渡邉ともお税理士事務所は平成28年8月1日に開業しましたので、今日から開業2年目に突入します。
税理士事務所5ヶ所で14年経験したうえでの開業でしたが、今日はこの1年を振返ります。
独立するまで
もともと税理士になろうと思ったのは、独立しやすそうだったからです。
どうせ苦労をして資格を取るのであれば、独立できる資格がいいと思いました。
しかし、税理士事務所で働き始めてすぐに考えは変わりました。
独立は簡単なものではないし、税理士業界の変化も感じていて、今後はますます独立は厳しくなるのではないかと思ったのです。
独立の気持ちがなくなったことが影響をしたのか、税理士試験最終合格まで長い時間がかかってしまいました。
それでも税理士になることは諦めてはいませんでしたし、独立をしないとしても、独立をする力は身につけようと思っていました。
自分の中では、独立できないのではなく、独立をしないのだという考えです。
税理士事務所の中で、税理士として働き続けるという選択肢もあるのだと思っていました。
そのような考えだったので、39歳で税理士試験に合格したあとも、勤務税理士として働きました。
その後、社員税理士になり、20人程度の支店の責任者になりました。
その頃には、ほとんど担当を持つこともなくなり、決算打ち合わせや、新規案件の営業、銀行やハウスメーカーからの紹介案件、資産税、管理業務などを行っていました。
よく独立をしないと経験できないことがあるとか、独立をしてからの経験の方が役に立つとかいう話を聞きますが、勤務をしていてもできることは多くあります。
2~3年で独立をしてもいいと思いますが、10年以上勤めてから独立をする場合は、10年以上勤めたなりの経験をいかすことができます。
もちろん、どのように勤務時代を過ごすかによって違ってくるのですが。
わたしは、14年の勤務は無駄ではなかったと思っています。
しかし、勤務していた税理士法人を辞めることになり、独立をすることになりました。
独立したら、仕事をとらなくてはいけない
独立してから初めて経験することは、請求業務や入金管理などの事務系の仕事が多く、多くのことは勤務時代にも経験していました。
しかし、勤務時代にやっていなかったことで大切なことがあります。
経営をしていくうえで、とても大切なことなのですが、勤務時代に経験をしている人はほとんどいないのではないかと思います。
勤務時代には、お客様候補の方に対して営業を行っていました。そこには、お客様候補がすでにいたのです。
しかし、独立をしたらお客様候補の人に来てもらうところからやらなくてはいけません。
そして、開業当初は、そこが一番大切で難しいと言えます。
多くの人がここでつまづくと思うのですが、わたしもこの一年ここで苦労しました。今でも苦労しています。
お客様候補がいれば、今までも営業をしてきたので、何とかなるだろうと思いますが、お客様候補に来てもらうことは未経験ですし、どうなるかは未知数です。
対面営業に強い人であれば、とにかく人に会うとか、インターネットに強い人であれば、インターネットでお客様候補に来てもらうとか、人脈がある人であれば、人脈をたどってみるとか、方法は人それぞれです。
よほど、自分の営業方法に自信があるのでなければ、複数の営業ルートを作っておいた方がいいでしょう。
開業前には何とかなるだろうと思っていたものが、実際に開業してみたら、こんなはずじゃなかったということは珍しくありません。
珍しくないどころか、よくあることです。
わたしが最初にやったことは、ブログです。ブログは、開業の4か月前から開始しました。
当初はブログやホームページでお客様に来てもらえればと思っていました。
しかし、そう簡単に来ていただくことにはなりませんでした。
そこで、次に目をつけたのがクラウド会計ソフトです。
今までは、税理士事務所が使っている会計ソフトをお客様にすすめていました。
しかし、今後は、お客様が会計ソフトを選ぶことも増えると思ったのです。
MFクラウドの公認メンバーになり、freeeの認定アドバイザーになりました。
他には、税理士事務所の特徴を出すために、ホームページやブログで地域密着をうたうようになりました。
四街道という小さな市で営業をしていくのなら、地域密着がいいと思ったのです。
今は、自宅兼事務所で営業をしていますが、9月には四街道駅から徒歩5分の場所に事務所を借りる予定です。
地域密着を目指す税理士事務所にとって、実際に目に見える場所に税理士事務所があるというのは、プラスになるでしょう。
それから、今まで勤務していたことに基づいてお客様に来ていただくこともありました。
これは、こちらから動いたわけではありませんが、勤務していたころの働き方による部分があると思います。
何が、後になって影響をしてくるかはわかりません。
このように、複数の営業ルートを確保することが大切になるのではないでしょうか。
まだまだ、実績が少ないので、偉そうなことは言えませんが、これから独立を考えている人は、複数のお客様獲得ルートを考えておくことをおすすめします。
資金繰りは超重要
資金繰りもとても大切です。
普段からお客様に言っていることですが、自分で経験してみると、実感をすることができます。
少なくとも、独立後半年くらいの資金繰りの目処はたてておきましょう。
そのうえで、創業融資も受けられるのであれば、受けておいた方がいいでしょう。
資金がショートしたら、事業を続けることができなくなってしまいます。
とにかく、早目早目の対応が必要です。
わたしは、資金がショートしそうになったら、アルバイトでも何でもやるつもりでしたが、今のところは何とかやらなくて済んでいます。
とはいっても、今後、事務所を借りたうえで、お金がしっかりと回るようになるまでは油断できません。
資金繰りについては、開業前に貯金ができるなら、なるべく貯金をしておくことと、創業融資を受けることが大切です。
開業費用を抑えることも考えましょう。
そして、配偶者が外で働いているのなら、働き続けてもらうことをおすすめします。
仕事がとれるかわからないのに、自分の事業の手伝いをしてもらうことはリスクが高くなります。
事業が上手くいかなくなったときに、二人とも収入が途絶えてしまうからです。
配偶者が外から収入を得ていれば、事業の立ち上げが上手くいかなかっとしても、立て直す時間を得ることができるかもしれません。
独立を機に、配偶者に仕事を手伝ってもらおうと考えている人は、慎重に考えましょう。
仕事が軌道に乗ってから、配偶者に手伝ってもらうくらいの方がいいと思います。
事務所の特徴や仕事のスタイルも大切
事務所の特徴を出すことも大切です。
事務所に特徴があった方が、営業をしやすいと言えます。
医業や飲食業、アパートオーナーなどの業種特化や、資産税や法人成り、個人事業主などの業務特化をすることで特徴を出したりします。
わたしは地域密着と、小規模企業や個人事業主に特化することにしました。
しかし、この特徴を上手くアピールできているかというかというと、まだまだです。
今後は、ブログやホームページでこれらの特徴をもっと出していくことが課題になります。
地域密着や、小規模企業、個人事業主に特化することは、勤務時代もずっとやってきたことです。
上手くアピールできれば、武器になり得ると思っています。
仕事のスタイルとしては、拡大しないスタイルを取ります。
拡大はしないが、一人にはこだわりません。
仕事が増えてくれば、一人か二人は雇うつもりです。
その方が、効率的であったり、仕事をするうえで有効だと思えば、人を雇います。
あくまでも、自分がお客様を見ることができる範囲内に留めます。
そのうえで、仕事だけでなく、プライべートの充実を図ります。
人を雇った場合は、従業員のプライベートの充実も図らなくてはいけないので大変ですが、人を雇うときは、当然のようにそのことも考えます。
自分が何のために働いているのかを考えることはもちろん、従業員が何のために働いているのかも考えなくてはいけません。
まとめ
独立前のことから、開業1年までを振り返ってみました。
1年間を採点するとしたら50点程度でしょうか。
思っていたよりもできなかったなという印象です。
しかし、思っていた以上のこともあり、何とかなっているという状況です。
当初から、2年くらいで事業を軌道に乗せるイメージを持っていたので、今後の1年間で、ある程度の目途はつけなくてはいけないなと思っています。
ブログは平日毎日更新を続けることができていますが、内容にもPVにも満足しているわけではありません。
継続することによって、もう少し効果を期待したいところです。
ブログを半年とか1年読み続けた方がお客様になっていただくようなことがあれば嬉しいです。
地域密着、小規模企業、個人事業主に特化して、地域のかかりつけ税理士としての特徴を今よりも出していきたいなと思っています。
長い文章になってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後とも、当ブログ並びに、渡邉ともお税理士事務所をよろしくお願いいたします。
【編集後記】
アイキャッチ画像は、営業車のFIAT500ですが、ナンバーは開業記念日から801としています。
この営業車も、トラブルなく1年を迎えました。今後5年10年と乗り継いでいきたいです。
先日、保田圭さんが妊娠したとのニュースがありました。ブログにご主人との写真を載せていましたが、ご主人がFIATとユニクロのコラボTシャツを着ていました。FIATに乗っているのでしょうか。
わたしも、同じTシャツを着ています。