iDeCoも75歳から受給可能へ~将来のもらい方を考える

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今日の日経新聞に「イデコも75歳から可能」という記事が出ていました。

そこで、個人事業主の将来の年金のもらい方を考えてみました。

前提条件は以下の通りです。

・40歳で会社員を辞め個人事業主として独立し、その後70歳で引退
・独立と同時に、小規模企業共済とiDeCo(個人型確定拠出年金)をそれぞれ月額3万円で加入
・iDeCoは年率3%で運用できるものと仮定する
・厚生年金は、65歳からもらうと月額13万円と仮定する

退職所得控除額をフルに使うには

まずは、退職所得控除額をフルに使うことを考えてみます。

70歳の引退時に、小規模企業共済とiDeCoを同時に一時金でもらうと、退職所得控除額は30年分で、1,500万円になります。

40万円×20年+70万円×(30年-20年)=1,500万円

iDeCoは65歳まで掛金を拠出できるものとし、それ以降は掛金の拠出なしに、70歳まで運用を続けるものとします。

小規模企業共済の掛金総額は10,800,000円で、一時金でもらえる金額は、13,044,000円になります。

iDeCoの掛金総額は900万円で、一時金でもらえる金額は15,215,861円になります。

一時金でもらえる金額は合わせて28,259,861円です。

この場合の退職金にかかる税額が以下の通りです。

所得税
( 28,259,861 -15,000,000)×1/2=6,629,930
6,629,000×20%-427,500=898,300
住民税
6,629,000×10%=662,900

898,300+662,900=1,561,200

退職金は税制上優遇されているとはいえ、1,561,200円もの税金がかかってしまいます。

もちろん、30年間での節税効果や、iDeCoの運用益に対する非課税の効果を考えれば、お得であることに間違いはないでしょう。

一時金をもらう時期を変えることで、退職所得控除額をフルに使うことができます。

この場合で考えると、65歳でiDeCOを一時金としてもらい、70歳で小規模企業共済を一時金としてもらうことで、退職所得控除額をフルに使うことができます。

65歳時点のiDeCoの一時金の額は、13,125,335円です。

退職所得控除額は25年で、11,500,000円ですから、税額は以下のようになります。

(13,125,335-11,500,000)×1/2=812,667
所得税 812,000×5=40,600
住民税 812,000×10%=81,200
計 40,600+81,200=121,800円

70歳で小規模企業共済をもらった時ですが、もらう一時金が13,044,000円に対して、退職所得控除額は15,000,000円になりますので、退職所得は0となり、税額は発生しません。

一時金をもらう時期をずらすだけで、税額が約156万円から約12万円に減りました。

一時金をもらう時期が大切だということがわかります。

ただし、iDeCoを一時金でもらった後に運用を続けた場合、運用益は課税となります。

小規模企業共済とiDeCoを一金でもらえば、退職所得扱いなので、厚生年金をいつからもらおうと、そちらには影響を与えません。

厚生年金は厚生年金でいつからもらえばいいのかを考えればいいということになります。

iDeCoを75歳まで繰り下げたら

次に、今回の話題であるiDeCoを75歳まで繰り下げたらどうなるかを考えます。

iDeCoを75歳まで繰り下げると、もらえる一時金は17,639,353になります。

小規模企業共済をiDeCoより後でもらう場合は、5年あいていれば、退職所得控除額をフルに使えるのですが、逆の場合は事情が変わってきます。

iDeCoの場合は、15年あけないと退職所得控除額をフルに使うことができません。

ですから、iDeCoを小規模企業共済より後でもらう場合は、小規模企業共済を年金でもらう方が有利かもしれません。

小規模企業共済を70歳から10年分割でもらうと、退職所得ではなく公的年金扱いになります。

受取額は、毎年1,369,620円になります。

公的年金等控除額が120万円ありますので、雑所得の金額は毎年169,620円になります。

収入がこれだけであれば、所得税も住民税もかかりません。

そして75歳でiDeCoを一時金で受け取ります。

iDeCoで退職所得控除額を計算する場合、掛金を拠出していた期間が対象となりますので、退職所得控除額で使う勤続年数は25年になり、退職所得控除額は、11,500,000円です。

75歳時のiDeCoの額は17,639,353円ですから、税額は以下のようになります。

(17,639,353-11,500,000)×1/2=3,069,676
所得税 3,069,000×20%-427,500=186,300
住民税 3,069,000×10%=306,900
計 186,300+306,900=493,200

このポイントは、75歳までiDeCoを非課税で運用できることがあります。

あくまでも年率3%で運用できればということになりますが、65歳からの10年間で、掛金の拠出はないのに、資産額は約450万円も増えています。

しかも、この450万円の運用益は非課税です。

ただし、厚生年金を75歳まで繰り下げた場合、75歳から80歳までは小規模企業共済と厚生年金をもらうことになるので、この間の負担が気になります。

小規模企業共済は年1,369,620円。

厚生年金は1ヵ月繰下げると0.7%増えるとすると、10年で約8割も増えます。

元が13万円だとすると、月額で23万円、年額で276万円くらいにもなります。

合わせると、公的年金等の収入額は4,129,620円です。

小規模企業共済は80歳までですから、この5年間は、所得税、住民税、後期高齢者医療保険料、介護保険料、医療費の負担割合が気になります。

80歳以降は、厚生年金のみになり、収入は276万円になります。

この金額であれば、そこまで税金や医療費の負担割合を気にしなくていいかもしれません。

そして大きいのが、生きている限り年276万円もらえるということです。

いつまで生きるかわかりませんから、生きている限りもらえる年金が多いということはお金の計画を立てる上でとても有難いことです。

まとめ

iDeCoの受給開始が75歳まで繰り下げることが可能になるというニュースを読んで、今回の記事を書いてみました。

もらい方によって、有利不利は随分とあります。

また、人によって、資産額や健康状態が異なります。

絶対的な正解というのはありませんので、それぞれの特徴を理解して、自分にとっていい方法を選択することができるようにしておくことが良いと思います。

※iDeCoの運用益は保証されているものではありません。場合によっては元本割れすることもあります。iDeCoを始める際には、運用に対する勉強をすることをおすすめします。

【編集後記】

ラジオで山下達郎のクリスマスイブが流れていました。

もう36年前の曲なんですね。

今でもこの時期になると必ず流れる気がします。

凄いことですね。


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