「配偶者に給与を支払った方がいいですか?」とか、「配偶者がパートで働くので、いくらまでなら大丈夫ですか?」という質問に対する回答

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税理士という仕事をしていると、「配偶者に給与を支払った方がいいですか?」とか「配偶者がパートで働くことになったんだけで、いくらまでなら大丈夫ですか?」という質問を受けることがあります。

これに対する回答はケースバイケースなのですが、一番大切なことは、配偶者がどうしたいかということと、配偶者のキャリアプランを長期的な視点で検討することだと思います。

配偶者が将来どうなりたいと思っているのかが一番のポイント

この質問に対する回答は、何を重視するのかによって変わってきます。

一番のポイントは、配偶者が将来どうなりたいと思っているかということなのですが、それを踏まえて下記のようなポイントがあります。

・配偶者の将来を重視する
・事業主の事業を重視する
・家計全体の収支を重視する
・事業主の税金を含めた負担を重視する

配偶者の将来を重視する

一番重視したいポイントは、配偶者の将来です。

配偶者が将来どうなりたいと思っているのか。

例えば、今は子供が小さいので、短時間で働きたいと思っているけれど、将来的には正社員として稼げるだけ稼ぎたいと思っているのであれば、将来に繋がる働き方をする必要があります。

子育て中は、あまり将来に繋がらない短時間のアルバイトやパートをしていて、子育てがひと段落したからといって、いきなり正社員で良い条件で働きたいと思っても難しいことが多いでしょう。

ブランクが長くなれば長くなるほど、稼ぐことが難しくなると思うので、なるべく早い段階から、将来を考えた働き方をしたいところです。

場合によっては、今のうちに、将来やりたい仕事のための勉強をしたり、資格を取ったりした方がいい場合もあるかもしれません。

配偶者が、自分のキャリアを形成したいと思っているのに、自分の事業を手伝ってもらったり、あるいは、将来の収入にあまり繋がらないパートで働いてもらうというのは避けた方がいいかもしれません。

配偶者は、万が一、事業主が事故や病気で早くに亡くなった場合、自分自身で生計を立てなくてはいけなくなるかもしれません。

あるいは、離婚をするということがあるかもしれません。

そういった時に、配偶者自身の稼ぐ力というのは大切なものになってきます。

配偶者が自分で稼げるようになりたいと思っているのであれば、その気持ちを重視するようにしましょう。

事業主の事業を重視する

事業主によっては、配偶者に事業を手伝ってもらうということも考えられます。

この場合に、配偶者が事業を手伝うことで、事業の利益が増えるのであれば、検討の価値は十分にあるでしょう。

・配偶者が事業を手伝うことによって、売上、利益が増える
・配偶者が経理や事務を手伝うことによって、事業主がより事業に集中することができ、売上、利益が増える

上記のような効果が期待できるのであれば、配偶者には事業を手伝ってもらった方が良いかもしれません。

例えば、配偶者が外で働くと300万円くらい稼げるとします。

この場合で、自分の事業を手伝ってもらえれば、専従者給与控除前の事業所得が500万円増えるのであれば、外で働くよりも、自分の仕事を手伝ってもらった方がいいと言えます。

しかし、自分の事業を手伝ってもらった場合は、家計のリスクが自分の事業に集中することになります。

自分の事業が上手くいかなくなると、最悪の場合、家計全体の収入がゼロになってしまうということにもなりかねません。

配偶者が外で稼いでいれば、自分の事業が上手くいかなくなったときでも、配偶者の収入があるので、事業を立て直す時間稼ぎができたりする場合もあります。

夫婦が力を合わせてこそできる仕事もあると思いますし、別々の仕事をした方がお互いに力を発揮できるということもあります。

これは本当に人によって様々だと思いますので、自分自身がどうなのかを考える必要があります。

ちなみに、わたしの場合、妻に仕事を手伝ってもらうことは考えていません。

妻が仕事を手伝ってくれても、事業所得は変わらないと思いますし、妻自身のためにも、妻には外で働いてもらった方がいいと思っているからです。

働き方やどのくらい働くかは、妻自身にお任せします。

家計全体の収支を重視する

先ほどともちょっと被るのですが、家計全体の収支を重視する考え方です。

配偶者に専従者給与を支払った場合と、配偶者が外で働いた場合とで、家計全体の収支を比較します。

例えば、配偶者が扶養の範囲内で、かつ、配偶者自身に税金がかからない金額で、パートをすれば、家計の収支は、配偶者が働いた分まるまるプラスになります。

もし、配偶者が事業を手伝ったとしても、事業所得の金額が変わらないのであれば、配偶者は他でパートをした方がいいということになります。

これは、1年で見ると100万円くらいの話ですが、20年30年で考えると数千万円の話になるので、小さくない問題です。

事業主の税金を重視する

事業主が十分に稼いでいるので、配偶者は外で働く必要がないという場合、あるいは配偶者自身が外では働きたくないという場合は、事業主の税金を重視すればいいと思います。

所得税の最高税率は45%で、住民税と合わせると税率は55%です。

配偶者に事務や経理を少し手伝ってもらって、年100万円の給与を支払うことで、所得税と住民税が合わせて最大55万円減少します。

事業主の税率が高くて、配偶者が外で働く必要がない、あるいは、事業を少し手伝ってもらいながら、家庭を守って欲しいという場合は有効な方法と言えます。

まとめ

税理士をしていると、配偶者の働き方についてよく聞かれるので記事にしてみました。

一番大切なことは、配偶者の気持ちだと思います。

基本的には配偶者の働きたいように働いて、そのうえで、ちょっと調整した方が、税金等の面で有利になるというのであれば、そういった調整をするのがいいのではないでしょうか。

あとは、長期的な視点で考えるということです。

長期的には配偶者自身が自分のキャリアを築くことも大切だと思います。

【編集後記】

アイキャッチ画像は、佐倉市にあるラーメン屋さん「RAGUMAN2014」の冷製サラダらぐまん ピーナッツ味(正式な名称は忘れてしまいました)です。

以前、醤油味は食べたことがあったのですが、ピーナッツ味は初めてです。

ゴマダレの冷やし中華みたいな感じではありますが、そのままのピーナッツも入っていて、美味しかったです。

麺を大盛にしたのですが、大盛にすると、面と具材の量のバランスがちょっと崩れるかもしれません。

会計のときに、「傘はお持ちですか?」と聞かれ、「???」となってしまいましたが、食事中に雨が降り始めていたみたいでした。

優しいお声がけに感謝です。


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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。