100時間カレーというカレー屋さんがあることを知りました。
ネーミングに興味を持ち、ホームページを見てみました。
ホームページを見てみると、どうやら実際に100時間をかけてカレーを作っているという訳ではなく、多くの時間と手間をかけてカレーを作っているみたいです。
多くの手間と時間をかけて作っていることをわかりやすく表現したのが「100時間カレー」ということなのかなと思いました。
そして、これは税理士事務所に当てはめて考えてみても面白いなと思いました。
価格を時間で決めるメリット
税理士事務所の顧問報酬は、売上げや従業員の数で決めることが多いと思います。
基本的には、売上げや従業員が多ければ手間が増えるし、税務上考慮すべき点も増えるので、それに合わせて価格を決めています。
弊事務所でも、売上げと従業員数を基準にしています。
では、価格をこちらがかける時間で決めたらどうなるでしょうか。
例えば、以下のような感じです。
100時間コース 年150万円
70時間コース 年110万円
50時間コース 年80万円
30時間コース 年60万円
1年間に100時間かけるコースで年間の顧問料が150万円というようになります。
正直言うと、売上げや従業員数で決めるよりも、お客様の納得感は増すような気がします。
時間かけてくれるから、その分料金が高くなるのは仕方ないなという気持ちもあるでしょう。
逆に安いコースで時間をかけずにやってくれるから、そこまでの高望みはしないということにもなるかもしれません。
個人の確定申告でも同じような感じにすることができます。
30時間コース 45万円
20時間コース 35万円
10時間コース 20万円
といった感じでしょうか。
30時間かかる確定申告であれば、45万円、10時間かかる確定申告であれば、20万円ということで、非常にわかりやすい価格体系になるのではないかと思います。
少なくとも、売上げや従業員で決めるよりはわかりやすいと思います。
価格を売上げで決める場合の欠点は、業種によって差が出てしまうことです。
例えば、仕入れが発生しないサービス業と、原価率が高い商品販売業を、売上げの金額のみを基準にして価格を決めるとします。
この場合、粗利が同じ金額だとすると、売上げは商品販売業の方がかなり多くなります。
結果として、商品販売業の方が価格が高くなりがちです。
ちょっとバランスが悪いと思います。
ですから、売上げや従業員数で価格を決めるよりは、かかる時間で決めた方が合理的でしょう。
時間で決める欠点
価格を時間で決めることには欠点もあります。
一番の欠点は、最初に時間を見積もることが困難なことです。
契約の際に、50時間コースにしたが、実際に仕事をしてみると、80時間はかかるということが起こり得ます。
これを避けるには、契約の段階では何時間かは決めずに、後になってかかった時間分を請求するということが考えられます。
しかし、お客様からすれば、実際に何時間かかったかはわからず、後から80時間分の請求をされれば、税理士事務所に対して不信感を持つ可能性もあります。
契約の段階で報酬の額が決まっていないということは、お客様に歓迎されることではないでしょう。
かといって事前に時間を見積もることは、税理士事務所にとってはなかなか難しいものがあります。
特に新規のお客様については、時間を正確に見積もることは簡単ではありません。
解決法としては、1年ごとに契約コースを見直すということが考えられます。
まずは、50時間コースで契約して、実際に80時間かかったのであれば、翌年からは80時間コースに変更します。
1年ごとに契約コースを見直すということを事前にしっかりと説明しておけば、トラブルになることも少なくなるのではないでしょうか。
もちろん、通常業務以外の仕事が発生した場合は別途報酬が発生するなどの説明もしておかなくてはいけません。
まとめ
税理士事務所の価格体系をどうするかということは、税理士事務所によって様々です。
今回は、他の業種のお店の名前を見て、「なるほど!」と思ったので、税理士事務所に当てはめて考えてみました。
時間でコースを決めるというのも悪くないなと思いました。
ただし、お客様に「うちはそんなに時間かからないでしょ。」と言われることはありそうです。
実際は結構かかることの方が多いと思いますが。
【編集後記】
いよいよ確定申告の季節になりました。
今年も、確定申告の間はこのブログの更新をお休みすることになるかもしれません。
お休みするのは、長くても昨年と同じで2週間くらいかなと思っています。
更新を続けられるようであれば、続けようと思います。