お金をもらったときと、支払ったときの税金上の取り扱いのイメージ

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今回の話は、あくまでも一般の方向けにイメージのお話をします。

一般的にお金をもらったら、収入に計上されて税金がかかる。

お金を支払ったら、費用に計上されて税金が減る。

といったイメージがあると思います。

ざっくり言うとその通りなのですが、そうならないケースを中心に見ていきます。

今回は、収入や費用の計上時期については触れないこととします。

戻ってくるものを支払っても費用に計上しないし、返すものをもらっても収入に計上しない

基本的なイメージは、戻ってくるものを支払っても費用には計上しないし、返すものをもらっても収入には計上しません。

例えば、事務所を借りるときに敷金を支払ったとします。

敷金は基本的には解約したときに戻ってくるものですから、敷金を支払っても費用になりません。

もちろん、事務所を解約して敷金が戻って来たときには収入になりません。

借入金でいうと、借入をしたときにはお金が入ってきます。

しかし、借入時にはお金が入ってきても収入にはなりません。

そして、借入金を返済しても費用にはなりません。

よく「何で借入金の返済が費用にならないの?」という声を聞くことがあるのですが、このイメージがあれば、納得するのではないでしょうか。

借入をしてお金が入ってきたときに収入にしないのだから、返済をしてお金を支払ったときも費用にはならないのです。

戻ってくるのに支払ったときに費用になるものは、戻って来たときに収入になる

先ほどのイメージでは、戻ってくるものは費用にはなりませんでした。

しかし、戻ってくるのに費用になるものもあります。

これらの中には、節税に効果があると言われるものもあります。

例えば、生命保険です。

保険によって取り扱いは異なるのですが、解約返戻金や満期返戻金がある保険料を支払ったとします。

先ほどのイメージでは、この場合、保険料を支払ったときに費用にはなりませんし、解約返戻金や満期返戻金をもらったときは収入になりません。

しかし、生命保険の中には、一部又は全額が費用になるものもあります。

この場合、支払ったときに費用になるものについては、解約返戻金や満期返戻金をもらったときには収入に計上します。

支払ったときに費用になるものについては、もらったときに収入になるイメージです。

取り扱いのイメージが似ているものに、iDeCo(個人型確定拠出年金)があります。

iDeCoは、支払った時に費用ではなく、個人の所得税を計算するうえで、所得控除として全額控除されます。

イメージとしては、費用になることと同じようなものです。

支払ったときに、所得控除として全額控除されるので、60歳以上になったときに一時金や年金としてもらったときは、退職金や年金として課税されるのです。

iDeCoは、節税効果が高いものとして紹介されることが多いので、中には「将来もらうときに課税されるのだから、ただの課税の繰り延べでは」という声を聞くことがあります。

確かに、課税の繰り延べという面もあります。

しかし、退職金としてもらうときは、退職所得控除額を控除できます。

一時金が退職所得控除額の範囲内であれば、税金はかかりません。

もし、勤務先からも退職金をもらっていて、そっちで退職所得控除額を満額使い切っていたとしても、課税されるのは1/2だけです。

さらに、退職所得は分離課税なので、他の総合課税の所得が多くあっても、退職所得だけで分離されて税率が適用されます。

課税の繰り延べだけではない、税制上の優遇もあるのです。

固定資産を買ったとき

10万円以上の資産を買ったときは、支払ったお金がそのまま費用にはなりません。

例えば、社宅を1,000万円で購入したとします。

木造の新築住宅であれば、耐用年数の22年に渡って費用に計上していきます。

支払った1,000万円は、22年かけて毎年46万円ずつ費用に計上します。

これは、建物みたいな資産は、長期に渡って収入に貢献するものであるから、一年で費用にするのではなく、耐用年数を定めて、その耐用年数に渡って費用に計上するのが適切だと考えられるからです。

また、建物はそのように費用に計上していきますが、土地については費用には計上しません。

1,000万円の土地を購入しても、その土地を持っている限り1円も費用にはならないのです。

なぜなら、土地は価値が減らないと考えられているからです。

土地については、以前次のような記事を書いています。凄く読まれている訳ではありませんが、今でもたまに読まれている記事です。

土地についても減価償却費を計上できるようにしたほうがいいのではないか

2016.08.17

不動産は今後値下がりするという予測も多くあります。

帳簿にのっている土地の時価が簿価とかけ離れてしまうことは問題でしょう。

まとめ

お金を支払ったときやもらったときの税金の取り扱いのイメージについて書いてみました。

通常は、お金を支払ったら戻ってきませんし、もらったら返しません。

そういった場合は、支払ったら費用、もらったら収入のイメージで問題ありません。

そして、支払ったけど戻ってくるものは費用にはならない、もらったけども返すものは収入にならないというイメージも持っておきましょう。

例外として、生命保険やiDeCo、固定資産などがあります、ということでした。

こうしたイメージを持っておくことで、税金の取り扱いに対してアレルギーを持つことなく考えられるのではないでしょうか。

※今回の記事の内容はあくまでもイメージを書いたものです。

【編集後記】

プロ野球のキャンプインが近づいてきました。

この時期は期待が大きいので楽しみですね。

最近、千葉ロッテのドラフト2位の藤岡選手のニューををよく見ます。

開幕スタメンを勝ち取って、1年目から活躍してくれるでしょうか。大いに期待しています。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。