辻山良雄さんが書いた「本屋、はじめました」を読みました。
わたしは本が好きで、本屋さんも好きです。
以前にはこんな記事も書いています。
町の本屋さんが閉店して寂しいと書き、税理士事務所も似たような状況になるのではと思い、書いた記事です。
町の税理士事務所より、もっと状況が厳しいのが町の本屋さんだと思います。
そんな中で、個人で新刊書店を開店したということで、非常に興味を持ちました。
読み終わってから気づいたのですが、作者の辻山さんはわたしと同い年でした。
しかも、開業年もわたしと同じ2016年です。
その点にも親近感を持ちました。
この本では、著者の勤務時代のことも書かれています。
大手の書店に入社をして、何カ所かの店舗の勤務を経て、本店のマネージャーになりました。
そして2015年にその本店が閉店になります。
その後、会社を辞めて、自分のお店を開店しました。
独立をして自分の店を持とうと準備をしていた訳ではないと書いてあります。
本屋さんで、独立をして自分のお店を持つというのは、簡単なことではないと思います。
そういった決断に至った過程なども書かれています。
そして、開店の準備についても詳しく書かれています。
当然お店を開店するには、お金の問題も出てきますので、その点についても触れてています。
物件が決まる過程や内装工事などについても書かれています。
この辺りは、わたし自身も事務所を借りる時に経験しているので、共感しながら読みました。
そして、辻山さんは開店前から知ってもらうためにとブログを始めます。
この点も、共感しまくりです。
税理士の場合は、フライングをしての営業はまずいので、ブログをやるとしても、かなりの制限があります。
わたしも、開業4か月前からブログを始めましたが、開業するまでは事務所の名前も出さずに記事を書いていました。
宣伝というよりは、ブログの力をつけるためです。
物件を探す際に、「もう通勤電車には乗りたくないと思っていました」というのもよくわかります。
独立をする人であれば、多くの人がそう考えるのではないでしょうか。
わたしも、今では電車での通勤は考えられないし、長時間の通勤も考えられません。
ただし、辻山さんは交通事故のことまで考えています。
通勤時間が短ければ事故にあう可能性が低くなるとも書いています。
自分がけがをして働けなくなったらお店がつぶれてしまうという、独立ならではの心配事だと思います。
わたしも普段から、事故やケガ、病気には気をつけています。
本屋さんというのは、他店との差別化はなかなか難しいと思います。
さらに、今では多くの人がネットで本を買うのは当たり前ですし、電子書籍で読む人もいます。
そういった中で、辻山さんは勤務時代の経験を活かして色々な工夫をしています。
この本の最後には、辻山さんが開店前にたてた事業計画や、1年目の損益が載っています。
1年目の営業利益が当初の予想よりも大きかったということで、読んでいてもホッとしました。
わたしは以前の記事でも書いたことがありますが、好きなことをしているから利益は度外視するというようなことはあまり好きではありません。
独立をして、好きなことをやりながらも、ある程度以上の利益は確保するということが大切だと思っています。
ですから、経営が難しいと思われる個人の本屋さんで結果を出したことは凄いと思います。
わたし自身は、開業2年で目標の数字に届いていないので、もう少し何とかしないといけないなと再認識しました。
本屋と税理士事務所では違うのですが、共通点も多くあり、読んでいて、自分も頑張ろうと思える本でした。
町の本屋のこれからについても書かれていますし、お店を閉める時のことまで書かれています。
本が好きな人に読んでもらいたい本ですが、本が好きでなくても、独立を考えている人や、すでに独立をしている人にも読んでもらいたい本です。
【編集後記】
以前、「ゆっくり、いそげ」という本の感想を書きました。「ゆっくり、いそげ」を書いた影山さんは、西国分寺で「クルミドコーヒー」というカフェを経営しています。
そして、「本屋、はじめました」を書いた辻山さんは、荻窪で本屋さんを経営しています。
近いうちに、この2件を1日で回ってみたいと思います。
【福浦メーター 1992本】
福浦選手が昨日もヒットを打ち、2000本安打まで残り8本となりました。
チームのクライマックスシリーズ進出は厳しい状況になってきましたが、福浦選手の今シーズン中の2000本安打は達成されそうな勢いです。