「お客様は神様です」という言葉は誰が言った言葉か知っていますか?
「お客様は神様です」は三波春夫さんが言った言葉です
この言葉は三波春夫さんの言葉です。といっても今の20代以下の人だと三波春夫さん自体を知らない人も多いでしょうか。三波春夫さんは、昭和を代表する歌手のひとりです。
そうなんです、この言葉は有名な経営者の人が言った言葉ではないのです。経営の神様と言われた松下幸之助さんの言葉でもなく稲盛和夫さんの言葉でもないのです。この時点で若い人はそうだったの?と思う人もいるでしょう。てっきり、有名な経営者の言葉かと思っていたと。
今では、この言葉が独り歩きをして本来の三波さんの意図とは違う意味で使われているケースが多いようです。
三波春夫さんのオフィシャルサイトでは、以下のように書いてあります。
三波春夫にとっての「お客様」とは、聴衆・オーディエンスのことです。客席にいらっしゃるお客様とステージに立つ演者、という形の中から生まれたフレーズなのです。
三波が言う「お客様」は、商店や飲食店などのお客様のことではないのですし、また、営業先のクライアントのことでもありません。
三波春夫さんも、この言葉が三波さんの真意とは違う意味でつかわれることについて気にされていたみたいで、今でもオフィシャルサイトにこのようなことが書いてあるのです。
まじめな人は特に、この言葉を誤解してはいけない
まじめな若い人、若くなくてもこの言葉を誤解して理解している人は特に気をつけましょう。仕事を断ってはいけないと思っている人も多いと思います。この仕事を断るということは、相手がお客様とは限りません。上司や同僚から依頼された仕事を断らなければいけないときもあるからです。
お客様と接する経験が少ない場合で、お客様側からお客様の方が偉いんだという態度をとられるとまじめな人ほど対応できなくなってしまいます。ある程度経験を積んだ人であれば、経験からかわす技術も身につけていると思いますが、そうでない人がまともに相手をしてしまうと泥沼にはまりかねません。
特に、お客様のほうに問題がある場合は早い段階で上司の人などに対応を変わってもらう等の対応が必要になります。会社の上司などが、部下に「お客様は神様だ」などと言っている場合があるとしたら、どうかわすか難しいですね。その場合は上司に対応を変わってもらうのを躊躇したくなりますが、それでも対応を変わってもらうべきです。
ひとり社長の場合は変わってくれる人はいないので自分で対応しなければいけません。ひとり社長なら、このあたりの対応は身につけておくべきでしょう。
ホテルでも迷惑客お断りOKに
ホテルといえば、「お客様は神様です」という言葉が似あうようなイメージがありますが、昨日の朝日新聞デジタルの記事で、迷惑客の宿泊を断れるように旅館業法を見直すと出ていました。ホテル業界もそうなるのかと思いました。でも、よく考えてみると今までお断りできなかったのかとも思いますね。ホテルにしろ、タクシーにしろ、他のお客様の迷惑になるなどする場合は断れないというのはおかしいと感じます。その判断は難しいと思いますが。
ひとり社長の場合、事業が安定するまではどうしても仕事は請けたいと思います。なかなか断るのは難しいでしょう。短期的には請けることによって売上は上がるかもしれません。しかし、中長期的に見た場合、仕事やお客様を選ぶ必要はあるでしょう。
もっといえば、ひとり社長の場合は自分の考え方と合わない人と仕事をすることも避けたほうがいいこともあります。どこまでの仕事を請けてどこからは断るのか、自分の中で基準を作っておくのがいいでしょう。