所得税と法人税では損失の繰越期間が違うだけではない

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損失は所得税では3年間、法人税では9年間繰越せます。

所得税の場合の損失の繰越控除

所得税では、青色申告者で事業所得や不動産所得に一定の損失が生じた場合で他の所得から控除してもしきれない場合には、その損失は翌年以降3年間繰越すことができます。

例えば、今年100万円の損失がでた場合で翌年の所得が300万円だったときは300万円から前年の損失100万円を控除することができるのです。

1年目に100万円の損失が出て2年目3年目4年目とも損失の場合は、1年目の損失は5年目以降には繰越すことができません。

法人税の場合の損失の繰越控除

青色申告をしている中小法人で欠損金が生じた場合には、その欠損金は翌年以降9年間繰越すことができます。

所得税の場合も法人税の場合でも、複数年の損失がある場合は最も古い年度の損失から控除していきます。

法人設立を検討している場合のメリットとして損失の繰越せる期間が法人の方が長いですよ、といわれるこも多いと思います。もちろん長く繰越せる分法人の方が有利です。9年前の損失が残っている状況はあまりいいとは言えませんが。

しかし、違いはそれだけではありません。

所得税の場合の損失の繰越の計算方法

所得税では以下の順番で税額を計算します。

1.所得金額の計算
2・前年からの損失がある場合はここで控除
3.所得控除額の計算
4.課税所得金額の計算(1ー2ー3)
5.納付税額の計算(4×税率)

上の順番を見てもわかる通り、前年の損失は所得控除をする前に控除します。

まず、損失が発生した年には所得控除を差し引く前に所得がマイナスになっていますから、所得控除を差し引くことができません。同様に損失が残っている限り、翌年以降も所得控除を控除することができないのです。(ほかの所得があってその所得から所得控除を控除する場合を除く)

損失がでても翌年以降に繰越せるからいいや、と単純に思ってはいけません。本来は引けるはずの所得控除を引くところがなくなってしまうからです。

特に、小規模企業共済や個人型確定拠出年金の掛金を多く支払っている人は要注意です。節税のためにこれらの掛金を支払ったつもりが節税になっていない場合があります。所得控除は所得が高ければ高いほど節税の効果が高いのですが、所得控除を差し引く前に所得がマイナスになる場合は節税効果は0になります。

所得控除は翌年以降に繰越すことができませんので、損失が出ている場合はこれらの掛金を減額することを検討しましょう。

法人税の場合は、役員報酬をそれなりにもらって法人が多少のマイナスならそれほど問題ではありませんが、所得税で所得がマイナスになるということは生活にも大きな影響がありますから、この点でも望ましくありません。

所得税では特に損失に注意しましょう。

 

 

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