セルフメディケーション税制が普及するためには

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平成29年からセルフメディケーション税制がスタートしました。

個人的にはセルフメディケーション税制はあまり使われないのかなと思い、ブログでも取り上げることはしませんでした。

試しに、このブログのサイドバーにある検索窓で「セルフメディケーション税制」を検索すると、「記事が見つかりませんでした」となります。

昨日一昨日と確定申告の無料相談会に参加して、50人程度の方の確定申告に携わりましたが、セルフメディケーション税制を適用した方は一人はいませんでした。

周りの何人かの税理士にも聞いてみましたが、セルフメディケーション税制を適用したという人は一人もいませんでした。

果たして、セルフメディケーション税制初年度でどのくらいの人が適用を受けるのでしょうか。

セルフメディケーション税制の目的

セルフメディケーション税制は、適切な健康管理のもとで医療用医薬品からの代替を勧める観点から、健康の維持増進及び予防への取り組みとして一定の取り組みを行う個人が、一定のスイッチOTC医薬品を購入した場合に、税金を安くするという制度です。

セルフメディケーション税制がどういった人向けに作られた制度なのかがよくわかりません。

自分で健康管理をしてくださいということや、医療費をおさえたいということなんだと思いますが、この制度で目的が達成されるとも思えません。

実際に、確定申告の現場でセルフメディケーション税制について全く話題になっていないことからも、セルフメディケーション税制が有効に機能しているとは思えません。

従来の医療費控除との選択適用というのも、制度をわかりづらくしているように思います。

セルフメディケーション税制を普及させるにはどうしたらいいか

医療費控除とに選択適用ではなく、両方受けられるようにしたらいいのではないかと思います。

医療費控除の対象となるものは医療費控除を適用し、セルフメディケーション税制の対象となるものはセルフメディケーション税制を適用した方がわかりやすいでしょう。

そうすれば、セルフメディケーション税制の方が金額が低くても適用があるわけですから、セルフメディケーション税制を適用しようと思う人が増えるかもしれません。

従来の医療費控除は、年10万円以上支払わなければ対象になりませんでした(所得金額が200万円以上の場合)。

しかし、セルフメディケーション税制では、12,000円以上支払えば、対象になります。

ただし、通常確定申告をしていない人が1年分の対象の領収書を全て保管しなくてはいけないので、手間がかかるという問題もあります。

手間がかからないような方法で適用を受けられるようにすると、普及していくかもしれません。

例えば、ICカードなどを作って、対象となる医薬品を購入するときにレジでかざせば、記録されるというような方法も考えられます。

実際にはカードを発行するのも大変だし、カードを管理しなくてはいけないという手間もかかりますが。

所得税や住民税を控除する場合、税金を負担していない人にとってはメリットがありません。

対象となる医薬品については、消費税を非課税にするという方法も考えられます。

消費税がかからないということであれば、積極的に買ってみようかなと思う人も増えるのではないでしょうか。

まとめ

平成29年から始まったセルフメディケーション税制ですが、利用する人は少ないようです。

少ないというより、ほとんどいないと言っていい状況です。

今のままでは、このまま普及しないということも考えられます。

まだ始まって1年の制度ですが、思い切った手を打たないとこのまま普及しないということも考えられます。

せっかく作った制度なので、使いやすい制度にして多くの人が利用を検討する制度になればいいなと思います。

【編集後記】

確定申告の無料相談会に参加した感想として、寡婦控除や障害者控除については、該当するかどうかを自分で確認して頂きたいなぁということがあります。

会ってすぐの状況、しかも短時間でこちらからはなかなか聞きづらいことですし、個人の情報をどこまで確認できるかという部分については限界があります。

該当しているのに、控除が漏れてしまっている人がいるかもしれません。

自分で確認できる方は、是非自分で確認してから無料相談会に参加することをおすすめします。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。