税理士法人に対する高額の損賠賠償について話題になっています。
税理士には「税理士職業賠償責任保険」というものがあり、加入している税理士事務所や税理士法人も多いと思います
そういった保険で備えることも大切ですが、危険を察知する嗅覚を大切にしたいと思っています。
業務上のリスクを知る
まずは、自分が行っている業務のリスクを知る必要があります。
例えば、今回話題になっているのは、賠償額が3億円と高額であるためです。
なぜ高額なのかと言えば、3億円もの税額が修正されたからだと思います。
3億円もの税額ということは所得ベースで言うと、10億円かそれ以上の金額が修正になっていると思われます(今回の損害賠償に対してわたしは詳しくは把握していません)。
自分が仕事をする際に、10億円もの所得が修正になる可能性があるということを事前に察知しなくてはいけません。
もし、10億円もの修正が入る可能性があるのであれば、徹底的に調べてその可能性を排除しなくてはいけません。
また、可能性を排除することができないけども、そういった処理をするのであれば、きちんとお客様に説明をしなくてはいけません。
そして、税理士側とお客様で双方納得したうえで申告をするのが通常です。
そういった可能性がある業務に対して、保険で備えておくことは欠かせません。
ただし、保険はすべてをカバーするものではないことも知っておく必要があります。
そこまで考えたうえで、その業務を行うかどうかの判断をすることになるでしょう。
自分のリスクを知る
そう言ったことを考えながら、自分のリスクを考えます。
例えば、わたしの場合、10億円もの所得が動く可能性があるような業務は行っていません。
ですから、わたしが3億円もの損害賠償を負う可能性はないと言っていいでしょう。
しかし、数百万円くらいの損害賠償であれば、可能性はゼロとは言えません。
ですから、そのくらいのリスクがあることは知っておく必要があります。
さきほどあげた税理士職業賠償責任保険の金額も自分の行っている業務に合わせて金額を決めることになります。
自分のリスクを価格に反映する
自分のリスクを価格に反映することも忘れてはいけません。
100万円のリスクがある仕事と1億円のリスクがある仕事を同じ価格で請け負うという訳にはいきません。
仕事の価格は作業量だけではなく、リスクも影響を与えます。
税理士事務所の法人の顧問報酬が、売上げによって決まっていたり、相続税の申告報酬が、財産の総額によって決まっていたりするのはそういったことを考慮していることになります。
作業量が少ないからと言って、売上げが多いにも関わらず安く仕事を請け負っている事務所があるかもしれませんが、こういったリスクを考えると、かなりのリスクを負っていると言うことができます。
嗅覚を大切にする
その業務のリスクがどのくらい大きいかが、一見わかりづらい場合もあります。
今回の高額の損害賠償になった事例も、おそらくそのリスクを見誤ったのではないかと思いますが、こういった嗅覚は大切にしなくてはいけません。
その業務のその取扱いにどういったリスクがあるかは、常に考えるようにしたいものです。
まとめ
自分が行っている業務に対するリスクへの備えとして、保険を活用することも大切です。
しかし、保険ですべてのリスクに備えられるという訳ではありません。
自分で自分が行っている業務に対するリスクを把握する必要がありますし、そのリスクに対する嗅覚を大切にしなくてはいけません。
いくら気をつけていてもミスが起こる可能性はあります。
万が一のときに、どのくらいの損害が発生する可能性があるのか。
そういったリスクに対する嗅覚を磨くようにしましょう。
【編集後記】
アイキャッチ画像は、記念日に買ったケーキです。
船橋市にある「patisserie la page(パティスリー ラ パージュ)」というお店で買いました。
わかりづらいですが、手前に写っているのは夏限定のヴェリーヌモンブランでグラスに入っています。ジュレと水羊羹?みたいなものも入っていてあまり食べたことのないモンブランです。
写真右側の桃のタルトも美味しかったです。
個人的には写真左側のケーキが一番美味しかったです。中に入っている柑橘系の甘酸っぱい感じのゼリー?とピスタチオ?との相性が良かったです。
帰りに一蘭でラーメンを食べましたが、こちらはイマイチでした。