事業を始めたばかりの人は、最初はあまりなじみがないと思いますので、税理士を選ぶ際のポイントを書いてみます。
まずは近くの税理士を選ぶ
実際に会って話ができたほうがいいと思いますので、近くの税理士を選びましょう。
会社の規模があまり大きくなく、税理士に会うのは年に1度か2度というのであれば、移動時間が1時間以内くらいであれば、問題ないでしょう。
毎月あるいは3か月に1度くらい税理士と会うという場合は、移動時間が30分以内くらいがいいかもしれません。このあたりは自分のお好みでいいと思います。
実際に会うことにこだわらない人、メールやスカイプなどで十分という人でも、まったく税理士に会わないというのはおすすめしません。そういう人でも移動時間が2時間でおさまる税理士を探すのが現実的ではないでしょうか。2時間くらいであれば、必要な時は会うこともできるでしょう。
税理士事務所によっては、移動時間が1時間以内しか受け付けていないところもありますので、その点は確認するようにしましょう。
税理士事務所の規模を選ぶ
税理士事務所は、税理士1人でやっているところから100人を超える職員がいるところまで様々です。
小さな事務所、大きな事務所にはそれぞれいいところ悪いところがありますので、自分にはどちらの事務所がいいか判断しましょう。
100人以上の会社であれば、大きな税理士事務所を選んだほうがいいでしょう。国際税務や外形標準課税、グループ法人税制など、小さな事務所ではあまり取り扱わないようなことが発生する可能性があるなら、なおさらです。大きな事務所であれば、組織で対応するはずなので、その点でも安心できるでしょう。
小さな会社であれば、どちらを選んでもいいのですが、次のような特徴は知っておきましょう。
1.大きな事務所であれば、税理士でない職員が担当をすることも珍しくなく、その担当者も数年で変わることが多い
税理士事務所の職員は、税理士でないことも多いです。もちろん、経験を積んでいる職員であれば問題はないでしょう。また、人の入れ替わりもそれなりにありますので、担当者は数年で変わると思っておいたほうがいいでしょう。
2.大きな事務所であれば、事務所にノウハウがたまっている
小さな事務所では、お客様の件数が限られていますので、たまにしか発生しないことのノウハウがない場合があります。大きな事務所では、担当者がやったことがないことでも、事務所にノウハウがたまっています。
大きな事務所の中にも組織化が進んでいなくて、ノウハウも共有されていないような事務所もありますので、注意してください。
3.小さな事務所であれば、担当が税理士で、しかもずっと変わらない
小さな事務所であれば、税理士(所長)が担当しますし、担当が変わることもありません。ここは大きなメリットになります。この人にお願いしたいという場合は小さな事務所のほうがいいでしょう。
かかりつけ医みたいにこのお医者さんに何でも診てもらいたいというような場合は、かかりつけ税理士として小さな税理士事務所をおすすめします。
ホームページで調べてみる
税理士の情報というのは、外からはなかなかわかりません。それでもホームページは見てみましょう。いまの時代でホームページがないというのは避けておいたほうがいいかもしれません。意図があってホームページを作っていないこともあると思いますが、年配の税理士でIT化がほとんどできていない事務所の可能性もあります。
この先、10年20年と契約を続けようと考えているなら、10年20年続けられる税理士を選びましょう。
ホームページに書いてあることは割り引いて考えることも必要でしょう。これは税理士事務所に限りませんが、売るためのホームページですから、基本的にはいいことが書いてあるはずです。いいところだけを見て決めてしまうのはリスクがあります。
ブログを頻繁に更新している税理士であれば、どういう税理士なのか、ある程度の参考にはなるでしょう。
税理士は変更してもいい
税理士には、会社のお金のことを全部知られてしまいますから、一度契約した税理士を頻繁に変えたいと思う人は少ないでしょう。しかし、税理士選びは難しいことですから、一度決めた税理士を変えてはいけないと思う必要はありません。
むしろ、最初に決めた税理士が自分に合っている確率のほうが少ないかもしれません。
合わない税理士と契約を続けていても不満がたまります。それでも、いきなり変更することは抵抗があるという場合は、ほかの税理士にセカンドオピニオン的に意見を聞いてみるのもいいと思います。その結果、やっぱり、今の税理士がいいということになることもあると思います。
値段だけで決めない
今はホームページを見れば、その事務所の値段は大体わかります。安いところを探せば、見つかるでしょう。
安い事務所が全部悪いというつもりはありませんが、安いのには理由があるはずです。そういうところも含めて安いところがいいという人は、安い事務所を選びましょう。
高ければいいということでもないので、値段だけではなくサービスの内容、税理士との相性で選ぶことが大切です。