売上高が多い=良い会社ではない

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事業をしていると、ついつい売上高を求めがちです。

売上高が多い会社はいい会社という印象もあるでしょう。

傾向としては、売上高が多い方がいい会社ということもありそう

全体的な傾向としては、売上高が多い会社は売上高が小さい会社よりもいい会社ということがあるかもしれません。

例えば、学歴と所得の関係、あるいは学歴と頭の良さとの関係にも同じようなことが言えるかもしれません。

学歴が高い人の方が所得が高い傾向というのはあるかもしれませんが、学歴が高くても所得が低い人もいれば、学歴がなくても所得が高い人もいくらでもいるでしょう。

また、学歴が高ければ頭がいいという傾向もあると思いますが、学歴が高くても頭はそれほどというような人や、学歴がなくても頭が良い人も多くいます。

同じように、売上高が多い方がいい会社である傾向はあるかもしれませんが、売上高が多いのに悪い会社も多くあり、売上高が少なくても良い会社もたくさんあります。

利益が同じなら売上が少ない方がいいこともある

少し極端な話をしますが、次の3つのケースを比べてみます。

ケース1 売上高 1,000万円 経費 0円 利益 1,000万円
ケース2 売上高 1億円 経費 9,000万円 利益 1,000万円
ケース3 売上高 10億円 経費 9億9,000万円 利益 1,000万円

売上高は全く違いますが、利益は全く同じというケースです。

利益が同じなのでどれも同じという考え方もできます。

しかし、ケース3では、売上の1%が貸し倒れただけで、貸倒損失が1,000万円発生して利益は0になってしまいます。

同じようにケース1で売上の1%が貸し倒れたとしても、貸倒損失は10万円で、利益は990万円残ります。

基本的には少ない売上で多くの利益を上げた方が効率がいいですし、リスクも少ないでしょう。

利益率が同じならどうか

では、利益率が同じならどうでしょうか。

ケース1 売上高 1,000万円 経費 300万円 利益 700万円
ケース2 売上高 1億円 経費 3,000万円 利益 7,000万円
ケース3 売上高 10億円 経費 3億円 利益 7億円

この場合であれば、多くの人がケース3が一番いいと思うでしょう。

利益が10倍も違うのですから。

しかし、通常は規模が大きくなれば、利益率は下がります。

利益率が下がる要因は、固定費が増えることなどがあげられます。

人が増えれば、中には生産性の低い人も出てくるでしょうし、店舗を増やせば、不採算店舗も出てきます。

では、規模が大きくなると利益率は下がるとして、以下のケースではどうでしょうか。

ケース1 売上高 1,000万円  経費 100万円  利益 900万円 利益率 90%
ケース2 売上高 1,500万円  経費 450万円  利益 1,050万円 利益率 70%
ケース3 売上高 2,000万円  経費 800万円  利益 1,200万円 利益率 60%

いきなり、現実的な数字になりました。

これだけを見るとケース3が良いという人が多いではないでしょうか。

ここで想定しているのはケース1では自分1人の場合、ケース2では1人雇うった場合、ケース2では2人雇った場合という感じです。

こう聞くと、1人で900万円残った方が気楽でいいや、と思う人も出てくるのではないでしょうか。

2人雇って利益が300万円増えるだけというのは効率が悪いと思う人もいるでしょうし、単純に利益が300万円増えるから、そっちの方がいいと思う人もいるでしょう。

また、売上が増え、人を雇っていることで、満足感が増えるかもしれません。

このあたりの判断は人それぞれです。

自分に合ったやり方でやるのがいいでしょう。

まとめ

売上高が多い会社イコール良い会社ではないということくらい理屈ではわかっている人が多いと思いますが、「売上高が多い会社」と聞くと、一目置いてしまうのも事実です。

芸能人の交際相手などが報道される際にも、「年商〇〇億円」といったような紹介がされます。

それを聞いた周りの人が「凄~い!!」とか言います。

実際は、利益がいくらかはわからないんですけどね。

人のことはともかく自分のことは、自分で一番いいと思った売上の規模や利益の水準を目指すのがいいでしょう。

利益、やりがい、プライベートとの両立など、考えることはいくらでもあります。

一律に売上高を目指すのではなく、自分に合った、売上高、利益を目指すようにしましょう。

それが自分にとっての良い会社ということになるのだと思います。

【編集後記】

確定申告時期ということで、ブログのPVが増えています。

昨日は、ブログ開設以来最高の数字でした(といっても大したPVではありませんが)。

PVだけを追い求めているわけではありませんが、PVが多ければ、ブログを書くモチベーションが上がるのも事実です。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。