田村正之さんの「”税金ゼロ”の資産運用革命 つみたてNISA、イデコで超効率投資」を読みました。
タイトルに税金ゼロとあるように、税制上優遇されている制度を使って資産形成しましょう、という本です。
わたしも、このブログで、世界中の株式や債券に分散された低コストのインデックスファンドをつみたてて資産形成しましょう、ということを書いています。
そこに、税制上優遇されている制度を組み合わせることで、効率よく資産形成できます。
本では、タイトルにもあるように、つみたてNISAやイデコ、個人事業主については、小規模企業共済などが紹介されています。
税制上の優遇制度の内容や、有利な受取方法などが書かれています。
タイトルにつみたてNISAが先にあるのは、今年から導入されて「ホット」だからでしょうか。
中を読んでみると、実際にはイデコの方を強く推しているように思います。
出版社の思惑などもあって、つみたてNISAが先に来たのでしょうか。
その証拠に一般NISAについても結構書かれているのですが、タイトルには登場しません。
話題のものをタイトルに入れたということでしょう。
わたしはこの手の本はよく読みます。
自分の知識の確認のためと、細かい部分の補足をするためです。
田村正之さんの本も何冊か読んでいます。
ですから、こういった本を読んでも、全く目新しい内容というのは多くはありません。
しかし、この書籍では、新しい発見が2つほどありましたので、紹介します。
一つ目は、イデコのもらい方です。
以前にこんな記事を書いていました。
一時金をもらう時期をずらすというのは、「”税金ゼロ”の試算運用革命」にも書かれています。
ただし、一時金でもらうと退職所得控除額の範囲内に収まらないという場合には、年金形式でもらう方法が書かれていました。
イデコを60歳から、年金形式で年70万円以下(公的年金等控除により、所得は0になる)で69歳までもらい、国民年金の受給を70歳まで繰り下げるという方法です。
70際の時点で、イデコの残額を一時金でもらいます。
年金形式でもらうデメリットの一つが社会保険料に影響するということです。
この方法であれば、毎年の社会保険料の影響もなく年金形式でもらうことができます。
さらに、国民年金は受給開始を70歳まで繰り下げれば、年40%以上増額してもらうことができます。
長生きを前提とするならば、有利な方法でしょう。
そして、もう一つの発見が個人事業主に国民年金基金をすすめていることです。
国民年金基金は予定利率が低く、今ではおすすめしている人は少ないように思います。
わたしも、以下の記事を書いてはいますが、強くはおすすめしていません。
書籍の中では、終身という部分を強調しています。
確かに、人生100年時代と言われる時代では、生きている限りもらえるというのは、魅力的です。
わたしもこんな記事を書いていました。
しかし、上記の記事では国民年金基金には触れていません。
そのくらい、国民年金基金についてはノーマークだったということです。
この本を読んで、国民年金基金の終身という部分をもっと注目してもいいのかなと思いました。
わたしはもともと資産形成をしようと思って、イデコを始めたので国民年金基金にはあまり魅力を感じませんでしたが、資産運用をしたことがない人にとっては、終身という部分に注目して、国民年金基金を利用するのも、いい方法でしょう。
国民年金基金とイデコの掛金は、両方合わせて上限が決まっています。
どちらか一方で上限まで掛けてもいいし、両方合わせて上限の金額を掛けても大丈夫です。
どうするかは個人個人の判断ということになるでしょう。
わたしは、国民年金基金も前向きに検討することにしました。
わたしが感じた新たな発見について書きましたが、この本は、税制上の優遇制度を利用して資産形成をしようとしている人にとっては、おすすめの本です。
初心者向けかどうかは微妙なので、初心者向けの本を先に一冊読んでから、この本を読むとより理解できるかもしれません。
※このブログでは、通常はiDeCo(個人型確定拠出年金)と表記することが多いのですが、書籍でイデコと書かれているので、この記事ではイデコとしました。
【編集後記】
南房総ではもう菜の花が咲いているんだろうなぁ。
週末にドライブに行けたらいいなと思っています。