税理士事務所はたくさんあります。
その中には能力の高い税理士も多くいると思います。
しかし、必ずしも、「能力の高い税理士=いいサービスを提供している」ということにはなっていないように思います。
税理士を選ぶ際は、その税理士の能力がお客様に向いているかどうかを気にしてみるのもいいでしょう。
いつものことですが、小規模企業(従業員数十人以下の会社)又は個人事業主が税理士を選ぶということを想定して書いています。
お客様に寄り添っていない
基本的に税理士の仕事は、人対人のサービスだと思っています。
ですから、お客様に寄り添うことは必要です。
お客様のことを理解しなくては、いい仕事はできません。
理解しようとすることが大切かもしれません。
もちろん、お互いに、そういうことはなしに申告書さえ提出してくれればいいという考えで一致しているのであれば、問題はありません。
お客様は税理士に対して、それ以上のものを求めていることが多いので、そのことを理解しなくてはいけません。
お客様が求めているものと顧問料とが釣り合わなくてはいけないので、そのあたりのコミュニケーションも大切になってきます。
能力の高い税理士でも、お客様に寄り添っていなければ、いいサービスは提供できないのではないかと思います。
経営に集中している
いくら能力の高い税理士でも、自分の事務所の経営に集中してしまっていると、お客様に対する意識が低くなりがちです。
例えば、1年後には売上1億円、3年後には2億円、5年後には5億円といったことにばかり気を取られていると、お客様に対する意識が低くなってしまいます。
おそらく、凄く頑張るタイプの税理士だと思うので、余計に経営側に集中してしまうのではないかと思います。
経営をしていると、売上や利益の問題、新規顧客の獲得、採用問題、従業員の教育問題と、やることはたくさんあります。
そのような状況で、お客様に寄り添うことは思っているよりも難しいのかもしれません。
キャパオーバー
いくら能力の高い人でも、自分の能力以上のことをできる訳がありません。
20件のお客様を見ることが適正な仕事量の場合で、25件、35件とお客様を増やしてしまうと、当然仕事の質が下がります。
能力のある税理士は、仕事を獲得する能力も高い傾向があると思いますので、キャパオーバーに陥りやすいと思います。
お客様が増えることを事前に予測をして、それに向けて、人を増やしたり、設備投資をしたりということは簡単なことではありません。
また、税理士の能力が高いことと、従業員を教育する能力が高いことも別物だと思います。
ただ人を採用しても教育が追い付かないということは良くありますし、従業員の労働環境が整っていなければ、せっかく入社した従業員も辞めてしまいます。
常にキャパオーバー気味の税理士はともかく、たまたま一時期だけキャパオーバーになっているケースもあると思うので、外からの判断はなかなか難しいものがあります。
まとめ
税理士を選ぶ際に、その税理士の能力が高いかどうかということは一つのポイントになると思います。
しかし、能力の高い税理士でも、その能力に見合ったサービスを提供しているかどうかは別の問題だと思っています。
90の能力の税理士が60の能力しか発揮していなければ、80の能力の税理士でも、70の能力を発揮している税理士の方がいいということになります。
税理士を選ぶ際にここまで考えるのは難しいかもしれませんが、その税理士の能力がお客様に向いているかどうかは確認した方がいいかもしれません。
【編集後記】
昨日で47歳になりました。
娘が産まれたことによって、自分の年齢を今まで以上に意識するようになった気がします。
そんな娘は、あと1週間で4か月になりますが、今の時点では首はすわっていません。
成長のスピードは人それぞれだと思うので、焦らずに見守りたいと思います。