独立後に勤務時代よりも多く稼ぐにはいくら稼げばいいのか~個人事業主編~

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独立をしたら、勤務時代よりも稼ぎたいと思う人は多いでしょう。

では、勤務時代よりも多く稼ぐにはどのくらい稼げばいいのでしょうか。

今回は個人事業主を前提として話をすすめます。

目安の一つが青色申告特別控除前の所得金額

独立後にいくら稼いでいるかは、青色申告特別控除前の所得金額が一つの目安になります。

青色申告特別控除前の所得金額とは、簡単に言うと、売上から必要経費を引いた金額です。

売上が2,000万円、仕入が800万円、その他の経費が300万円だとすると、2,000万円-800万円-300万円=900万円となります。

この900万円が勤務時代の給与の額面金額よりも多ければ、勤務時代より稼いでいると言えます。

給与の額面金額とは、源泉徴収票で言うと支払金額の欄の金額のことです。

税金や社会保険料の控除前の金額です。

個人事業主の事業所得の金額は、青色申告の場合、65万円(又は10万円)が控除されています。

この65万円(又は10万円)は実際に支払った経費ではありませんので、自分の稼ぎを知りたい場合は足して考えた方がいいでしょう。

退職金や公的年金も考慮する

勤務時代に退職金制度がある会社で働いていた場合は、退職金も考慮する必要があります。

勤務を続けていれば退職金をもらえたはずですから、その分も稼がないと勤務時代より稼ぎが少なくなってしまいます。

もし、定年まで働いたら2,000万円の退職金がもらえたという場合で、実際には途中で退職して500万円もらったということであれば、1,500万円分多く稼がないと、勤務時代と同じとは言えません。

独立して20年働くのであれば、1年あたり75万円多く稼げば、退職金分も稼いだと言っていいでしょう。

厳密には税金や社会保険料も考慮する必要がありますが、ここでは考慮しないこととします。

さらに、勤務時代は厚生年金に加入していましたが、独立後は国民年金になります。

その分、将来貰える公的年金が少なくなります。

独立後は、この金額分も多く稼がないと勤務時代より稼いだとは言えません。

年金の差額は人によって違いますので、厳密な計算は難しいです。

公的年金のことを考えると、独立後は、年間100万円くらいは多く稼ぎたいものです。

その多く稼いだ分を、小規模企業共済やiDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金にあてると将来の不安が少なくなります。

勤務時代は給与から支払っていたが、独立後は経費になるものもある

ここまでは、独立後は勤務時代よりも多く稼がなくてはいけない分について書いてきましたが、その逆もあります。

勤務時代に税金を差し引かれた後の手取り額から支払っていたものの中には、独立後には経費になるものがあります。

例えば、車関係の費用や携帯料金、公共料金などです。

勤務時代から車を所有していた人も多いでしょう。

独立後も引き続きその車を事業でも使うとします。

事業に使う割合が50%で、年間の車両コストが30万円だとすると15万円は独立後の稼ぎが少なく済みます。

事業に使う分の15万円は経費に入っていますので、その分所得が低くなっているからです。

ガソリン代などのように、車の使用に応じて増える経費は、ここでは当てはまりません。

その分支払いが増えているので、単に経費を支払っただけです。

車両本体の減価償却費や、車検費用、自動車税、自動車保険料などは、半分事業に使っても、基本的には今までと同じ金額で発生します。

その半分が経費になるので、負担としては減るイメージです。

携帯料金も同じことが言えます。

勤務時代は全額税金などが差し引かれた手取り金額から支払っていましたが、独立後は税金の控除前の金額から支払うことになります(あくまでも事業の分だけです)。

こういった経費の分は勤務時代よりも少ない稼ぎで済むことになります。

まとめ

独立をしたら、勤務時代よりも稼ぎたいと思う人は多いと思います。

そこで、いくら稼げば勤務時代よりも稼いでいると言えるのかについて書いてみました。

まずは、青色申告特別控除前の所得金額が給与の額面金額を超えることが一つの目安になります。

そのうえで、退職金や公的年金の減少分も稼いでおきたいところです。

独立後の方が有利な点としては、勤務時代から支払っていたもので、独立後は経費になるものがある場合です。

この金額が多ければ、その分は稼ぎが少なくても大丈夫です。

もう少し考えると、一般的には独立後の方がリスクが高くなると言えます。

リスクが高い点も考慮すると、その分多く稼ぎたいというのが本音ではないでしょうか。

例え、今年は稼げたとしても来年、再来年も同じだけ稼げるかはわかりません。

そういったことも考慮した方がいいでしょう。

そう考えると、独立をしたら、勤務時代の1.2倍から1.5倍の稼ぎがあることが望ましいのではないかと思います。

ここまでお金の話をしてきましたが、もちろんお金以外の部分が大きいことも事実です。

お金よりも、生き方や働き方を重視する場合は、稼ぎが減っても幸せな人生を送ることができるかもしれません。

稼ぎは、あくまでも人生の一部だと思って参考にして頂ければと思います。

【編集後記】

プロ野球のドラフト会議が近づいています。

千葉ロッテがどんな選手を指名するか楽しみです。

即戦力よりも、将来性のある選手をとって欲しいなぁと思います。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。