町の税理士になりたい場合の税理士試験の科目選択

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久しぶりに税理士試験について書いてみたいと思います。

税理士試験について書くと言っても、勉強方法のことではなく、科目選択についてです。

わたしは、簿記論、財務諸表論、所得税法、消費税法、住民税の5科目を合格しました。

しかし、最後の住民税を除けば、科目を選択した時点では実務経験もなく、税理士になったときのことを特に考えずに選択しました。

あらかじめ、自分がどんな税理士になりたいのかが決まっているのであれば、なりたい税理士を意識した科目選択をした方がいいでしょう。

所得税法か法人税法か

簿記論と財務諸表論は必修科目ですから、最初に科目選択で迷うのは、所得税法か法人税法をどちらにするかという点だと思います。

都心の大きな税理士法人(又は税理士事務所)で働きたいのであれば、法人税を選択した方がいいと思いますし、町の税理士を目指すのであれば、所得税を選択した方がいいと思います。

大きな税理士法人の場合、顧問先はそれなりの規模の法人ということもありますから、法人税を勉強しておいた方が良いです。

わたしは昔、都心の税理士事務所の面接を受けたとき(当時は4科目持ちだった)に、面接官(所長税理士)から面接の最初に「法人税持ってないんだぁ」と言われたことがあります。

面接の最初のこの一言で、「落ちたな」と思いました。

「法人税を持っている人が良いなら書類で落とせばいいのに」とも思いました。

事前に履歴書を送っている訳ですから。

大きな税理士法人ともなると、面接をする人は事前に履歴書を全く見ていないこともあります。

恐らく忙しくて事前に履歴書を見る暇もないのでしょうし、興味もないのかもしれません。

他にも、都心の事務所で、面接の最初の一言で「ここじゃない」と思ったこともあります。

最初の一言が何だったのか、今では忘れましたが、その面接官(所長税理士)も、事前に履歴書を一切見ていない感じでした。

話はそれましたが、大きな税理士法人で働こうと思っている場合は、採用の時点で、法人税を持っていないと不利になることもありますので、そういった意味でも法人税をやっておいた方が良いでしょう。

町の税理士の場合、主な顧客は小規模の法人や個人事業主がメインのことが多いです。

個人事業主は所得税の確定申告をする訳ですから、所得税を持っていた方が良いのは当然です。

小規模企業の場合は、会社と経営者は切っても切れない関係であることが多いです。

ですから、経営者の個人の税金についても考える必要があります。

そうなると、必然的に所得税はあった方が良いということになります。

相続税

町の税理士をやるのであれば、個人事業主、小規模企業の経営者ともに、相続税まで含めた税金について見ることが多いです。

個人事業主や小規模企業の経営者の親が亡くなれば、相続税の申告の依頼を受けることもありますし、個人事業主や小規模企業の経営者自身の相続税対策などを考える必要もあります。

町の税理士と相続税の相性は良いと思うので、相続税は持っておいた方が良いでしょう。

大きな税理士法人の場合、相続税はやらないという事務所もありますし、やる場合でも、相続税部門みたいな部門がある場合もあります。

ですから、相続税をやる機会がないということも多いです。

そういったところで働こうと思っている場合は、相続税を選択するメリットは多くないでしょう。

相続税部門で働きたいのであれば別ですが。

今は相続税専門、あるいは相続税メインでやっている税理士もいます。

そういった税理士になりたいのであれば、相続税を勉強しておいた方がいいのは当然のことです。

消費税

相続税専門でやらない限り、消費税はやっておいた方が良いでしょう。

売上が1,000万円を超える法人や個人事業主で消費税が発生しますので、町の税理士でも、消費税は必要です。

住民税か事業税か

これは、勉強の相性を考えて、法人税法を選択したのであれば、事業税を、所得税法を選択したのであれば、住民税を選択するのが良いでしょう。

特に、所得税法と住民税は関連があり、住民税の計算は所得税法を勉強した人であれば、かなり勉強時間を短縮できます。

勉強時間の短縮だけでなく、得点の面でも、計算でアドバンテージを得られる可能性が高くなります。

また、住民税は選択をする人が少ないですし、役所が税額を計算しますので、細かい住民税の計算に詳しい税理士は意外に少ないのが現状です。

町の税理士の場合、個人事業主や小規模企業の経営者の両親や配偶者の住民税についてもフォローすることがあります。

そういった時にも、住民税の知識が役に立ちます。

まとめ

町の税理士を目指すのであれば、所得税法、相続税法、消費税法、住民税の4科目の中から3つを選択するのがいいと思います。

所得税は選択必修なので選択します。

勉強時間が多く取れるのであれば、残り2科目は、相続税法と消費税法を選択するのが良いです。

働きながらの受験などで勉強する時間が短い方が良いという人は、相続税法と住民税を選択するのが良いです。

税理士試験の科目を選択する時点で、町の税理士になると思っている人は多くないかもしれません。

しかし、最初から分かっているのであれば、法人税法、国税徴収法、固定資産税、事業税、酒税法は選ばなくてもいいかなと思います。

法人税法は役には立ちますが、勉強時間も考慮すると、なくてもいいと思います。

選択しなかった税法も実務で必要なものは勉強するのが当然なので、科目選択はあくまでも目安に過ぎません。

目安に過ぎないとしても、目指す税理士像が決まっているのであれば、それに合わせた科目を選択するのが良いでしょう。

ちなみに、わたしが所得税法を選択したのは、たまたま専門学校の授業の時間が、そのとき都合が良かったというだけの理由でした。

【編集後記】

昨年のこの時期に電話を頂いた方から再度電話があり、依頼を頂きました。

昨年電話があったときは無料相談会に参加していて出れずに、折り返したのが少し時間が経ってからでした。

そのときは別の税理士に頼んだからもういいとのことだったのですが、一年たって依頼を頂くことができました。


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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。