タイトルで、お金の教育がすべてと書かれてしまうと、ちょっと引くかもしれませんが、お金の教育はとても大切だと思っているので、読んでみました。
一生懸命勉強して一生懸命働いてもお金は稼げない
著者は、「一生懸命勉強して一生懸命働いてもお金は稼げない」と言います。
その通りだと思います。
日本では、昔から「勉強しなさい」と言われて育った人は多いと思いますし、大人になって働くようになってからも、「一生懸命働きなさい」と言われることも多いでしょう。
しかし、一生懸命勉強したからといってお金が稼げるわけではありませんし、一生懸命働いたからといってお金が稼げるわけでもありません。
このような考え方は、残業が美徳、長い時間働くことが美徳といった悪い習慣にも繋がっていると思います。
古い考え方が全て悪い訳ではありませんが、日本ではお金に関しては昔から、お金について触れること自体が悪いことのように言われてきたことは、良いこととは言えないと思います。
お金儲けは悪いことでもありませんし、投資でお金を増やすことも悪いことではありません。
汗水流して働いた1万円も、投資で増やした1万円も同じ1万円です。
お金のことを言うと、「あいつは金のことばかり考えている」と悪いように言われてしまいます。
こういったことも、そろそろ変わっていかなければいけない時代になっているのではないかと思います。
ですから、お金の教育はとても大切なことだと思います。
著者は、「お金とは問題解決の対価である」と言います。
税理士に例えると、税理士に対する報酬は、お客様の税金や会計に関する問題を解決することによる対価だと言えます。
これもその通りでしょう。
親のお金に対する信念は子どもにそのまま伝染する
著者は、親のお金に対する信念は子どもにそのまま伝染するとも言っています。
これもその通りでしょう。
子どものときに、親から、お金について何も教わらない、あるいはお金儲けは悪いものであるというように言われて育てば、子どもはそのように思ってしまいます。
お金に関することを学ばずに育ってしまうのが良いことだとは思いません。
しかし、日本ではお金に関して学ばずに大人になった人がたくさんいます。
その結果、お金は汗水流して稼ぐもの、楽して儲けたお金は悪いものという考え方がいまだに多くあります。
株式投資などはギャンブルかのように思われ、投資自体をしている人も少ないままです。
著者は、お金を感情から切り離し、偏見を外すために、家庭内でお金の話をすることから始めようと言っています。
日本では、子どものときに、家庭でお金の話をしたことがある人は少ないと思います。
しかし、子どものときからお金について学ぶことは必要であり、それは家庭でも行うことが大切でしょう。
ちょっと違うと思った点
この本に書かれていることで、ちょっと違うかなと感じたこともありました。
著者は悪い借金と良い借金があると言っています。
30年もの長いローンを組む住宅ローンは悪い借金の典型とも言っています。
わたし自身がまさに30年の住宅ローンを組んで家を購入していることもあり、住宅ローンが悪い借金の典型ということには反対です。
その結果、家を持つことができ、そこに住むことができていますので、悪い借金の典型というのはどうなのかなと思います。
また、著者自身が借りている賃貸物件用の不動産を購入するための借金を良い借金と言っています。
これも、一概に良い借金と言っていいのかどうかは疑問に思います。
特に最近は、不動産融資で色々な問題が発生しています。
もう一つどうかなと思ったのが、「歴史を遡ると、「価値」をあらわすお金の形が30~40年周期で変わっていることに気づきます。さらに、70~100年周期で大きな転換期が訪れることもわかります。」と言っている点です。
そして、まさに現在が借金の限界点でクラッシュが起こる可能性が高いとも言っています。
その理由として、1939年と2019年が似ている言っています。
仮にそうだとしても、では、1859年はどうだったのか、1779年はどうだったのでしょうか。
これだけ長い周期を説明するのに、1939年と2019年を比較しただけで70~100年周期と語るのは、ちょっと弱い気がします。
1859年や1779年も似たような状況だったのであればわかりますが、その点については触れていません。
まとめ
ちょっと違和感を覚えた部分もありましたが、子どもに対してお金の教育が大切という点は、わたし自身も以前から感じていたことです。
ですから、こういった本が読まれ、子どもに対するお金の教育が世の中に普及していけばいいなと思います。
そして、親世代も含めて、資産運用をすることが普通の時代になるといいなぁとも思います。
もちろん、お金に関する勉強をしないで、お金を増やそうとすると、怪しい商品に手を出してしまったり、一気に大儲けをしようとして失敗したり、騙されたりといったことが起こるので、あくまでもお金に関する勉強をしたうえでということが大切です。
そして、お金の教育が行き届けば、残業が美徳、長時間働くことが美徳という考え方も自然と淘汰されていくのではないかと思います。
【編集後記】
大船渡高校の佐々木投手について色々言われています。
個人的には、先日、金村義明さんがラジオで話していた意見に共感します。
決勝戦を投げさせなかった監督の判断が評価されているみたいですが、決勝戦だけ見て評価するのもどうなのかなぁと思ってしまいます。
ちなみに、金村さんのラジオの番組に出演しているMBSの藤林アナウンサーは、ラジオで聴いたことしかないので、映像は見たことがないのですが、金村さんとのコンビがよく、何か新鮮な感じのする方で、いい感じのアナウンサーですね。