粗利率が20%の商売をしている人が、2,000万円の粗利を稼ごうと思ったら、1億円を売る必要があります。
自分が稼ぎたい粗利のために、いくら売る必要があるかは知っておくようにしましょう。
それだけ売ることができるか
先ほどの例で、粗利を2,000万円稼ぐために1億円の売上げが必要だとします。
この場合に、5,000万円分の商品しか仕入れることができない、あるいは5,000万円分の製品しかつくることができないということでは、粗利を2,000万円稼ぐことは不可能となります。
もし、現在売上げは最大で5,000万円ということであれば、粗利は最大で1,000万円にしかならないということです。
当たり前のことなんですが、このことをよくわかっていない経営者も結構いらっしゃいます。
現状、自分では売上げを増やそうと頑張っている。
しかし、今のまま頑張っても、売上げは最大で5,000万円、粗利率は20%というのであれば、目標の粗利2,000万円にははるかに届かないということに早めに気づかなくてはいけません。
目先の売上げアップや経費削減にしか目がいかないと、その延長線上で目指す粗利に到達できるかどうかの判断が鈍ることがあります。
これは、自分の身体や時間を使わなくてはいけない商売でも同じです。
例えば、1人でやっている美容師を例に取ります。
美容師の場合仕入れの金額は少ないので、ここでは、売上げ=粗利として考えます。
自分でできるのは、1時間に1人、1人当たりの売上げ単価は5,000円だとします。
この状態で、1ヵ月に200万円の売上げを計上しようと思ったら、月に400人のカットをしなくてはいけません。
月に25日店を開けるとしたら、1日あたり16人です。
1人につき1時間かかるのですから、1日16時間働かなくてはいけないことになります。
これは何でも無理があります。
今のスタイルでは、月200万円の売上げは難しいということです。
どうしたら、その粗利を稼げるのか
先ほどの粗利20%の例で言うと、今扱っている商品では、売上げが最大で5,000万円ということであれば、扱う商品を増やすということが考えられます。
複数の商品を扱うことで、粗利20%で売上げ1億円を目指します。
あるいは、インターネットを利用して、対象地域を広げるとか、やり方は色々あると思います。
他にも、設備投資をして扱える量を増やすという方法もあるかもしれません。
美容師の例で言えば、口コミなどを高めることによって、10,000円でもカットしてもらいたいと思われれば、値段を上げることができます。
先ほどの例で、1人当たりの単価を1万円にできれば、1日8人、月に25日営業すれば、月200万円の売上げを達成できます。
ちょっと極端な例になってしまいましたが、何かを変えることで、目標の粗利を達成できないか考えてみましょう。
ここで、規模を拡大するという考え方も当然出てきます。
ただし、規模を拡大する場合は、色々な課題が出てきますので、規模を拡大するかどうかは最初から決めておいた方がいいと思います。
行き当たりばったりで拡大をしてしまうと、取り返しのつかないことになる可能性もあります。
資金繰りに窮したり、採用で失敗をしたり、色々な問題をクリアしなくてはいけません。
まとめ
事業を始める時に、ある程度の粗利の目標は考えるようにしましょう。
今考えているやり方で、その粗利を稼ぐことができるのかも、重要な検討事項です。
できないのであれば、他のことをやったり、他のやり方をしなくてはいけません。
また、規模を拡大するかどうかはあらかじめ決めておいた方がいいです。
規模を拡大するには検討しなくてはいけないことが山ほどありますので、かなりの準備が必要です。
想定以上に売上げが増えたからといって、勢いで規模を拡大すると、足をすくわれてしまいます。
本当に規模を拡大する覚悟があるのか、自分で考えましょう。
規模を拡大しないと決めていれば、その範囲内で、自分の希望する粗利をどうやって稼ぐかを考えることになります。
【編集後記】
千葉ロッテがソフトバンクに3連勝するなんて凄い!
とは思うのですが、さすがに今のソフトバンクは異常ともいえるほどの故障が出ていますから、手放しで喜んではいられません。
それでも、投手陣が良くなってきたので、今後が楽しみです。