会計データの粗利と頭の中の粗利を一致させよう

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商売をするうえで、「粗利」はとても大切なものです。

商売をしているほとんどの人が「粗利」という言葉を聞いたことがあるでしょう。

「粗利」とは、売上から売上原価を差し引いた金額です。

決算報告書や、試算表でいうと、売上総利益だと思っていいです(この記事では、粗利=売上総利益として書きます)。

自社の粗利の内容を把握する

自分の会社の粗利は、どうやって計算されているのか把握していますでしょうか。

「そんなの知ってるよ!当たり前じゃん。」と思う社長も多いと思います。

しかし、実際には、意外と完全には把握していないケースも多いものです。

粗利は、売上から売上原価を差し引いたものですから、基本的には、売上と売上原価が何なのかがわかっていれば、粗利を把握できるということになります。

売上については、ほとんどの社長は把握しています。

自社の売上の構成がわからないという社長はいないでしょう。

売上原価については、少し怪しくなります。

仕入が売上原価に含まれるのは大丈夫でしょうが、仕入以外にはどういったものが売上原価になっているでしょうか。

商品販売業であれば、仕入にかかる運賃、製造業であれば、製造部門の人件費、外注費など、何が売上原価に含まれていて、何が売上原価に含まれていないのか、しっかりと把握する必要があります。

これを把握していないと、粗利の内容を把握することができません。

例えば、粗利が下がっていたとします。

何で粗利が下がったんだろうと思って、「そうだ!運賃があがっているからだ!」と思ったとします。

しかし、この会社では運賃を販売管理費として処理をしていたら、運賃は、会計データ上の粗利には関係ないことになります。

自社の粗利が、何で構成されているかがわかっていないとこういったことが起きてしまいます。

在庫も問題になります。

仕入が発生したからといって、即売上原価になる訳ではありません。

まだ売れていない状態であれば、在庫として売上原価からは除かれるのです。

在庫を考慮せずに、粗利の把握はできないと思っておきましょう。

売上原価の内容は決まっているが

売上原価になるものは決まっていますが、絶対的なものではありません。

会社によって、売上原価になったり、販売管理費になったりするものもあります。

先ほどの例であげた運賃の場合、一般的には仕入にかかる運賃は売上原価になり、売上にかかる運賃については販売管理費になります。

しかし、会社によっては、運賃の区別をすることなく全て販売管理費にしているといったことも珍しくありません。

他にも、会社によって売上原価になったり、販売管理費になったりするものはあります。

大事なのは、こういった費用を自社でどのように処理しているかを把握することです。

そうでなければ、自社の粗利の分析もできないといったことになってしまいます。

また、自分で粗利の内容を把握していれば、どのような処理をしてもいいというものでもありません。

商品販売業で、製造原価を使用していないのに、人件費や家賃を売上原価にしてしまっては、粗利が全く違った金額になってしまいます。

これを、金融機関や税務署が見ると、同業他社との粗利率の違いにびっくりしてしまいます。

もちろん、うちはこうしていると説明すれば済むかもしれませんが、わざわざそんなことをするのも大変です。

自社の状況を考えて、「うちはこうしている」という部分があっていいと思いますが、一般的な範囲内でやる方がいいでしょう。

まとめ

商売をするうえでとても大切な粗利。

粗利の内容をきちんと把握していないと、自社の数字の分析もできません。

自社にとって、売上原価を構成するものは何なのかを考え、適正に処理をすることで経営の分析もできるようになります。

融資を受けようとして、金融機関に決算書や試算表を提出して数字について話しているときに、粗利の内容を把握できていないのでは、銀行の印象も悪くなってしまいます。

粗利を把握していなくていいことはありません。

会計データの粗利と、自分の頭の中の粗利は一致させるようにしましょう。

【編集後記】

今日から師走です。

師走という言葉は、普段使わないんですけど、こうして文章で書くときは、「12月」と書くより「師走」と書いた方が雰囲気が出ますよね。

ブログを書くうえでも、どんな言葉を使って書くと伝わるのかを考えて書きたいものです。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。