独立した場合のローカルルールをどうするか問題

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税理士事務所勤務から独立をした場合に、ローカルルールをどうするかということについて書きます。

ローカルルールとは、簡単に言うと、その税理士事務所のみで決められたルールのことです。

このローカルルールには様々なものがあります。

独立当初は、勤務していた税理士事務所のローカルルールをそのまま引き継ぐという人も多いかもしれません。

では、税理士事務所のローカルルールとはどのようなものがあるのでしょうか。

その前に、ウィキペディアによりますと、ローカルルールとは次のように書かれています。

ローカルルールもしくは地方ルールとは、ある特定の地方、場所、組織、団体、状況などでのみ適用されるルールのことを指す。

ここまでは良いですね。続いて以下のような記述もあります。

その国の体系上、必ずしも合法であるとは限らない。

合法とは限らないとは、何やらきな臭い感じもしてきましたね。

わたしの場合の仕事のやり方

わたしは、税理士事務所5カ所の勤務をへて独立しました。

現在は、その勤務時代の経験をもとに仕事をしています。

しかし、5カ所の経験を均等に混ぜて仕事をしている訳ではありません。

わたしの仕事のやり方の6割は5カ所目の事務所のやり方、3割は1カ所目の事務所のやり方、残りの1割が、あとの3カ所の事務所のやり方、そんな感じです。

1カ所目の事務所は、初めて仕事を覚えたので、やはり基本的なことは、そこで覚えたことが多いです。

今でも、その影響を受けていると思います。

そして、5カ所目の事務所では、税理士登録もしましたし、社員税理士としても働きました。

ですから、一担当者では経験できないようなことも経験しました。

ということで、この2つの事務所の仕事のやり方をもとに、今の自分の仕事のやり方が出来ています。

ローカルルールという点でも、この2つの事務所のローカルルールを今でも使用しているものもあります。

独立したときは、とりあえず、勤務していたときの仕事のやり方を踏襲しましたので、今でも、そのまま勤務時代のローカルルールを継続して使用しているものも結構あります。

ローカルルールはときと場所を選ぶ

ローカルルールを決めることは、何らかの理由があり、そこではそのルールにより、何らかの効果が生まれます。

もし、何の効果も生まないローカルルールであれば、ローカルルールを決める意味はないでしょう。

税理士事務所を例に取ると、ローカルルールを決めることで、効率化を図れることがあります。

経理処理というのは、複数のやり方が認められているものも多いです。

税理士事務所で、やり方を統一することにより、税理士事務所の効率化を図ることができます。

例えば、消費税は税抜経理をする、減価償却は間接法で処理をする、などのローカルルールを税理士事務所で決めておけば、担当者は迷わずに処理をすることができます。

さらに、従業員がそれなりにいる税理士事務所では、他人のチェックを受けるのが通常です。

他人のチェックを受ける時に、ローカルルールが決まっていると、チェックをする人も、みんなが同じやり方をするので、だいぶ楽になります。

この効率化のメリットはかなり大きいものがあります。

お客様からすると、税理士事務所に経理処理の方法を決められてしまうということがデメリットに感じられるかもしれません。

しかし、ローカルルールがあることにより、税理士事務所のミスが減り、効率化が図られることにより、顧問料にも反映されることを考えれば、メリットの方が大きいと言っていいと思います。

そんなローカルルールですが、法律の改正や、技術の発達により、変化していきます。

わたしが勤務していた税理士事務所でも、ローカルルールがすでに変わっているものも多くあると思います。

また、100人規模の税理士事務所で有効だったローカルルールが、小規模の税理士事務所でも有効に機能するとは限りません。

ローカルルールはときと場所を選ぶので、自分に合ったローカルルールを作るのがいいと思います。

変更しようと思っているローカルルール

とりあえず、2点ほどルールを変えようかと思っています。

1つ目は、経営セーフティ共済の掛金の経理処理です。

今までは、経営セーフティ共済掛金という勘定科目を使い、経費処理をしていました。

わたしが勤務をしていた税理士事務所も、当時は全て経費処理をしていたと思います(今でもそうかはわかりませんが)。

今後は経営セーフティ共済の掛金を保険積立金として、資産計上することにします。

ただし、すでに経費処理していた会社については、その処理を継続します。

新たに経営セーフティ共済に加入する場合のみのルール変更です。

お客様によって経理処理が変わるので、注意しないといけませんが、変更するメリットはあるだろうと考えています。

2つ目は、一年以内返済長期借入金を使用します。

今までは、一年以上に渡って返済する借入金は全て長期借入金として処理をしていました。

こちらについては、勤務していた税理士事務所によって、両方ありましたが、独立した際には一年以内返済長期借入金という勘定科目を使用しないことにしていました。

一年以内返済長期借入金については、使用しない理由があまりないので、単純に良い方向にルールを変更するということになります。

基本的には全てのお客様について変更します。

合法でないルールについては、基本的には採用しない

ウィキペディアには、必ずしも合法であるとは限らないとありましたが、基本的には合法でないルールは採用しないようにしています。

税理士事務所のローカルルールの中には、その点で微妙なものもあると思います。

合法の線引きも難しいものもありますので。

例えば、ひと昔前の税理士事務所でよくあったことと言えば、税務署的に問題がないというようなものです。

結果として税金の前払いになるような処理が該当したりしますが、税務署は何も言わないからという理由で、正しくない処理がルールになっていたケースもあると思います。

あるいは、重要でないものや、影響が軽微なものについては、簡略的な処理をすることをローカルルールとしていたこともあるでしょう。

このあたりの線引きは難しいのですが、自分の状況と時代とを考えて、ローカルルールも変更していく必要があると感じています。

まとめ

独立する際に、勤務していた税理士事務所の仕事のやり方を継続するという人も多いと思います。

その仕事のやり方の中には、ローカルルールも含まれていると思います。

しかし、ローカルルールには微妙な問題点もあったりしますので、自分の状況と時代の変化に応じて、変更が必要になります。

自分がガラパゴス化しないように、ローカルルールの見直しは随時やっていかないといけないですね。

【編集後記】

バドミントンの桃田選手、心配ですね。

交通事故によるムチウチ経験者としては、何らかの影響があるのではないかと心配しています。

元気に復活してくれることを願うしかできませんが。


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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。