独立をしてしばらくすると、人を雇おうかなと思うことも出てきます。
人を雇うか雇わないかは人それぞれの考え方次第ですが、初めて人を雇う場合は、それなりに高いハードルがあります。
では、初めて人を雇う場合は、どんなハードルがあり、どのような準備が必要なのでしょうか。
今回は、税理士事務所を例に取って書きます。
働く場所
まずは働いてもらう場所を考える必要があります。
自宅兼事務所で開業した場合で、従業員が働くスペースがある場合は別ですが、ない場合は、事務所を借りるところから始めなくてはいけません。
自宅兼事務所でも、従業員が働くスペースがある場合は、働く場所についてのハードルは高くありません。
もともと事務所を借りている場合も、同様です。
ただし、自宅兼事務所の場合、従業員が通勤しやすい場所にあるかという問題もあります。
自分はそこに住んでいるからいいのですが、通勤するには不便な場所の場合、応募してくる従業員がいないかもしれません。
人を雇うために新たに事務所を借りる場合は、従業員の通勤しやすい場所に借りることも一つのポイントです。
備品
場所だけあっても働くことはできません。
税理士事務所の場合、ざっと挙げても、机、椅子、パソコン、その他の事務用品が必要になります。
もともと従業員用にこれらのものがあることはほとんどないでしょうから、新しく購入することになります。
全部で数十万円にもなりますから、これらは金額的に高いハードルになります。
備品の場合は、とりあえず最低限のものだけを揃えて、その他は必要になったつど買えば問題ありません。
わたしの場合も、パートさんが入ってから買ったものも多くあります。
入ってきて始めて、あれも必要だ、これも必要だというものが必ず出てきますので、そういうものだと思っておいた方がいいでしょう。
ソフトウエアなど
使用しているソフトウエアのライセンスも購入しなくてはいけません。
大抵のソフトウエアの場合、1つのライセンスで1台のパソコンにしかインストールできないので、人数分のライセンスが必要になります。
税理士事務所の場合は、専用のソフトウエアを使っているものも多いです。
備品に比べると金額のハードルは低いですが、手間は少しかかります。
グループウエアなども検討する必要があります。
2人であるならば、あまり必要ないかもしれませんが、今後人数が増える予定があるならば、今からグループウエアの検討をしてもいいと思います。
スケジュール管理や、情報の共有などは事務所運営の大切な要素でもあります。
わたしの場合、今はグループウエアを検討している段階です。
まだ2人なので、グループウエアが必要かどうか、必要なら勤務時代に使っていたサイボウズを使うのか、それとも他のものにするのか、といったことを考えています。
ルール作り
就業規則を含めて、事務所のルール作りは必須です。
一人の場合は、自分の頭の中にルールがあればいいですし、いつでも勝手にルールを変更できます。
しかし、人を雇うとそういう訳にはいきません。
ある程度のルール作りは必要です。
しかも、自分のことだけを考えたルールでは上手くいきません。
最終的には、自分に跳ね返ってくるので、先のことまで考えなくてはいけません。
そうは言っても、最初から完璧なルールを作ることは難しいです。
最低限のルールを作って、あとはやりながら新たなルールを作っていくのが現実的でしょう。
どちらかというと、厳密なルールよりも目標の共有などの方が大切です。
お互いに同じ方向を向いていれば、ルールはそのつど作ることで足りることが多いと思います。
手続き
初めて人を雇ったら、色々な手続きが発生します。
税務署への届け出や、労働基準監督署、ハローワークなどでの手続きをしなくてはいけません。
場合によっては、年金事務所での手続きが必要なこともあります。
このあたりは、税理士事務所なので苦手ではありませんが、こういったことに詳しくない方の場合は、手続きに戸惑うことでしょう。
社会保険に入る場合は、健康保険証など急がなくてはいけない場合も多いですが、そうでない場合は、入社してから一つずつ手続きをこなしていけば、それほど高いハードルではありません。
まとめ
初めての採用で必要な準備について書いてみました。
こうして見てみると、税理士事務所の場合は、入社してからの対応でまかなえることも多いです。
場所や、最低限の備品(机や椅子、パソコンなど)さえあれば、スタートはできます。
ただし、労働条件の通知などはお互いの信用にかかわるため、最初にきちんとしておいた方がいいでしょう。
金額的なハードルは必要であれば、融資を検討するのも一つの手です。
わたしの場合は、まだパートさんが入社して間もないですが、思ったことを書いてみました。
新しく従業員を採用しようと思っている人は参考にしてみてください。
【編集後記】
プロ野球選手の引退のニュースが次々と入ってきます。
そういう時期なんだとはわかっていても、寂しいですね。
自分よりも年上の選手がいなくなって久しいですが、同年代と言えるギリギリの世代もほとんどいなくなってしまいました。