実務では、税理士試験の受験科目よりも実績が大事

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今日で平成29年の税理士試験が終わります。

このタイミングで来年の受験科目をどうしようかと考えている人も多いでしょう。

実務経験のない人であれば、実務のためにこの税法科目を選択したほうがいいのかな、とか疑問に思っているかもしれません。

この業界で15年以上働いてきたわたしの意見は、合格を優先させた方がいいということです。

税法科目は3科目しか選べない

実務をやるうえでは、法人税、所得税、相続税、消費税のどれも重要です。

しかし、税法科目は3科目合格すればいいのですから、全科目を受験することはありません。

そういう制度になっているのですから、3科目をなるべく早く合格することを優先して考えた方がいいと思います。

特に、働いている人や勉強時間が限られている人は、勉強時間が少なくて済む科目を選んだほうがいいです。

逆に、勉強時間を多く取れるという人は、ボリュームの多い科目を選んだほうが受かりやすいかもしれません。

勉強時間が少なくて済むことと、合格しやすいかどうかは、あまり関係がないと思います。

しかし、負担は随分と違います。

既に所得税を合格している人が、住民税を勉強するのと、法人税を勉強するのでは、負担が全く違うのです。

負担とは、勉強時間と言ってもいいです。

また、ボリュームの少ない科目はレベルが高く、一つのミスが致命傷になると言われたりしますが、住民税については、そうでもないような気がします。

わたしが受験してから時間が経っているので参考にはならないかもしれませんが、住民税は、所得税を合格している人が有利なのは間違いないと思います。

住民税は、受験に専念している人にとっては、同時に受験している科目のうちの2科目目、または3科目目であることが多く手が回らない人もいると思います。

働いている人で、あまり勉強できていない人もいます。

そのような状況ですから、既に所得税を合格している人にとっては、短い勉強時間で合格しやすい科目なのではないかと思っています。

実務では、その科目を合格しているかどうかはほとんど関係がない

色々な税理士事務所のホームページを見て頂ければわかると思いますが、「法人税を受験したから法人の税務に強いです」とか、「所得税を受験したから、個人の確定申告はまかせてください」などと書いてあることはほとんどありません。

わたし自身、お客様の前で、「所得税を合格しているから」とか、「消費税を合格しているから」とかの言葉を話したことはありません。

「法人の顧問を〇〇件やっています」とか「確定申告を500件以上やりました」とかの、実績を話すことはあります。

税理士事務所のホームページを見ても、実績は良く書いてあります。

お客様も、実績は気にします。

法人税や消費税は、受験しているかどうかにかかわらず、実務をこなすうえで、勉強します。

法人税や消費税の勉強をしないで、実務はできないですから。

所得税も同じです。

個人の確定申告を全くやらない税理士事務所もあるかもしれませんが、通常はやります。

やるのであれば、勉強しないわけにはいかないのです。

勉強を受験としてやるのか、実務としてやるのかの違いです。

さらに、毎年のように税制改正があるのですから、受験で勉強したからといって、その後、その税法を勉強しなくてもいいということにはなりません。

この仕事を続けていく限り、勉強は続きます。

このことからも、この税法科目を受験しないといけないとか思う必要はないでしょう。

唯一、相続税だけはちょと別です。

資産税業務を中心にやっていきたいと考えているのであれば、相続税はやっておいた方がいいでしょう。

相続税は、税理士事務所によっては、ほとんど実務ではやらないこともあるので、必要に応じて勉強する機会が少ないのです。

ですから、資産税を中心に税理士業務を行っていきたいと考えているのであれば、相続税の受験をおすすめします。

資産税中心であるならば、所得税もやっておきたいところです。

資産税を中心にやりたいと思っているならば、相続税、所得税、住民税の3科目がおすすめです。

実務をまだやっていない受験生が、その時点で資産税を中心に考えることは少ないかもしれませんが、そう考えるのであれば、上記の3科目を選択するといいでしょう。

まとめ

税理士試験の受験科目の選択は、合格を優先させて選ぶのがいいでしょう。

人によって状況が違いますが、勉強の時間が限られている人は、特にボリュームの少ない科目を選んだほうが負担が少ないのでいいです。

勉強をする時間が限られているのに、法人税、所得税、相続税にこだわって受験期間が延びるのであれば、負担の少ない科目を選んで受験をした方がいいです。

受験をしなかった科目についても、実務をやるうえで勉強します。

実務をやるうえで必要な知識は、受験に関わらず、勉強をしなくてはいけないのです。

わたしは全ての科目を受験したわけではないので、断言はできませんが、税法科目の中では、所得税と住民税を合わせて選択することは、一番効率的な選択だと思っています。

税理士試験の負担をなるべく少なく合格をしたいという人の参考になれば、幸いです。

最後に、繰り返しになりますが、法人税や消費税を選択しなかったとしても、実務をやるうえで勉強をしなくてはいけません。

あくまでも、税理士試験の受験科目として勉強する科目を何にするのかというお話です。

【編集後記】

甲子園で、木更津総合高校が負けてしまいました。

試合経過をネットで見ながら仕事をしていて、もう勝っただろうと思っていたのですが、9回に4点を取られてまさかの逆転負けです。

勝負ごとは最後までわからないものですね。

昨日は、気になっていたものを、ポチッとしてしまいました。届くまで数日かかるみたいですが、楽しみです。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。