税理士事務所を選ぶ際に、小さな税理士事務所と大きな税理士事務所のどちらにするか迷うこともあると思います。
そこで、今回は税理士事務所の大きさに絞って話をしたいと思います。
今回の記事では、小さな税理士事務所とは従業員を含めた人数が5人以下で直接所長税理士が担当をする税理士事務所のことを言い、大きな税理士事務所とは従業員を含めた人数が50人以上で、所長税理士以外の人が担当をする税理士事務所のことを言うこととします。
小さな税理士事務所のメリット、デメリット
小さな税理士事務所のメリット
小さな税理士事務所のメリットは何と言っても税理士の顔が見えることです。
従業員が5人以下の税理士事務所では、営業を所長税理士がやることがほとんどです。
ですから、最初に所長税理士がどんな人なのか判断をすることができます。
そして、担当者は所長税理士が行いますから、担当者が変わることはありません。
最初の面談で、所長税理士がいいと思って契約する訳ですから、担当者が変わらないというのは大きなメリットです。
所長税理士が全て担当しますから、顧問先の数もそれほど多くはありません。
数がそれほど多くなく、担当が変わらないですから、所長税理士はお客様のことを理解しています。
何かあって相談する時に、色々な事情をあらかじめわかってもらえているというのは安心できます。
また人と人との関係になりますから、長年に渡って信頼関係を築くこともできます。
小さな税理士事務所のデメリット
小さな税理士事務所のデメリットとしては、事業の継続性に不安があるということがあります。
通常税理士は、引退するまで税理士事務所を経営することが多いです。
しかし、病気や不慮の事故などで仕事ができなくなる可能性もあります。
もし、所長税理士が仕事ができないような状況になれば、突然顧問税理士が不在になってしまいます。
確かにこの点はデメリットであるのですが、そうなった時に新しい税理士を探せば、大きな問題にはならないことがほとんどです。
申告期限直前に所長税理士が事故で亡くなって期限後申告になってしまう可能性はゼロではありませんが、そこまで気にしなくても良いのではないかと思います。
それでも、そういったことが気になるようでしたら、大きな税理士事務所を選んだほうがいいかもしれません。
他のデメリットとしては、税理士事務所によっての差が激しいということが言えます。
50人以上の税理士事務所であれば、ある程度の品質や事業の継続性が担保されていると思いますが、小さな税理士事務所の場合は、税理士事務所によって差が激しいです。
差には、税理士の知識や技術の差もありますし、人柄、コンプライアンスの遵守などもあります。
この点についても、最初に所長税理士と面談をして契約を決める訳ですから、そのときにおかしいと思えば、避けることができます。
大きな税理士事務所のメリット、デメリット
大きな税理士事務所のメリット
大きな税理士事務所に依頼する一番のメリットは、大きな事務所という安心感でしょうか。
この安心感は、「感」という言葉が入っている通り、あくまでも感覚的なものです。
実際に大きな税理士事務所が安心かどうかはわかりません。
それでも、50人以上の税理士事務所であれば、税理士事務所自体が突然なくなることはないでしょうし、事業の継続性という点も大丈夫でしょう。
次に、自分の会社が少し特殊なことをやっている場合の対応は大きな税理士事務所の方が有利です。
税理士事務所として多くの顧問先を抱えていますから、様々な業種、大きな会社、国際税務など、小さな税理士事務所では対応しづらいようなことにも対応しています。
大きな税理士事務所はグループ内に、司法書士、社会保険労務士、行政書士などの他士業の人もいることがあり、そういった税理士事務所の場合、税務だけでなく、社会保険、登記などについて窓口が一つで済むというメリットがあります。
大きな税理士事務所のデメリット
大きな税理士事務所のデメリットして良く言われることは、担当者が変わることだと思うかもしれませんが、もっと大きなデメリットは税理士の顔が見えないことかもしれません。
担当者は税理士でないことも多くあります。
少なくても年に一度は税理士と顔を合わせて話をした方がいいでしょう。
そうでなければ、本当に税理士が見ているかどうかわかりません。
もちろん、担当者が頻繁に変わるとしたら大きなデメリットです。
引き継ぎがしっかりと行われていれば、そこまでデメリットになりませんが、担当者が頻繁に変わるような場合は、しっかりとした引き継ぎができていないことも多いはずです。
大きな税理士事務所の場合は、担当者によって随分と差があることもあります。
同じ税理士事務所でも、良い担当者に長年見てもらえば、良い税理士事務所だと思いますし、あまりいい担当者に出会えなければ、悪い税理士事務所だと思うでしょう。
同じ税理士事務所でも担当者によって大きな差があるのはデメリットの一つです。
そして、担当者を選ぶことができないことがほとんどです。
最初の面談のときに話す人と担当者が別のため、人で税理士事務所を選ぶことができないのもデメリットです。
まとめ
小さな税理士事務所と大きな税理士事務所、一概にどちらが良いとは言えません。
両者の特性を把握して、自分に合った方を選ぶのが良いでしょう。
わたしは、大きな税理士事務所も小さな税理士事務所も経験していて、今は小さな税理士事務所を経営しています。
ですから、どちらかと言うと小さな税理士事務所よりの意見になります。
その点も考慮して読んで頂けたらと思います。
税理士を人で選ぶなら小さな税理士事務所、あくまでも感覚的なものですが、安心感で選ぶなら大きな税理士事務所という考え方もあります。
いずれにしても、自分に合った税理士事務所を選ぶことをおすすめします。
【編集後記】
最近スポーツクラブ通いを再会しようかと考えています。
週2回くらいでもう少しリーズナブルなところがあればいいなと思うんですけどね。