印西市が、オフィスビルを所有する会社から20年間にわたって固定資産税2億円余りを誤って余分に徴収していたというニュースがありました。
自分が支払っている税金については、種類と税額の根拠をわかろうとする気持ちが大切です。
支払っている税金の種類
みなさんは、どんな税金をいくら支払っているか自分でわかっているでしょうか。
多くの人は、よくわかっていないと思います。
税理士のわたしですら、すべての税金を把握しているわけではありません。(ガソリン税、宿泊税、入湯税など普段意識していない税金もあります)
そのくらい税金の種類は多いです。
ですから、全ての税金を把握するのではなく、主なものだけでも把握することをおすすめします。
1.個人の税金
・所得税
・住民税
・消費税
・自動車税
・固定資産税
・不動産取得税
・事業税
・相続税
・贈与税
2.法人
・法人税
・消費税
・法人事業税
・法人住民税
・自動車税
・固定資産税
・不動産取得税
主なものだけでも、これだけの種類の税金があります。
大変ではありますが、ここにあげたくらいの税金を自分がいくら負担しているのかは把握しておいた方がいいでしょう。
これらの税金は全ての人が支払っている訳ではありませんから、自分が支払っている税金の種類と大まかな金額を把握します。
税額が適正かどうか
税金の種類を把握したら、その税額がいくらで、そして、その税額が合っているかどうかの確認もするようにしましょう。
所得税や法人税などは、自分で申告して税金を計算しますが、個人の住民税や、固定資産税、不動産取得税などは、役所が計算をして納税通知書を送付してきます。
多くの人は、送られてきた納税通知書の通りに、そのまま納付してしまうと思いますが、計算の根拠や税額が適正かどうかの確認は必ずした方がいいです。
今回、印西市で問題になったのは、固定資産税です。
オフィスビルを所有していたのは、会社だそうですが、20年もしてから間違いに気づき、市の方に指摘したみたいです。
会社が気づかなければ、永遠に間違ったままだったかもしれません。
残念ながら、固定資産税については、こういったニュースを聞くことはそれほど珍しいことではありません。
今回は、期間も長く税額も大きかったのでニュースになっていますが、もっと小さなミスは全国でそれなりの頻度で発生していると思われます。
市町村の方が間違いに気づくこともありますが、自分で確認をすることが必須とも言えます。
印西市の会社は自分で気づきましたが、20年も経ってからです。
それでも気づいて良かったです。
細かな計算方法はわからなくても、通知書に計算の明細などが書いてありますので、それを見ておかしなところがないかは確認しましょう。
印西市のケースでは、オフィスビルの構造が、実際には「鉄骨」なのに、「鉄骨鉄筋コンクリート」として計算されていたそうです。
この場合も、細かな計算方法がわからなくても、明細に「鉄骨鉄筋コンクリート」と書いてあれば、自分でおかしいなと気づくことはできたかもしれません。
社会保険料の確認も忘れずに
確認をしなくてはいけないのは、税金だけではありません。
国民健康保険料の確認をすることも忘れないようにしましょう。
こちらも、細かな計算方法はわからなくても、明細を見ておかしなところがないかの確認はするようにしましょう。
計算方法でわからないことがあったら、市町村に問い合わせてみてもいいでしょう。
自分が負担している国民健康保険料がどのように計算されているのか、ある程度はわかるようになると思います。
まとめ
自分が負担している税金の種類や税額を知ることは大切です。
自分の家計を把握する上でも必要です。
税額がどのように計算されていて、その税額が合っているかどうかの確認まで行いましょう。
役所の計算が必ず正しいとは思わないようにしましょう。
もちろん、確率でいえば、間違っている可能性は1%にも満たないかもしれません。
それでも、間違っている可能性は0ではありませんから、確認は必要でしょう。
間違っていて多く支払ってしまった場合に、損をするのは自分です。
自分のことは自分で守るという気持ちを持つようにしましょう。
ちなみに、印西市は、利子にあたる加算金も含めて、3億円余りを会社に返還するそうです。
1億円多くもらえてラッキーと思う方もいるかもしれませんが、20年に渡って本来使えたはずの2億円余りの資金が使えなかったわけですから、ラッキーではないですね。
その2億円を上手く事業に利用して、3億円以上にすることができたかもしれないですからね。
【編集後記】
アイキャッチ画像は、先日訪れた玉前神社にあった「さざれ石」です。
君が代に詠まれていると書いてあったので、「この石が」と思ったのですが、さざれ石は色々なところにあるみたいですね。
君が代に出てくるさざれ石は、特定のものを指している訳ではないようです。