
会計ソフトの入力をして欲しい
会計ソフトの入力も、税理士事務所によってやっているところとやっていないところがあります。
税理士事務所に依頼するメリットは、経理に使う時間を他の営業などに充てることができることでしょう。
しかし、デメリットもあります。
入力を税理士事務所に依頼してしまうと、社長自身が数字に鈍感になりやすくなってしまいます。
入力を税理士事務所に依頼する場合は、作業を税理士事務所に依頼するだけで合って、出来上がった数字をしっかりと確認する必要があることは覚えておきましょう。
経理全般の代行をして欲しい
会計ソフトの入力だけではなく、経理全般まで依頼したいとなると、この業務を行っている税理士事務所のほうが少ないでしょう。
この業務を重視したいのであれば、この業務を行っている税理士事務所を探すことになります。
選択の幅が狭まってしまいますし、料金も高額になると思いますので、慎重に判断しましょう。
経理代行を行っているからという理由だけで、税理士事務所を選ぶことは、あまりおすすめしません。
税理士との相性など、他にも税理士事務所を選ぶポイントは多くあると思いますので。
節税対策を教えて欲しい
一般的には節税対策も、どの税理士事務所でも同じようにやっているだろうと思うかもしれませんが、意外に事務所による差がでるポイントです。
節税対策は、その場しのぎで行えるものには限界があります。
普段から、税理士とのコミュニケーションを取っておく必要があります。
税理士事務所の技術的な側面と、税理士との相性が影響してきます。
税理士との相性が悪いと、普段からコミュニケーションが取れなくなり、自分が思っていることを伝えづらくなります。
そうなると、取るべき節税対策にも影響を与えることがあります。
正直、税理士の技術的な側面は、外からではわかりづらいです。
これから税理士を探す場合は、ホームページやブログなどが、ある程度の参考にはなります。
逆に言うと、ホームページやブログ以外で、その税理士事務所の技術的な側面を知る方法はほとんどありません。
現在すでに税理士と契約している場合は、ある程度はわかっていると思いますので、不満があるようでしたら、変更を検討してもいいかもしれません。
税務調査対策をして欲しい
税務調査対策にも2つあります。
一つは、税務調査が来るとわかった後に、対策をして欲しいということです。
当然、税務調査当日の対応も含みます。
フリーランスの場合などは、自分で申告をしている人も多いので、いざ税務調査となった時に、税理士を探すこともあります。
その場合は、税務調査が来るとわかってからの業務を行っている税理士を探すことになります。
もう一つの税務調査対策は、税務調査が来ても大丈夫なように申告をすることです。
わたしは、こちらのほうが大切だと考えています。
普段の経理処理から気をつけていれば、税務調査を必要以上に恐れる必要はなくなります。
ですから、申告のときから税理士を探すのであれば、税務調査に来ても大丈夫なような処理をしてくれる税理士を探すのがいいと思います。
当然、わたしも普段から、そのような処理を心がけています。
ここで、ひとつ付け加えておきたいのは、「税務調査に来ても大丈夫=節税対策をしない」ということではないということです。
節税対策をしっかりと行ったうえで、さらに税務調査に来ても大丈夫というような処理をすることが大事です。
資金繰りを見て欲しい
資金繰りも、経営者にとっては大事なポイントです。
資金繰りについても関与の度合いによります。
普段から、資金繰りのアドバイスをもらうのであれば、通常の顧問料とは別に料金が発生する場合もあります。
しかし、一人社長やフリーランスであれば、資金繰りの考え方や資金繰り表の作り方などを教えてもらって、自分で管理できるようになった方がいいでしょう。
資金繰りについてのアドバイスがどこまで通常の顧問料に含まれるかは、税理士事務所によって違うと思います。
気になる場合は、確認してみましょう。
経営のアドバイスが欲しい
税理士事務所はコンサルティング会社とは違うので、どこまでのアドバイスを求めるかという話になります。
税理士が通常行うアドバイスとしては、経理や税金の面からの経営のアドバイスということになるでしょう。
経理や税金の面からのアドバイスでも、税理士や担当者によって違いますので、やっぱり、相性が大事になります。
しかし、経営に関するアドバイスですから、相性だけで決めてしまうのも問題です。
やっぱり、技術や経験が必要なことになりますので、税理士や担当者の技術や経験も確認してみましょう。
ここでも、一つ付け加えます。
売上を増やすことや、仕入れ先の開拓など、経理や税金面以外の経営面については、税理士事務所に期待し過ぎないほうがいいと思います。
もし、今支払っている顧問料で、売上を増やすアドバイスを簡単にもらえるのであれば、どこの会社でも簡単に売上を増やすことができてしまうでしょう。
会社や個人事業のことに限らず、お金全般についてアドバイスが欲しい
ここまで来ると、安いだけで税理士事務所を選んだ場合は、期待できないサービスになります。
社長自身のプライベートまで踏み込まないと、お金全般のアドバイスをすることは難しいからです。
社長のライフプランを考えて、今後どのくらいお金が必要になるのか、そしてどのような人生を送りたいのかということまで把握しなければ、お金のアドバイスをすることはできません。
引退するまで、あるいは、一生付き合う税理士を探すのであれば、ここまで考えて税理士を探してみてもいいかもしれません。
社長自身のこと、家族のこと、その他のことまで含めて相談できる税理士を見つけることができれば、心強いパートナーになることでしょう。
社会保険や、登記業務などの周辺業務をして欲しい
社会保険や登記業務については、それぞれ社会保険労務士、司法書士といった専門家がいますので、税理士がこれらの業務を行うことはできません。
ただし、税理士事務所によっては、提携している社会保険労務士や司法書士がいる場合もありますので、そういう場合は、紹介してもらうことが出来ます。
しかし、この紹介も絶対に安心というわけではありません。
場合によっては、自分で信頼できる社会保険労務士や司法書士を探した方がいいこともあります。
紹介の場合は、自分で選べませんので、相性の悪い人を紹介されることもあるということは覚えておきましょう。
まとめ
長くなってしまいましたが、一人社長やフリーランスが税理士に求めることや、そのポイントを書いてきました。
自分が税理士に何を求めるのかを確認してみるといいと思います。
そして、自分が求めることをやってもらえる税理士を選ぶことが重要です。
値段を重視するのか、相性を重視するのか、技術や経験を重視するのか、様々なポイントがあります。
これから税理士を探す人は参考にして頂ければと思います。
既に税理士と契約している場合は、一度振り返って確認してみるのもいいでしょう。
もし、現状に不満があるのであれば、他の税理士を探してみてはいかがでしょうか。
税理士は変更しないほうがいいと思っている人も多いです。
実際、しょっちゅう変更するという必要もないでしょう。
しかし、相性が悪かったり、長い間不満を感じているのであれば、変更を検討する価値はあります。
【編集後記】
税理士の繁忙期の一つである確定申告の時期が終わりました。
それに合わせたというわけでもありませんが、このタイミングで新規のお客様について、3か月間月額の顧問料が半額になるキャンペーンを始めました。
キャンペーンを行うのは初めてなので、反応があるかどうか楽しみです。
キャンペーンの詳細は、「渡邉ともお税理士事務所」のホームページで確認できます。