長生きするリスクの観点から、自営業者にとってのiDeCo(個人型確定拠出年金)と国民年金基金との比較

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先日、ブログの記事で紹介した田村正之さんの書籍「”税金ゼロ”の資産運用革命」を読んで、国民年金基金について改めて検討してみました。

田村正之さんの「”税金ゼロ”の資産運用革命 つみたてNISA、イデコで超効率投資」を読んだ感想

2018.02.16

今回は、長生きするリスクに備えるという観点から、自営業者にとってのiDeCoと国民年金基金とを比較します。

国民年金基金を検討してみようと思った理由

自営業者については、iDeCoと国民年金基金を合わせて掛金の上限額が決まっています。

掛金の上限額は月額68,000円です。

iDeCoの掛金を月額68,000円にすると、国民年金基金には掛金を拠出できません。

また、国民年金基金の掛金を月額6万8,000円にすると、iDeCoには掛金を拠出できません。

2つ組み合わせることはできます。

例えば、iDeCoの掛金を4万円にして、国民年金基金の掛金を28,000円にするということもできます(国民年金基金は実際には口数で掛金が決まります)。

国民年金基金は予定利率が決まっています。

今加入した場合の予定利率は年率1.5%です。

基本的にこの予定利率は加入時の予定利率が適用され、今後金利が上がっても変わることはありません。

iDeCoを利用して自分で運用をする場合、年率3~5%を期待しますので、予定利率1.5%というのは、魅力を感じていませんでした。

しかし、今回、国民年金基金について再度検討しようと思ったのは、国民年金基金のうち、生きている限りもらえるという部分に着目したからです。

何年か前までは、人生80年くらいかなぁと思っていたのが、もしかしたら90年、あるいは100年くらい生きる可能性もあるなと思うようになったのです。

老後のためのお金を考えたときに、生きている限りもらえるお金があったら、長生きしても安心ということです。

自営業者の場合、国民年金は生きている限りもらえますが、金額は多くありません。

そこで出番となったのが国民年金基金の終身年金でした。

いくら支払って、いくらもらえるのか

では、国民年金基金はいくら支払って、いくらもらえるのでしょうか。

国民年金基金には、7種類の型がありますが、長生きするリスクのためとなると、B型になります。

B型は保証期間がありませんが、生きている限り年金をもらうことができます(早く死んだら損ということです)。

わたしを例に取って金額を見ていきます(国民年金基金のホームページで年金額のシミュレーションができます)。

シミュレーションの条件は以下の通りです。

加入時年齢 45歳 性別 男性 1口目 B型 追加でB型を4口追加

上記の条件を入力すると、掛金の月額は33,270円になり、給付額は、65歳以降年額で369,500円になります。

掛金は60歳まで払うので、14年4ヶ月払うことになり、掛金の総額は5,855,520円になります。

受給総額の目安は以下の通りです。

70歳まで生きる  1,847,500円
75歳まで生きる  3,695,000円
80歳まで生きる  5,542,500円
90歳まで生きる  9,237,500円
100歳まで生きる 12,932,500円

81歳まで生きれば、支払った掛金よりも、受給総額が多くなります。

90歳まで生きれば、それなりの金額をもらえますし、100歳まで生きれば掛金総額の倍以上の金額をもらえることになります。

まさに、長生きするリスクにはもってこいの商品かもしれません。

それでもiDeCoを選ぶ理由

上記の掛金相当額を60歳まで支払い、そこから65歳まではそのまま運用を続け、65歳以降は年額369,500円を取り崩しながらも、運用を続けたとします。

年率2%で運用した場合は約90歳で資産が0になり、年率3%で運用した場合は約102歳で資産が0になります。

年率4%で運用した場合は、64歳の時点で一年間の運用益が369,500円を超えるので、65歳以降は年369,500円を取り崩しても、資産は増え続けることになります(税金は考慮していません。)

わたしは、iDeCoで年率4%くらいで運用することを期待しているので、国民年金基金の終身保険という部分よりも、iDeCoで年率4%で運用した方がいいという判断をしました。

まとめ

国民年金基金の終身保険は生きている限りもらうことができるという点で、とても魅力的です。

しかし、iDeCoで年率4%で運用できるならば、iDeCoで運用した方がいいでしょう。

iDeCoは、運用がうまくいかなかった場合は、損をすることもありますし、国民年金基金は最悪破綻するかもしれません。

どちらにも、メリットデメリットがあります。

また、国民年金基金のB型は、早く死んでしまった場合はとくに不利になります。

基本的にどちらが有利なのかは人によって違いますし、長生きするかどうかによっても変わってきます。

最終的には、自分自身にとって、何がベターなのかを判断して決めることになります。

今回は、あくまでも長生きするリスクに備えることを目的として、国民年金基金では保証期間のないB型を前提として書いていることをお含みおきください。

【編集後記】

昨日たまたま見た「セブンルール」というテレビ番組で紹介されていた女性がとても素敵な方でした。

昼は自分のお店で働き、夜は飲食店でバイト。自分の店では1年間無給でも、休日はなるべく移動してアクティブに楽しむ。

365日、楽しくない日はないと言う。

価値観は人それぞれですが、自分で人生を楽しんでいるのですから、素晴らしいですね。

 

今日のZIP!で、先日イチゴ狩りに行った一宮町の近藤いちご園が紹介されていました(アイキャッチ画像は別のいちご園のものです)。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。