所得税と住民税の計算方法を統一することはできないのか

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所得税と個人住民税の所得割は、似たような方法で計算をします。

給与所得者の場合、所得税の年末調整をすれば、住民税の申告も不要になります。

また、個人事業主でも、所得税の確定申告書を提出すれば、住民税の申告書も提出されたものとみなされます。

所得税と住民税の計算方法が似ているため、このような仕組みになっているのです。

しかし、似ているだけであって全く同じではありません。

この違いによって計算や申告が面倒になることがあります。

計算や手続きを簡単にするために、所得税と住民税の計算方法を統一してしまえばいいのではないかと思っています。

所得税と住民税の計算方法の違い

所得税と住民税の計算は細かく見ていくと色々違うのですが、主なものをあげてみます。

1.所得控除

住民税と所得税では、所得控除の種類や金額が違うものがあります。

種類はほとんど同じなのですが、寄付金控除が違います。

所得税では所得控除になる寄付金控除はふるさと納税で有名ですが、住民税では、所得控除ではなく税額控除になります。

さらに、住民税の寄附金税額控除の計算はかなり面倒です。

所得税と住民税の所得控除で金額の違うものには、以下のものがあります。

生命保険料控除、地震保険料控除、寡婦・寡夫控除、勤労学生控除、障害者控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除

見てもわかる通り、金額が違うものは多くあります。

金額の差は、1万円から5万円のものがほとんどです。

特定扶養親族や同居特別障害者の場合など、金額の差が大きいものもありますが、同じ金額にしてしまってもいいのではないかと思います。

2.税率

税率は違って当然だと思いますので、税率の差は問題ないでしょう。

3.均等割

住民税には、均等割という税金があります。

基本的には所得税も住民税も所得(儲け)に対してかかるのですが、この均等割という税金は所得に対してではなく、住んでいる人全員に均等にかかるものです。(所得が一定金額以下の場合は、均等割りがかからない人もいます。)

4.その他

上記の他にも、所得税と住民税で配偶者控除を変えることもできます。

例えば、個人事業主の配偶者について、所得税では配偶者控除を受けるが、住民税では専従者として専従者給与を支払うこともできるのです。

また、上場株式の配当所得や譲渡所得について、所得税と住民税で異なる課税方式を選択することもできます。

さらに、所得税では、年末調整をしている給与所得者が他の所得が20万円以下であれば、確定申告が不要になりますが、住民税では、その規定はありません。

 多くの人はこれらの違いを知らない

税率や均等割などは、役所の方で計算しますので、納税者がすることは特にありません。

そういったものはいいのですが、納税者側がやらなくてはいけないことについては、ハードルが高くなります。

多くの人は、住民税と所得税の計算方法の違いを把握していないですから、計算方法が違ったとしてもどうしていいかわかりません。

給与所得者で、「他の所得が20万円以下だから、申告しなくていいんだよね」と思っている人は多いはずです。

しかし、住民税では、申告しなくていいということにはなっていません。

国税庁のホームページには、しっかりと「確定申告の必要はありません」と書いてあります。そして、当然かもしれませんが、住民税については触れていません。

そして、市町村もこのことについて、納税者に強くアピールしているようにも思えません。

これでは、申告不要を黙認しているのではないかと思ってしまいます。

そうであるならば、最初から申告不要にしてしまえばいいのではないでしょうか。

上場株式の配当所得や譲渡所得についても、所得税と住民税で異なる課税方式を選択できることになっていますが、多くの納税者は知らないでしょう。

そもそも、どのように課税さるかもわかっていない人が多いと思います。

まとめ

所得税と住民税の計算方法を統一してしまえばいいのではないかと思い、記事にしてみました。

これらの違いを知らないことによって、損をしていたり、意図せずに税金を少なく納付をしていることになっている人が多くいるのではないでしょうか。

これらは、所得税と住民税の計算方法を統一してしまえば、解決できるように思えます。

所得税は国税、住民税は地方税と、課税団体も違いますから、簡単に統一するというわけにもいかないかもしれません。

しかも、住民税が変わると、国民健康保険料などにも影響を与えますので、簡単ではないと思います。

しかし、納税者の負担を少なくし、また、間違いを減らすためにも、所得税と住民税の計算方法を統一して欲しいと思います。

【編集後記】

わたしも愛用しているパソコン、VAIOが中国進出をするそうです。

実際は、ソニー時代に進出していたので、再進出といったところでしょうか。

ヤフーのコメントを見てみると、批判的なコメントが多いのですが、VAIOらしさを追求して、上手くいって欲しいなと思います。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。