法人成りをする際に欠かせないのが、社会保険料についての検討

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法人成りをする際に検討をしなくてはいけないのが社会保険料です。

社会保険料について理解をしていないと、法人成りをした後、予想外に高額の社会保険料を負担することになり法人成りを後悔してしまうというケースもあります。

法人成りをするということは、社会保険に加入するということですから、しっかりと理解しておきましょう。

国民年金保険料、国民健康保険料と、社会保険料の比較

個人事業主の場合は、国民年金と国民健康保険に加入します。

国民年金保険料は、平成30年度で月額16,340円(年額196,080円)です。

国民健康保険料は、所得や家族構成によって変わってきます。

例として、四街道市で、45歳、合計所得金額が500万円、収入がない配偶者と子供が1人の場合の国民健康保険料は、約年605,000円程度になります。

この例では、配偶者の国民年金保険料も年196,080円かかります。

世帯の国民年金保険料と国民健康保険料を合計すると、997,160円になります。

この個人事業主が法人成りをして、役員報酬を月額40万円とした場合の社会保険料は以下の通りです。

会社負担分 年額734,064円
個人負担分 年額734,064円
計     年額1,468,128円

個人負担分だけを見ると、法人成りして社会保険に加入した方が安いように思えます。

しかし、会社も同額を負担しますので、個人負担分と会社負担分を合わせると、約146万円にもなり、個人事業主のときよりも、47万円も多く保険料を支払うことになります。

ちなみに、個人事業主のときは、配偶者の国民年金保険料や、子供についても多少の国民健康保険料がかかっています。

社会保険の場合は、配偶者を扶養に入れることで、配偶者自身の国民年金保険料や健康保険料がかからなくなります。

また、子供についても、保険料はかかりません。

社会保険の場合、会社負担分の社会保険料は経費になります。税率を25%とすると18万円くらい税金が減少します。

このことを考慮しても、社会保険料の方が負担は大きいと言えます。

社会保険料は、役員報酬の額によって決まりますので、法人成りした後に役員報酬をいくらもらうのかまで考慮して比較をする必要があります。

従業員がいる場合

社会保険の加入義務を満たしている従業員がいる場合は、従業員についても社会保険に加入します。

40歳未満で年収300万円の従業員が3人いる場合の社会保険料は以下の通りです。

会社負担分  年額439,764円×3人=1,319,292円
個人負担分  年額439,764円×3人=1,319,292円
計                2,638,584円

従業員の個人負担分については、従業員が負担する訳ですからいいのですが、会社負担分だけでも結構な金額になります。

従業員が複数いる場合は、自分の社会保険料よりも、従業員分の社会保険料の方が負担が大きくなることも重要な要素です。

しかし、従業員から見た場合は景色が一変します。

わたしは、5カ所の税理士事務所で働きました。中には社会保険の加入義務のない税理士事務所もありました。

それでも、全ての税理士事務所が社会保険に加入していました。

従業員からすれば、社会保険に加入していないところよりも、社会保険に加入しているところで働きたいと思うのです。

将来もらえる年金の額にも影響しますし、病気などで療養した場合などにも影響を与えます。

更には、社会保険料をきちんと支払うことができる事業所なんだと思ってもらえます。

いい従業員を採用しようと思ったら、社会保険の加入義務がなくとも社会保険の加入を検討した方がいいです。

法人の場合は、そもそも社会保険に加入しないという選択肢がない訳ですから、従業員分の社会保険料について高いと思うより、従業員のためにもきちんと払うものだという認識が必要でしょう。

まとめ

法人成りを検討する際に欠かせない社会保険について書いてみました。

法人成り=社会保険加入ですから、社会保険料が今と比べてどうなるのかをしっかりと把握しましょう。

決して、法人成りをした後に、「こんなに高いの?」と思うことのないようにしましょう。

法人成りをするのであれば、社会保険料が高いのを承知で法人成りをするのです。

従業員がいる場合は、従業員のためにも社会保険の加入は欠かせません。

従業員分の負担が高いと思うのではなく、従業員のためにも欠かせない経費だと思いましょう。

社会保険料への不満について、将来もらえる年金の額がわからないとか、自分はほとんど病院にいかないとかいうものがあります。

確かにそうかもしれません。

しかし、決められていることですし、自分が困ったときに助けてくれるのが社会保険です。

あまり後ろ向きに考えるのではなく、事実をみつめて、冷静に判断するようにしましょう。

【編集後記】

庭の桃の花が咲いています。

昨年は小さな桃の実が2つのみの収穫でしたが、今年はどんな桃が収穫できるか楽しみです。

アイキャッチ画像の桃の後ろに桜が見えています。

我が家から見える桜もだいぶ咲いてきました。

今週末まで持ってくれたらいいですね。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。