昨日2月19日の日経新聞に、「赤字申告法人3.3万件 1割以上 実は黒字」という記事がありました。
赤字申告法人が多いというのは、わかります。
中小企業が利益を出すのは難しいからです。
しかし、赤字企業の1割以上は、実は黒字というのは驚きです。
当たり前だが、通常は利益を目指す
当たり前の話過ぎて恐縮ですが、通常、企業は黒字を目指します。
当たり前すぎて反論などないでしょう。
資本を設備や商品に投下して、投下した資本以上にして回収する。
それを繰り返して、企業を継続、発展させるのです。
利益を出すことによって、信用力が増し、金融機関から資金を調達することもできますし、大手企業と取引ができるようになったり、人を雇いやすくなったりします。
経営者や従業員の給料も増やすことができます。
黒字であるメリットは大きいというか、黒字にはメリットしかないように思えます。
一時的な赤字は避けられない場合もありますが、赤字が続くということは、企業のお金が減り続けることを意味するので、いずれかは倒産ということになります。
何故、実際は黒字なのに赤字にするのか?
日経新聞の記事では、法人税を納めたくないから赤字を装うと書いてあります。
ふーん、という気がします。
少し、違うのではないかと思います。
先ほども書いたように、企業は黒字だと多くのメリットがあります。
しかも、多少の黒字であれば、負担する法人税の額はそれほどではありません。
それなのに、黒字のメリットを捨ててまで赤字にするということは、法人税を納めたくないのではなく、税務調査に来て欲しくないという意図があるのではないでしょうか。
赤字なら、税務調査に来ないと思っている企業も少なからずあると思いますので。
しかし、赤字申告法人でも、3.3万件の調査を行っているということですから、赤字にしても、いいことはないということですね。
意図的に赤字を装うって、脱税ですよね
記事では、どのような手法で赤字を装うとは書いていないのでわからないのですが、「装う」と言っているので、認められていない方法で赤字にしているのだと思います。
例えば、特別償却など、税法で認められている方法を使って赤字になっているような場合は、「装う」とは言わないと思うので。
ということは、赤字申告法人の1割上が、意図的に脱税をしているということですね。
国税庁の発表では、平成27事務年度の赤字申告法人は69.3%ということです。
約7割の中の1割ですから、約7%の企業が意図的に脱税をしているということになり、多い気がしますね。
今回は赤字申告法人の1割ということですが、税務調査をした企業の数字です。
赤字なのに、税務調査に入るということは、少なからず、調べたいと思わせる何かがあった企業も少なくないと思います。
ですから、全体で見た割合で言えば、7%ではなく、2~3%程度ではないでしょうか。
それでも、多いですかね。
まとめ
本来なら、黒字を目指す企業が意図的に赤字にするということは、普通ではありません。
しかも、それが意図的な脱税であるとしたら、税理士としても見過ごすことはできません。
もし、関与先のお客様がそういうことをしようとしていたら、やめるように話をしなくてはいけません。
記事に書かれているような企業は、おそらく税理士にも言わずに、赤字を装っているのだとは思います。
しかし、税理士としては、お客様がそのような素振りを見せたら気づいて、正しい道に進む手助けをしたいものです。
【編集後記】
プロ野球のキャンプも、紅白戦や練習試合が始まっています。
昨日は、ロッテのドラフト1位ルーキー佐々木投手が2回無失点の好投を見せてくれました。
順調に来ているみたいですね。開幕が楽しみです。