長生きするリスクに備えるための方法

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老後の生活費を考えるときに、何歳まで生きるかということがわからなければ、必要なお金を計算できません。

通常は、80歳から100歳くらいの範囲内で計算することが多いのではないでしょうか。

当然ですが、80歳で計算するのと、100歳で計算するのでは、必要な金額が全く違ったものになります。

1年間の生活費を300万円と仮定すると、20年間で6,000万円もの差になります。

80歳までのお金の準備をしていたとして、実際に80歳を迎えたときに、お金が全くないということでは困ってしまいます。

90歳や100歳まで生きることが、それほど珍しくはない時代です。今後も少しずつ平均寿命はのびていくかもしれません。

長生きするリスクに備えるための方法はあるのでしょうか。

「長生きするリスク」という言葉を使うと、まるで長生きすることがいけないことのように思う人がいるかもしれませんが、違います。

ここでは、「リスク」という言葉を不確実性という意味で使っています。

平均寿命が80歳としても、70歳で亡くなる人もいれば、90歳以上生きる人もいるのです。

何歳まで生きるかわからないという意味で「リスク」という言葉を使っています。

当然ですが、長生きすることはいいことだと思っています。

前置きが長くなりましたが、長生きするリスクに備えるための方法を書いてみます。

年金の繰り下げ受給

昨日、年金の受給について「75歳とか・・・」というニュースが出ました。

このニュース(見出し)を見て、「もう年金はもらえないのかな」と思った人もいるかもしれません。

しかし、このニュースは、年金の繰り下げ受給の話です。

現在は、年金の受給開始を70歳まで繰り下げることができますが、これを75歳まで繰り下げられるようにしたらどうかということです。

繰り下げ受給とは、年金の受給開始を遅らせることによって、もらう年金の額を増やそうというものです。

仮に、本来は65歳からもらえるものを70歳からもらおうと繰り下げていた場合に、69歳で死んでしまったら、年金をもらうことなく死んでしまうことになります。

何歳で元が取れるのかは確認していませんが、繰り下げ受給をすれば、毎年の受給額が増えますので、長生きすればするほど、繰上げ受給の恩恵を受けることができます。

日本年金機構のホームページによると、現在では、70歳で繰り下げ請求をすると、増額率は42%です。

70歳までは働いて、70歳から42%増額された年金をもらうということは、長生きするリスクの対策としては悪くないのではないでしょうか。

国民年金や厚生年金の大きなメリットは、生きている限りもらえるということです。

自分で貯めたお金は使えばなくなってしまいます。

80歳までと思って貯めたお金を80歳で使い果たしてしまったら、その後の生活費は無くなってしまうのです。

しかし、国民年金や厚生年金は100歳まで生きても、生きている限りもらえます。

この生きている限りもらえる年金を、5年間繰り下げることで、年42%も増額してもらえるのは大きいです。

老後も運用を続ける

わたしは、インデックスファンドを使って資産形成をすることをおすすめしています。

インデックスファンドを使った運用は年金をもらい始めた時点で終了する必要はありません。

よりリスクの低い運用に変更したほうがいいかもしれませんが、全く運用しないというのはもったいないです。

65歳の時点で3,000万円の残高があったとして、毎年100万円を取り崩しながら年率3%で運用を続けることができれば、お金が減っていくペースをかなり遅くすることができます。

目指す利回りは、年率2%でも1%でもかまいません。自分のリスク許容度を考慮して運用すればいいでしょう。

全く運用しないよりはいいはずです。

もちろん、運用することによって、資産が逆に減ってしまう可能性もありますし、無理な運用は絶対に避けるべきです。

トンチン年金

「トンチン年金」という保険があるのをご存知でしょうか。

「トンチン年金」とは、簡単に言うと、長生きするほど多くの年金を受け取れるような保険です。

日本生命の「GranAge(グランエイジ)」や第一生命の「ながいき物語」などが該当します。

第一生命のホームページを見ると、「ながいき物語」という商品があります。

契約年齢55歳、保険料払込期間70歳、年金受取開始年齢70歳の場合で、年金累計額が払込保険料累計額を上回る年齢は、男性で89歳、女性で94歳となっています。

男性は89歳、女性は94歳より早く死んでしまえば、損をしてしまいますが、100歳での返戻率は男性が160.0%、女性が128.8%となっています。

長生きするリスクに対応した商品と言えるでしょう。

保険には、メリット、デメリットがありますので、商品の特性を良く理解したうえで検討するようにしましょう。

まとめ

長生きするリスクに備えるための方法を見てきました。

優先順位としては、年金の繰り下げ受給と、老後も運用は同列で1位、トンチン年金は、それでも不安という人が検討する商品かと思います。

公的年金の繰り下げ受給や、トンチン年金は早く死んでしまえば、損をすることになるかもしれません。

しかし、目的は老後の生活費です。

早く死んでしまえば、それ以降の生活費はいらないわけですから、そのぶんお金をもらえなかったと後悔することもないのではないでしょうか。

それよりも、長く生きた場合に必要なお金を確保したほうがいいという考え方もできます。

健康に自信がある人や、長生きした場合のお金に不安のある人は、長生きするリスクに備えるための方法を検討しておいた方がいいでしょう。

【編集後記】

わたしも以前は、年金の繰り下げ受給なんてする必要がないと思っていました。

しかし、年齢を重ねるうちに、繰り下げ自給をして長生きするリスクに備えた方がいいと思うようになりました。

もちろん、そのときの健康状況にもよりますので、絶対に繰り下げ受給をするとは言いませんが。

しかし、生きているうちにお金が尽きて生活ができなくなるということは避けたいものです。

そのための方法は今から考えておく必要があるでしょう。

 

庭の一部に芝生を張って2週間近く経ちます。毎日2回の水やりの効果もあってか、だいぶ緑になってきました。

このまま、上手く根付いて欲しいです。


 

千葉市、四街道市、佐倉市を中心に地域密着を目指している「渡邉ともお税理士事務所」のホームページはこちら

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。