年末年始の間に「天上の葦」を読んだので感想を書きます。
いつも通り、なるべく予備知識なしに読みたかったので、どんな話かは知らずに読みました。
ただ、作者の情報だけは少し読みました。
作者の太田愛さんのことは知りませんでした。
もともとは脚本家をしていて、ドラマ「相棒」の脚本も書いていた人みたいです。
後になって、この脚本を書いていたということを知らずに読んだ方が面白かったかもしれないなと思いました。
それほど、わたしの中で脚本家というイメージがついてしまいました。
わたしはドラマの相棒シリーズはほとんど見たことがありません。
水谷豊さんが主演で刑事ドラマというくらいしか知りません。
わたしの中で、水谷豊さんと言えば、熱中時代シリーズと、火曜サスペンス劇場での浅見光彦シリーズのイメージが強く、相棒のイメージはありません。
相棒は見ていないので当たり前かもしれませんが。
随分と後になって、傷だらけの天使を見て、若い時はこんな感じの役もやっていたのかと思ったくらいです。
本を読み進めていくと、物語の展開というか、演出というか、そう言ったものが小説というよりはドラマを見ているかのように思えてしまいました。
ドラマというよりもテレビと言った方がいいかもしれません。
小説を読みながらテレビを見ているような感覚です。
このときに、太田愛さんが脚本家だったということを知らずに読めばよかったと思いました。
この先、多少のネタバレを含みます。
ちょっと内容に触れてしまうのですが、もうひとつ、この小説を読んでドラマっぽさを感じた理由があります。
登場人物のキャラクターが、テレビドラマっぽいと感じたからです。
先ほど書いた傷だらけの天使や、探偵物語、まほろ駅前多田便利軒などを思い出しました。
探偵物語やまほろ駅前多田便利軒は好きなドラマで全話見ていますので、余計にテレビっぽく感じてしまったのかもしれません。
物語が進んでいくと、戦争の話が多く出てきます。
わたしの中で、ここ数年の間に戦争を扱った小説や映画、ドラマなどで印象に残っているものと言えば、「この世界の片隅に」です。
「この世界の片隅に」では、戦争時代の日常が描かれていて、何だかホッとするような部分もあります。
「この世界の片隅に」は、娘が小学生くらいになったら、ぜひ見せたい映画です。
対して、「天上の葦」では、戦争の悲惨さがより強調されています。
戦争ってこんなに悲惨なものなのだなと改めて思いました。
戦争の悲惨さも、娘が物心つく頃には伝えないといけないんだろうなと思います。
ちょっと話がそれましたが、「天上の葦」は面白かったです。
個人的には、テレビのような感覚を覚えたり、戦争の悲惨さが強調されたりといった部分に戸惑う部分もありましたが、面白かったということは間違いありません。
ご興味のある方はお読みになってみてはいかがでしょうか。
【編集後記】
昨日娘のひな人形を買いました。
家から15分くらいのところに、千葉県では唯一、江戸時代から続く桐塑頭という技法を用いて人形の顔を作っている人形師の方がいらっしゃいます。
今回ひな人形をどこで買おうかと調べてみて知ったのですが、こんなに近くにそういった方がいるということも何かの縁なのかもしれません。
ということで、人形師岡むらさんでひな人形を購入しました。