税理士の仕事でいいと思うことの一つに、サービスを売ることに罪悪感を感じないことがあります。
仕事の中には、自分がいいと思わないことでも売らなければいけないということもあるでしょう。
お客様のためにならないもの、必要のないもの、中には、お客様にとって悪い影響を与えるものなど、自分で売るものを選べないこともあります。
税理士の場合、そういうことはあまりありません。
勤務している場合は、多少あるかもしれませんが、独立してしまえば、そういう仕事を避けることもできます。
罪悪感を感じて会社を辞める人も一定程度いる
例えば、銀行や証券会社などに勤めている人の場合は、金融商品をお客様に勧めることもあるでしょう。
金融商品で元本が保証されていないものであれば、儲かるか損をするかは、誰にもわからないので、お客様が損をしたからといっても、それは仕方のないことでもあります。
しかし、商品の特性や、リスクを説明しないままに売っていたとしたら話は別です。
お客様が理解していないと思いつつ、商品を販売している、またはこのお客様には合わないと思っていながら販売している、ひどい場合になると、意図的に説明を省略して売っていることもあるかもしれません。
商品のパンフレットには、お客様に不利な情報は小さく書いてあることもあるでしょう。
販売する人の中には、そういうことに罪悪感を感じて会社を辞めてしまう人もいるのではないかと思います。
銀行や証券会社を例に取りましたが、こういうことは、多くの会社でもあることだと思っています。
やはり、自分がいいと思わないものを売ることには抵抗がありますよね。
税理士事務所の場合
税理士事務所は比較的そういうことがないのですが、お客様の納税意識が低い、あるいは全くないといったことがあります。
勤務している場合は、お客様の納税意識が低いからといって、その仕事を断ることは難しいでしょう。
こういう場合は、お客様に納税の重要性などを理解してもらうように努力をすべきですが、限界もあります。
それでも、職場によっては、仕事を断れないこともあると思います。
税理士事務所でも、罪悪感を感じることはあるのです。
税理士に限らず、他の士業でも同様のことが言えると思います。
ただし、士業事務所では、民間の会社に比べると、罪悪感を感じることは少ないのではないでしょうか。
仕事は仕事と割り切る方法もある
もちろん、仕事は仕事と割り切る方法もあります。
一般的には、仕事は仕事と割り切る人のほうが多いです。
そういう割り切りが簡単にできる人は、そもそも罪悪感を感じないので問題はありません。
当然ですが、法律に違反しているような場合は、罪悪感以前の問題ですので、今回は、法律などには反していない前提で話をしています。
先程の、銀行や証券会社のケースで言うと、自分はしっかりと説明した。
それでも、お客様が買うと決めた場合、自分がいいと思わないものでも問題はないと考えることもできます。
結果的に、それでお客様が得をすることもあるでしょう。
自分は自分の責任を果たして商売をしていれば、結果としてお客様が損をしてもしょうがないということです。
もちろん、しょうがないことですので、割り切れる人も多くいるはずです。
まとめ
税理士の仕事は、サービスを売ることに罪悪感を感じることはほとんどありません。
基本的には、お客様にとっていいと思えるサービス、あるいは必要なサービスを売っているからです。
そういう意味では、やりがいのある仕事と言えるでしょう。
もちろん、仕事ですから、中には気が進まない仕事もありますし、やりたくない仕事もあります。
独立することで、気が進まない仕事や、やりたくない仕事は減らすことができます。
他の仕事と比べて、儲かる仕事とは言えないと思いますが、税理士業界を目指している人にとって、その点はいいことではないでしょうか。
自分がいいと思った商品やサービスを売りたいという人にとって、税理士という仕事は向いていると言えます。
【編集後記】
先週末に、10年以上前に職場で一緒だった税理士の人と10年振りくらいに会いました。
10年も一人で税理士事務所をやっているとのことで、色々と参考になる話を聞くことができました。