税金の負担感と実際の負担する額の違い

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地球の丸く見える丘展望館より

税金の負担感とは

以前の記事で、所得税の予定納税と住民税の特別徴収のときに税金の負担感について書いています。

そのときの記事
「個人事業を廃止した翌年は予定納税の減額申請をしよう」
「住民税の通知を受け取ったら、税額を確認しよう」

所得税で予定納税をしていると、最後の確定申告の際に納付する税額がその分少なくなりますし、住民税で特別徴収の場合は、1回当たりの税額が普通徴収に比べて少なくなります。1回に納める税額が少ないと、負担感という意味では少なく感じられると思います。

ではこの場合、納める税金の総額はどうなるでしょうか。所得税では最後に1年分の税額を計算し、そこからすでに納めている予定納税額を控除します。住民税では1年分の住民税の1/12ずつを納めます。したがって、どちらも1年間で支払う税額は同じになります。負担感は軽いと言っていますが、1年間で支払う税額は同じなのです。どうせ同じ金額の税金を支払うなら、1回ごとの支払いが少なくなる方が負担感が軽くていいですよね、というお話です。

法人税や消費税の中間納付でも同じことが言えますが、所得税、住民税、法人税、消費税も基本的には予定納税や特別徴収を選べるわけではないので、負担感が軽くなる制度だと思っておくといいかもしれません。法人税や消費税では、仮決算による中間申告をする方法もありますが、事務処理の負担が増えるので、おすすめはしません。

負担感と実際の負担額が違う場合は注意

税金の場合は、負担感と実際に負担する額の総額が一致するケースが多いのですが、これが違うものもあります。

まずは、住宅をローン買う場合です。全額キャッシュで購入する人は少ないと思いますので、ローンで買う前提で話をすすめます。3,000万円の物件を頭金900万円、残りの2,100万円を30年ローンで買う場合と、頭金なしの30年のフルローンで買う場合ではどうでしょう。最初に頭金を支払うのは負担感が大きいと思います。対してフルローンの場合は、当初の負担感がかなり少なくなります。

最近では頭金なしでもローンが借りられることもあるため、不動産屋さんの売り文句にもなっているかもしれません。しかし、当然ながら頭金なしの方が支払い総額は多くなります。車をローンで購入する場合も同じことが言えます。

車の場合、残価設定ローンにも同じようことが言えます。こちらも、営業マンが毎月の支払いの負担感が少ないですよと言ってすすめてくるかもしれません。残価設定の場合は、走行距離がオーバーしてしまったときや、車の状態が悪い時など追加の支払いが発生しますし、買取の際に残価をさらに分割で支払えば、分割手数料が増え、結局は支払い総額が増えることがあります。

住宅の場合や車の場合も、フルローンや残価設定のことを理解したうえで利用する場合はありだと思います。頭金はないけども、今が家を買うタイミングなんだとか、車を今買う必要がある場合もあると思います。しかし、そういった必要がない場合は、いったん落ち着いてよく考えてみましょう。支払い総額が増えても、今購入する必要があるかどうか。車はともかく、家をどうしても今買わなければならない理由はそうはないでしょう。

 

編集後記

連休初日に、銚子の地球が丸く見える丘展望館に行ってきました。冒頭の写真がその時のものですが、景色が素晴らしく、本当に地球は丸いんだなぁと実感できました。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。