個人事業主は標準的なモデルケースには該当しないことが多いので注意

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老後のためのお金の話やマネープランの話になると、標準的なモデルケースを例に話がされることが多くあります。

個人事業主の場合、この標準的なモデルケースには該当しないことが多いので、自分に当てはめて考えなくてはいけません。

標準的なモデルケースとの違い

1.公的年金、退職金

お金の話をするときによく語られる標準的なモデルケース。

夫婦2人と子供2人の世帯で、夫婦の年齢は40歳代、夫は会社員で妻は専業主婦といったところでしょうか。

個人事業主の方は、自分が上記のモデルケースに当てはまるか、考えてみてください。

まず、会社員という点が明らかに違います。

お金の話で、会社員かそうでないかで違ってくる大きな点は、公的年金と退職金です。

会社員は厚生年金に加入しますが、個人事業主は国民年金に加入します。

この違いで将来もらえる年金が倍以上変わってくることもあります。

次に退職金です。

お金の話がされるときに、当たり前のように退職金1,500万円とか2,000万円とか書かれていたりすることがあります。

多くの個人事業主は知っていると思いますが、個人事業主には退職金はありません。

しかし、当たり前のように退職金がある前提で話がされるので、何となく自分にも何かあるのかなとか思ってしまう人もいるのではないかと思ってしまいます。

今回の記事の本題とはそれますが、今後は会社員でも退職金が当たり前のようにあるとは思わない方がいいでしょう。

2.結婚していて子供が2人

最近は結婚をしない人も増えてきていますし、結婚をするとしても年齢が遅くなってきています。

ですから、結婚しているのが当たり前ということはありません。

当然ですが、独身者と既婚者では、マネープランがだいぶ変わります。

家賃、食費、その他の面で結婚している方が経済的だと思っています。

さらに、税金面でも独身者が優遇されることはまずありません。

独身者で、煙草を吸う人などは、税金の負担が特に多いことになります。

そして、子供の数も減っています。

子供が1人、あるいはいないという家庭も多くあります。

子供の人数で大きく変わってくるのが、子供の教育費です。

私立の中学校や高校に行く場合は学費も高額ですし、小さいころから塾に行く子供も多く、教育費はかなりかかります。

子供がいるいないは、マネープランにも大きく影響を与えます。

3.妻が専業主婦

妻が専業主婦というのも、当てはまらない人が多いのではないでしょうか。

わたしの感覚では、共働きの方が普通という感覚です。

さらには、先ほど言ったように結婚をしない人も増えているので、働いている女性が増えていると思います。

妻が働いているかどうかも、お金に与える影響はとても大きいです。

結婚して妻が毎年200万円働くとすると、30年間の合計で6,000万円にもなります。

さらに、妻自身が厚生年金に加入しますので、将来もらえる年金の額も増えます。

ここで、個人事業主の妻が専従者給与をもらっている場合を考えます。

妻は専従者給与をもらっていますので、一見外で働いているのと同じように思えるかもしれません。

しかし、専従者給与をもらっている場合でも、実際は個人事業の売上にそれほど貢献していないケースも多くあります。

ちょっとした事務や経理を手伝ってもらって月15万円の専従者給与をもらっているといったケースなどが該当します。

この場合、妻がその仕事をやることによって、個人事業主である夫がそれ以上の売上や利益をあげるのであれば問題はありません。

しかし、その事務や経理は、やろうと思えば夫でもできて、それでも売上や利益は変わらないのであれば、世帯の収入は同じとも言えます。

妻が事業に貢献して、貢献に値する専従者給与をもらっていれば問題ありません。

そうでない場合は、家計的には専業主婦の場合とそれほど変わらないということは、知っておいた方がいいと思います。

もちろん、そのことを納得してそうしているのであれば、問題ないでしょう。

個人事業主が老後のお金のためにやっておきたいこと

個人事業主の老後のお金を考えると、先ほどのモデルケースよりも不利なことが多いです。

ですから、個人事業主であれば、自分で老後のお金のために備えておく必要があります。

そのためには、税制上の優遇制度を利用しましょう。

おすすめは、小規模企業共済、iDeCo(個人型確定拠出年金)、つみたてNISAです。

小規模企業共済とiDeCoは、掛金が全額所得控除になるので、節税効果がとても高いです。

さらに、iDeCoは自分で運用をするのですが、運用益にも税金がかかりません。

小規模企業共済とiDeCoは、もらうときに税金が発生しますが、一時金でもらえば、退職所得扱いとなり、そこでも税制上の優遇があります。

つみたてNISAは、投資信託の分配金や譲渡益が非課税になります。

これらには、金額に上限があり、小規模企業共済は年84万円、iDeCoは年81万6千円、つみたてNISAは年40万円(最長20年間)となっています。

これらを上手く利用することで、老後のお金の不安がだいぶ解消されます。

これらの制度には注意点やデメリットもありますので、利用するときは事前に制度の内容をよく調べてから始めるようにしましょう。

投資は自己責任ということも忘れてはいけません。

まとめ

お金の話で、標準的なモデルケースを例に話をされることが多く、そのたびに違和感を感じていたので記事にしました。

今回は、個人事業主の話でしたが、会社員でも退職金がない人も多いですし、結婚もしてなく、子供もいない人も多くいます。

標準的なモデルケースを例に話をするのは良いのですが、話を聞く方の人は、自分に当てはめて考えることが大切です。

【編集後記】

昨日の時点で、今日は台風が来るかもしれないという状況でした。

新規の問い合わせのお客様が来所される予定だったので、台風の状況によっては、予定を変更しても大丈夫ですよと連絡をしました。

今のところ、大丈夫そうですが、午後には天候が一気に変わってくるのでしょうか。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。