確定申告書を提出して終わりではない、住民税や国民健康保険のことも忘れずに

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この時期、確定申告書を提出し、所得税を納付して、「終わったぁ」と思っている人も多いでしょう。

しかし、所得税を納付しただけでは終わりません。

提出された確定申告書をもとに、役所のほうで住民税や国民健康保険税を計算して、このあと通知書(納付書)が届きます。

住民税と国民健康保険まで納めて終わりになります。

住民税と国民健康保険を払い終わる頃には、もう来年の確定申告になっているのですが。

所得税よりも高い住民税や国民健康保険税

1.住民税

個人が負担する税金といえば、所得税が真っ先に頭に浮かぶかもしれませんが、人によっては、所得税よりも住民税や国民健康保険税の方が高いこともあります。

所得税は、課税される所得金額(所得控除を控除した後の所得金額)に応じて税率が決まります。

所得税の税率は、5%から45%までありますが、45%というのは、課税される所得金額が4,000万円超の税率ですから、一般の人にはあまり関係ありません。

税率は、課税される所得金額が195万円以下の部分については5%、195万円を超え330万円以下の部分については10%、330万円を超え695万円以下の部分については20%となります。

所得税の税率については、超過累進税率が採用されています。

超過累進税率とは、所得が高くなればなるほど税率が高くなるのですが、高くなるのはその税率の区分を超える部分の金額のみです。

例えば、課税される所得金額が500万円の場合の所得税の計算は下記のようになります。

195万円×5%+(330万円-195万円)×10%+(500万円-330万円)×20%=572,500

住民税の税率は一律10%ですから、課税される所得金額を10万円単位でみていくと、420万円の場合は、所得税が412,500円に対して住民税が420,000円で住民税の方が高くなります。

そして、課税される所得金額が430万円になると、所得税が432,500円、住民税が430,000円となり、所得税の方が高くなります。

意外と住民税の方が高いんだなと思う人が多いのではないでしょうか。

実際は、復興特別所得税があったり、住民税の方が所得控除の金額が少なかったりしますので、この通りではありませんが、大体こんな感じです。

課税される所得金額が420万円以下の人は、所得税よりも高い住民税をこのあと負担することを忘れないようにしましょう。

住民税の通知は、6月頃に届きます。

2.国民健康保険税

国民健康保険税の計算は、市町村によって違いますが、今回はわたしが住んでいる四街道市の計算方法をもとに話を進めます。

国民健康保険税額は、「医療保険分+後期高齢者支援分+介護保険分」でもとめます。

医療保険分、後期高齢者支援分、介護保険分のそれぞれに、所得割額、均等割額があり、医療保険分については、さらに世帯別平等割額があります。

なんだか難しそうですね。

所得金額に関係する所得割額を見ていきます。

まず、注意が必要なのは、国民健康保険税の計算で使う所得金額は、所得税の課税される所得金額とは違うということです。

国民健康保険では、総所得金額から基礎控除33万円を控除した金額を賦課総所得金額としています。

そして、この賦課総所得金額に料率をかけていきます。

所得税では控除できる社会保険料控除や医療費控除、生命保険料控除、扶養控除、配偶者控除、小規模企業共済等掛金控除などは控除できません。

節税の方法はほとんどないと言っていいでしょう。

その他にも注意が必要なことは、配当控除を受けるために、配当所得を総合課税で確定申告した場合や、株式の譲渡益と譲渡損失を通算したり、繰越控除をするために確定申告をして株式の譲渡所得が残るような場合は、国民健康保険税があがることがあるということです。

また、医療費控除やふるさと納税をするために、所得税では確定申告不要の20万円以下の所得がある人なども、確定申告をすることによって国民健康保険税が上がることがあります。

国民健康保険税の所得割額の税率は、医療保険分が7.25%、後期高齢者支援分が1.4%、介護保険分が1.56%です。(介護保険分は40歳以上65歳未満の人が対象)

3つ合わせた税率は、10.21%になります。

やはり、所得がそれほど高くない人にとっては、所得税よりも税率が高くなります。

所得割額の他にも、均等割額や世帯別平等割額もありますから、住民税以上に、国民健康保険税の方が高いという人は多いでしょう。

四街道市の場合、国民健康保険税は、7月中旬に通知書が届き、7月末から翌年2月末の8回に分けて納付することになります。

28年の所得をもとに計算した国民健康保険税は、30年2月に払い終わるのです。

何だか気が遠くなりますね。

まとめ

支払うものがいっぱいあって大変ですが、フリーランス(個人事業主)が確定申告をする場合は、所得税、住民税、国民健康保険税まで合わせて、いくらくらいの負担になるか把握する必要があります。

あとで、通知書が届いてびっくりすることがないようにしましょう。

【編集後記】

この前の日曜日にジャガイモを植えたのですが、まだ芽が出る前の昨日今日と2日続けて霜が降りました。

芽が出る前でよかったのかな。

昨年は、芽が出たところで霜が降りて、生長が遅くなった気がしました。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。