事業を継続するうえで欠かせないものの一つがお金です。
どんなに利益が出ていようが、お金が尽きれば事業を続けることはできなくなります。
マラソンにおける給水も似たような性格があります。
どんなに能力のある選手でも、体の中の水分が足りなくなれば、走り続けることができなくなります。
両者は、足りなくなってから対応しようと思っても間に合わないという点や、適切な量が必要という点でも共通しています。
早め早めの対策が必要
借入は、お金がないと思った時に借りようと思っても手遅れのことがあります。
銀行は、お金がない、あるいは赤字で返済に不安があるというような状態では、融資をしない可能性があるからです。
銀行からしたら返してもらえない可能性が高くなるので、当然のことかもしれません。
ですから、お金を借りるときは早めの対応が必要になります。
3か月後に運転資金が足りなくなるかもしれない、あるいは何かあったときのために手元に資金を多く持っておきたいと思ったら、手元にお金がある状態のとき、あるいは利益が出ているときに、お金を借りる準備をしなくてはいけないのです。
場合によっては、3か月でも準備が足りないこともあります。
例えば、2期連続で赤字が続いているような状態では、借りることができない可能性が高いです。
こういったときは、黒字の決算を終えてからでないと借りるのは難しいこともあり、1年がかりで準備をしなくてはいけないかもしれません。
マラソンでも、のどが渇いてから給水をしても遅いと言われています。
のどが渇く前に早目の給水をとる必要があります。
適切な量が必要
借入はただすればいいといういものではありません。
例えば、一人でサービス業をしていて、大きな仕入も発生せずに、設備投資も必要ないような事業の場合、借りる必要はないかもしれません。
創業当初で売上が不安定であれば、借入を考えた方がいいのですが、事業を開始して数年が経って売上もそれなりに安定した状態では、借りる必要はないでしょう。
そのような場合は、借入ゼロが適切な量と言えます。
また、お金が多くあった方がいいからと言って、必要以上に借りることもないでしょう。
手元に500万円のお金があれば十分という状態で、そこからさらに1,000万円を借りたとします。
利率を2%とすると、1年間で20万円の利息を払うことになります。
必要のないお金を借りて20万円の利息を払うのはもったいないです。
給水の場合で言うと、走る距離が5kmや10kmであれば、そもそも途中で給水をする必要がないかもしれません。
そして、給水が必要だからと言って、大量に水を飲んでしまうとお腹が痛くなって走れなくなってしまうかもしれません。
給水でも適切な量というものがあります。
借入も給水も、事業や人によって適切な量は異なります。
自分にとっての適切な量を考えるようにしましょう。
事業の場合、月商の何ヶ月分とかいうことを聞くことがあると思いますが、必要な量は事業の内容によって大きく変わります。
あくまでも、自分にとっての必要な量を知ることが大切です。
まとめ
事業にとってのお金はよく血液に例えられることがあります。
今回は借入をマラソンの給水に例えてみました。
最近自分でも、走るようになったので、ふと思いつきました。
税理士事務所の場合、事務所を借りない、人を雇わないというのであれば、借入は創業時に受けるだけで充分かと思います。
場合によっては、創業時の借入も必要ないことがあります。
しかし、事務所を借りて人も雇う、従業員分の営業車も必要となれば、借入をした方がいい場合もあります。
状況によって、借入をした方が良かったり、必要がなかったりします。
さらに、事業の規模などによって必要な借入の額も変わってきます。
借入はしない方がいいとか、借入はした方がいいとか、聞くことがあると思いますが、それは人によって異なります。
自分にとって、借入が必要なのかどうか、そして必要であるならば、どのくらいの借入が必要なのかを考えるようにしましょう。
必要であるならば、早めの対応が必要です。
【編集後記】
12月に初マラソンにエントリーしたことは、以前ブログにも書きました。
その前哨戦として、自宅の近くを走る「四街道ガス灯ロードレース大会」にエントリーしました。
11月18日に開催され、距離は10kmです。
2週間前としては、ちょうどいい距離かなと思います。
今はまだ10kmを70分でも走れていませんが、11月には70分以内で走れるようになっているはずです(多分)。
ちなみにガス灯と言っていますが、数年前にLEDに変わっています。
LEDになって趣は物足りなくなりましたが、明るくなったので、変わって良かったのかなと思っています。