配偶者に専従者給与を支払うデメリット

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個人事業主の中には、配偶者に専従者給与を支払っている人も多いでしょう。

専従者給与を支払って、自分の所得が減るので節税にもなっていると思っている人もいるかもしれません。

しかし、配偶者に専従者給与を支払うことにはデメリットもあります。

実際には、給与を支払うことがデメリットではなく、配偶者に仕事を手伝ってもらうことがデメリットになる可能性があります。

配偶者の仕事は自分でもできる、あるいは誰でもできる場合

配偶者がしている仕事は自分でもできる場合は、配偶者に給与を支払ってやってもらう意味があるか考えましょう。

自分でやれば30分で終わり、しかも自分で内容を把握できるのに、配偶者がやれば1時間かかって、自分でその仕事の中身を把握できないなんてことになると、配偶者にその仕事をやってもらう意味があるのかどうか疑問です。

それから、その仕事は誰でもできることで、例えば、時給1000円で月に50時間働いてもらえればいいといった場合を考えます。

この仕事を人を雇ってやってもらえば、月に5万円の給与を支払うことになります。

5万円が自分の家計からでていきますので、配偶者にやってもらった方がいいと思う人もいるかもしれません。

しかし、配偶者が外で月に50時間働けば、7万円稼げるとしたらどうでしょうか。

家計にとっては、こちらの方が良いですよね。

配偶者は、仕事のスキルが上がっていき、月に50時間で10万円稼ぐようになるかもしれません。

配偶者自身の稼ぐ力が犠牲になっている場合

配偶者が他で働けば、もっと稼げるということも多いです。

自分の仕事を手伝ってもらって、月に20万円の専従者給与を支払っているとします。

しかし、配偶者はとても優秀な人で、他で働けば月に30万円、将来的には月に50万円を稼ぐようになるかもしれない、そんなケースで配偶者に専従者給与を支払うのは、配偶者の稼ぐ力が犠牲になっている可能性があります。

もし、こういった状態で個人事業の業績が落ちた場合は厳しいことになります。

配偶者が他で月に50万円稼いでいれば、一時的に個人事業の業績が落ち込んだとしても生活に支障はないかもしれません。

しかし、配偶者に専従者給与を支払っている場合で個人事業の業績が落ちると、もろに家計に影響が出ます。

家計にとってのリスクを抑えるためにも、配偶者は他で働いて稼いだ方がいいということもあるでしょう。

また、万が一離婚するといったようなことがあった場合、配偶者も自分で稼ぐ力をつけておいた方が安心ということもあります。

家計にとってのリスク分散

先ほどもちょっと書きましたが、配偶者に専従者給与を支払うということは、家計にとってのリスクが集中することになります。

その個人事業の業績が落ちた場合、生活が一気に苦しくなります。

しかし、配偶者が他で働いていれば、個人事業の業績が落ちた場合でも、配偶者の収入で苦しい時をしのぎ、業績が回復するまでの時間を稼ぐことができるかもしれません。

税務上のリスク

専従者に給与を支払うと節税になるということが頭にあって、働き以上に専従者給与を支払っている人もいるかもしれません。

そういった場合は、専従者給与が認められない可能性がありますので、税務上のリスクもあります。

税理士のわたしが言うのは適切ではないかもしれませんが、専従者給与を支払っている人の中の結構な割合で、実際の仕事よりも高額の給与を支払っているのではないでしょうか。

月に数時間しか手伝ってもらっていないのに、月8万円の専従者給与を支払っている、あるいは、他人を雇ったとしたら月に10万円でやってもらうような仕事しかしていないのに、月に20万円の給与を支払っているということは珍しくはないと思います。

ただし、配偶者ですから、他人とは違って、経営に関する重要な相談をしたりすることも多くあります。

そういったことに対する対価が含まれているとすれば、専従者には他の従業員よりも多少高い給料を支払う理由はあると言えるでしょう。

そのあたりになると個別の要素が強く絡んでくることになります。

まとめ

専従者給与を支払うデメリットについて書いてみました。

共働きが当たり前という時代です。

わたし自身も共働きが普通だと思っています。

わたしは、妻に自分の仕事を手伝ってもらっていませんし、専従者給与も支払っていません。

妻には他で働いてもらった方が良いと思っていますし、実際にそうしています。

現在は産休中で、産休が終われば、そのまま育休を取る予定にはなっていますが。

配偶者の稼ぐ力が犠牲になっている、あるいは、一つの事業に家計の全てがかかってしまうリスクなどもあります。

これは結構大きなリスクだと思っています。

もちろん、配偶者と二人で協力して事業を行うことが大きなメリットになることもあります。

専従者に給与を支払うことがメリットになることも多いです。

個別の事情によってメリットにもデメリットにもなるのが専従者給与だと思っています。

世間一般には専従者給与は節税になるということの方が広く知れ渡っているように思います。

しかし、デメリットもあるということは知っておいた方がいいと思います。

【編集後記】

最近娘がよく泣くようになりました。

産まれた日などは泣くことも少なくて大丈夫かなぁと思っていたので、泣くようになったことにも成長を感じます。

アイキャッチ画像は、フィアット500にチャイルドシートをつけた様子です。

フィアットに娘を乗せる必要があったので取り付けたのですが、やはりちょっと狭い感じがしますね。

娘ができるとちょっと大きな車が欲しくなります。

ちょっと大きければ十分ですが。

ちなみに、チャイルドシートは妻の知り合いの方から使わなくなったものを頂きました。ありがたいことです。


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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。