税理士が顧問先ゼロから独立をしたらどうなる

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今回は、税理士が顧問先ゼロの状態で独立をしたらどうなるかということについて書いてみます。

前提条件は次の通りとします。

・顧問先はゼロの状態で独立
・小規模の税理士事務所としてはオーソドックスなスタイル(小規模企業の法人顧問と個人確定申告がメイン)
・税理士業以外の事業は行わない
・元々資産家ではない(税理士業務で生活費を稼がなくてはいけない)
・配偶者の収入はないか、あっても200万円以下

売上ゼロからのスタートということと、自分が稼がなくては生活できないということがポイントです。

そして、税理士事務所としてはオーソドックスなスタイルでいくということを前提としました。

売上は徐々にしか増えない

顧問先ゼロからのスタートということは、最初は売上がゼロということです。

売上がゼロですから、お金は1円も入ってきません。

当然、貯金を取り崩して生活をすることになります。

この状態で、法人の税務顧問を2ヶ月に1件のペースで契約するとします。

顧問料は、月額2万5千円、決算料20万円とします。

顧問先を1件獲得すると、年間で(25,000円×12ヶ月)+20万円=50万円の売上が計上されます。

月額顧問料は毎月入金され、決算料は申告月に入金されるとします。

法人の顧問は、会社設立時あるいは、決算終了後に契約することが多いので、それを前提とします。

この前提の場合、新しい顧問先の決算料が入るのは契約から12ヶ月目ということになります。

1年目の売上は以下のようになります。

1月 顧問先0件 売上    0円
2月 顧問先1件 売上 25,000円
3月 顧問先1件 売上 25,000円
4月 顧問先2件 売上 50,000円
5月 顧問先2件 売上 50,000円
6月 顧問先3件 売上 75,000円
7月 顧問先3件 売上 75,000円
8月 顧問先4件 売上 100,000円
9月 顧問先4件 売上 100,000円
10月 顧問先5件 売上 125,000円
11月 顧問先5件 売上 125,000円
12月 顧問先6件 売上 150,000円
年間売上  900,000円

全て決算直後から顧問を開始したとすると、決算料が計上されるのは12ヶ月後ですから、1年目の売上は上記のようになり、決算料はゼロということになります。

2ヶ月に1件のペースで新規顧問先と契約をするというのは悪くないペースだと思いますが、これでは1年目の売上は90万円にしかなりません。

3月に個人の確定申告の売上が30万円あったとしても年間の売上は120万円にしかなりません。

では、2年目はどうなるでしょうか。

1月 顧問先 6件 売上 350,000円
2月 顧問先 7件 売上 175,000円
3月 顧問先 7件 売上 375,000円
4月 顧問先 8件 売上 200,000円
5月 顧問先 8件 売上 400,000円
6月 顧問先 9件 売上 225,000円
7月 顧問先 9件 売上 425,000円
8月 顧問先 10件 売上 250,000円
9月 顧問先 10件 売上 450,000円
10月 顧問先 11件 売上 275,000円
11月 顧問先 11件 売上 475,000円
12月 顧問先 12件 売上 300,000円
年間売上  3,900,000円

3月に個人の確定申告の売上が1年目の倍の60万円になったとすると年間の売上は450万円になります。

2ヶ月に1件、年間の顧問料50万円の顧問先を2年間獲得し続けても2年目の売上が450万円にしかならないのです。

この調子でいくと、3年目の売上でも690万円にしかなりません。

3年目の個人の確定申告の売上が90万円だったとしても合わせて760万円です。

自宅兼事務所で一人で業務を行っていると3年目でようやく生活できる程度の売上になるといった感じです。

少し極端な例をあげているように思うかもしれませんが、税理士事務所の場合は、こういった傾向があるということは事実です。

対策を考える

資金に余裕があるので、このペースで売上が増えれば十分というのであれば別ですが、そうでないのであれば、対策を考えなくてはいけません。

すぐに売上に繋がる仕事をとったり、相続の仕事をとったりすることも考えられます。

自分ができることや、新しいことを始めて売上を確保しなくてはいけません。

売上を増やすとは逆の発想で経費を削るという方法もあります。

小さくスタートしてから、一定以上の売上になるまでは小さいままにするということも有効です。

まとめ

今回は税理士として独立をしようと考えている人へ向けた記事でした。

前提条件によって数字は全く変わったものになります。

いわゆる税理士事務所のオーソドックスなスタイルで顧問先ゼロからスタートすると、売上は徐々にしか増えないということはわかっていた方がいいでしょう。

早くから売上をあげなくてはいけないのであれば、そういった仕事をとる必要があります。

売上は徐々にしか増えませんが、税理士事務所の特徴として、いったん契約した顧問先は継続する可能性が高いこともあります。

もちろん、不満に思う顧問先が多ければ、継続してはもらえませんが。

こういった特徴を考慮して、独立をしたあとのシミュレーションを行ってみるのがいいと思います。

最後に、この税理士事務所のオーソドックスなスタイルは、今後も継続可能なのかということについても考える必要があります。

スタイルは、自分自身のものを築きあげ、そして時代に合わせてそのスタイルを変えていくといったことも必要でしょう。

わたし自身がまだ独立をして1年半しかたっていなく、偉そうなことを言える立場ではありません。

しかし、今後独立を目指す人にとって少しでも参考になればと思い記事にしてみました。

【編集後記】

12月から食べる量が増えていましたが、年末年始はさらに食べる量が増えました。

明日からは通常の生活に戻るので、食べる量も調整していきます。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。