税理士試験は、科目別に合格があり、合格科目が五科目に達すると晴れて税理士になることができます。
一科目ずつ受験することができるので、働きながら挑戦できるという側面もありますが、受験期間が長引くという側面も持っています。
そのせいか、税理士試験四科目合格の状態で、税理士事務所で長い間働いている人もいます。
わたしがそうでした。
四科目目を受かってから、五科目目を合格するまでに8年もかかってしまいました。
税理士事務所で働くぶんには、五科目を持っている必要はありません。
税理士事務所での仕事が忙しくなり、その状態で普通に働けるので、なかなか最後の一科目を真剣に勉強しなくなってしまうのです。
しかし、実際には四科目と五科目では全く違います。
今回は、わたしが五科目合格した後に、何がどう変わったのかを書いて見ます。
税理士として登録できる
当然のことですが、五科目に合格すれば税理士として登録できます。
二年の実務経験が必要になりますが、この記事は税理士事務所で働きながら最後の一科目で間が空いてしまう人に向けて書いていますので、実務経験は問題ないでしょう。
独立をしない場合でも、税理士と税理士でないとでは大きな違いがあります。
事務所の中よりも、お客様や、金融機関の人、ハウスメーカーの人なども税理士になると見方が変わります。
担当者としての仕事に関しては税理士の資格があってもなくても、それ程変わらないかもしれません。
それでも、税理士であれば、できる仕事の範囲も増えます。
このときに、税理士事務所によっては、資格があろうとなかろうと変わらないということもあるかもしれません。
そうであるならば、転職も選択肢の一つになります。
わたしの場合は、合格をしてすぐに税理士登録をして、税理士事務所でそのまま働くという選択をしました。
そして、仕事の範囲も広がり、周りの見方が変わったことも実感できました。
わたしについてもう少し書くと、補助税理士として税理士登録した後しばらくして社員税理士になりました。
社員税理士になった後は、税理士法人の支店の責任者になりました。
税理士でないとできない仕事です。
よく独立をしないと経験できないことがたくさんあると言いますが、社員税理士になって支店の責任者になると、独立をしなくても経験できることがたくさんあります。
税理士になったら、そういった選択肢もあるということです。
独立はいいもの
それでも、独立はいいものです。
税理士を目指す人の多くが一度は独立をしたいと思ったことがあるのではないでしょうか。
しかし、試験が長引くうちに、あるいは税理士事務所で働いているうちに、独立をしたいという気持ちが、心の奥底に沈んでいってしまう気がします。
わたしがそうでした。
結局、わたしは独立をするために事務所を辞めた訳ではなく、事務所を辞めることを決めた後に、独立することを決めました。
独立をしたいと思っていたのは随分前のことだったのですが、独立をしたら、「やっぱり自分は独立をしたかったんだな」と再認識しました。
今までの経験は無駄だとは思っていません。
役に立つことも多いです。
それでも、もっと早く独立をしていても良かったなと思う気持ちもあります。
独立はしてみないとわからないことも多いのです。
わたしはまだ独立をして2年で、少しずつ売上は増えてはいますが、大して稼げてはいません。
それでも独立はいいものだと思っています。
一度は独立したいと思って税理士を目指したのであれば、独立をしてみるのはとてもいいことだと思います。
若ければ、失敗しても勤務に戻ることもできます。
チャレンジしないよりはした方がいいでしょう。
まとめ
わたし自身が、四科目の状態で税理士事務所で長い間働いていました。
30代半ばを過ぎて、このままではいけないと思い、最後の一科目を39歳で合格しました。
そして、そこから世界が変わったのです。
世界が変わったと言っても、お金持ちになった訳でも、何かの名声を得た訳でもありません。
しかし、世界は変わったと実感しています。
税理士になることで、変化を感じることができますが、独立をすると、さらに変化を感じることができます。
四科目の状態で長くいるということは、その分、変化を経験することができないということです。
それはもったいないことだと思いますので、四科目の状態で長くいる人は、ぜひ最後の一科目を合格して、税理士として新しい経験をして頂きたいと思います。
【編集後記】
ホームページの採用情報ページを作っていますが、簡単ではないですね。
1人の採用のためのページですが、その1人はとても大事です。
100人の会社の1人は大したことないかもしれませんが、2人のうちの1人ですから。
何人も応募が来るようなページではなく、来て欲しい1人のための採用ページを作りたいなと思います。