独立したら、売上(粗利)→利益(所得)→節税の順で考える

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税金はなるべくなら払いたくないというのは、誰でも同じでしょう。

だからと言って、節税のことを第一に考えるのではなく、売上(粗利)→利益(所得)→節税の順で考えるようにしましょう。

まずは、売上(粗利)が大切

商売(事業)をするうえで、最初に考えなくてはいけないことは、売上(粗利)をあげることです。

売上(粗利)があがらないことには、利益は出ませんし、節税も考える必要はありません。

独立した人が、最初につまづくことが多いのも、売上があがらないことです。

独立前は、何とかなるだろうと思っていても、現実はなかなかそうはいきません。

勤務していた時は、営業が上手くいっていたからといって、独立しても同じように上手くいくとは限らないのです。

むしろ、勤務時代のようにはいかないことが多いです。

勤務していたときは、会社の看板を背負って営業をしていたからです。

看板の外れた個人が、勤務時代と同じように営業をしても、なかなか売れないことはよくあることです。

また、いい商品やいいサービスを提供すれば、売れると思っている人も要注意です。

そういう人は、「結果は後からついてくる」という考えなのかもしれません。

しかし、独立直後の人にとっては、後を待っている余裕はないことが多いです。

仮に、後からついてくるとしても、その間の資金繰りについては、十分に考えなくてはいけません。

後とは、いつのことなのか。

そして、「結果は後からついてくる」という言葉を逃げの気持ちで使っていないか、十分に検討しなくてはいけません。

利益ももちろん大事

無事に売上があがるようになったら、利益のことも考えましょう。

経費が、売上に対して適切な水準になっているか、無駄な経費はないか、もう少し安くできる経費はないか、などを確認します。

経費の削減は、やり過ぎると、モチベーションの低下や、効率の低下を招くので、やり過ぎないことも大切です。

経費の削減ばかりにこだわると、遅くなったPCを使い続けて作業効率を著しく落としたり、突然のPCのクラッシュでデータがふっとんでしまうなんてことも起こりやすくなってしまいます。

必要な経費はしっかりと使いながら、削れるところは削るようにしましょう。

正確な利益を把握するためにも、経費の計上漏れには注意しましょう。

経費の計上漏れは、結果として税金が多くなってしまいます。

また、経費の計上漏れを起こすような人に限って、本来は経費に計上できないものを計上していたりします。

経費にできるものは漏れずに経費に計上し、経費に計上できないものは計上しないことで、利益の額もしっかりと把握できます。

節税対策

売上をあげて、利益を把握したところで、節税対策の出番です。

利益のところで、計上できる経費はすべて計上すると書きましたが、これは節税対策で語られることも多いです。

そのくらい、計上できる経費を計上していないことは多いのです。

順番的には、節税対策は最後なのですが、実際には、最初に節税の仕組みを作っておくことが大切です。

しかし、仕組みを作るには、売上、利益が出ることが前提なので、やはり、節税対策は、売上、利益に次いで考えるものとなります。

節税対策は、事後にできることは限られています。

このあたりが、節税を最初に考えようとしてしまう原因かもしれません。

節税対策は、事前の準備が大切と言われたら、最初に考えなくてはいけないのかなと思ってしまいますよね。

確かに、節税対策は最初に仕組みを作ることが大切なのですが、売上、利益があってこそということは忘れてはいけません。

経費の計上漏れも、最初に経費に計上できるものを確認しておかないと、領収書を捨ててしまったということにもなりかねません。

また、配偶者や専従者に給与を支払うときも、どうすることが節税になるのかを考える必要もあります。

事前に届け出が必要になることもありますし、源泉所得税の納付が必要になることもあります。

決算のときになって、届け出をしていないとか、源泉所得税を納付していないとかいうことにならないようにしましょう。

お金がでていく節税対策にも要注意です。

節税が一番の目的にならないように注意しましょう。

まとめ

節税対策は、最初に仕組みを作ることが大切ですが、優先順位としては、まずは売上をあげること、そして利益をあげることの方が先です。

売上も利益もないのであれば、節税対策など必要ないのですから。

独立前や独立直後に、売上や利益の見込みが甘いのに、節税対策ばかり気にしている人がいるとしたら、優先順位を変えてみましょう。

売上、利益にめどがたったら、節税対策も本気で検討しましょう。

それまでは、節税の仕組みだけはたてておくことと、計上できる経費は漏れなく計上することを心がけましょう。

節税対策を本気で検討しなくてはいけないような状況というのは、売上、利益があがっているということですから、商売的には順調ということもできます。

税金は払いたくないものです。

しかし、節税対策を検討しなくてはいけないということは、売上、利益が順調に上がっていることなんだと思うと、少しは考え方に余裕ができるかもしれません。

売上、利益をしっかりと確保したうえで、節税対策を検討するようにしましょう。

【編集後記】

今日は、知り合いの税理士事務所を見学させて頂きました。

事務所の移転も近づいていますが、色々と参考になりました。

そのあとは、今後登記案件が発生したら、仕事をお願いすることになる司法書士の方ともお会いしました。

どちらも、勤務時代に同僚だった方たちです。人柄的にも、元々知っているという安心感があります。

さらに、仕事ぶりも知っているので、仕事も安心してお願いすることができます。

アイキャッチ画像は、少し前に食べたもので、千葉市若葉区都賀の台にある「らー麺専科 海空土」さんのつけ麺(太麺)です。

非常に食べやすく、とても美味しいので、お気に入りの一杯です。


 

千葉市、四街道市、佐倉市を中心に地域密着を目指している「渡邉ともお税理士事務所」のホームページはこちら

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。