「売上を、減らそう。」という本を読みました。
まずは、この本を読もうと思った理由について書きます。
少し前に、わたしが普段から読んでいる税理士さんのブログで紹介されていて、著者の従業員への想いについて興味を持ったというのが理由です。
実は、わたし自身は現時点で売上を減らそうとは思っていませんし、おそらく数年先でも売上を減らそうとは思わないでしょう。
わたし自身の売上が足りていないと思っているからです。
ですから、この本のタイトルに惹かれて読んだという訳ではありません。
むしろ、タイトルだけ見たら読んでいませんでした。
どんな本かなと思い、アマゾンを見てみると、商品の説明の中に、わたしの嫌いな人の名前が出てきました。
わたしは、その人の本を読まないことにしています(実際に1冊も読んだことがない)し、その人が帯で紹介していると読む気がなくなったりします。
うーん、どうしようかなと思ったのですが、今回は読んでみることにしました。
この本の表紙には、「どんなに売れても100食限定」と書かれています。
この言葉も、わたしにはピンときませんでした。
売上を減らそうと言っているのに100食限定?
まるで、100食が少ないみたいな書き方です。
1食1,000円とすると、1日の売上は10万円にもなります。
月に22日営業をすれば、月の売上が220万円、年間の売上が2,640万円です。
個人の飲食店の売上としては、決して少なくない数字です。
こんな感じだったので、マイナスのイメージから本を読んだような感じです。
前置きが長くなりましたが、この本を読んで自分と比較して思ったことを書きます。
もう売上を追いかける必要なんてない
100食限定とはそれ以上の売上を諦めるということでもあります、と書いてあります。
売上を減らそうと言われるよりは、わたしはこっちの方がピンときます。
わたしについて言えば、いつも言っているように拡大を目指していません。
ですから、わたし自身も売上はこのくらいまでという数字はあります。
わたしの場合は、顧問先の件数で言うと、30件くらいまでかなぁと思っています。
単価も高く設定はしていませんし、毎月訪問のお客様はほとんどいらっしゃいません。
ですから、30件くらいが妥当かなと思っています。
最初に、売上を減らそうとは思っていないと書いたのは、30件にはまだまだ達していないからです。
30件に達するにはまだ数年はかかると見込んでいます。
その頃にはパートさんが3人くらいにはなっていると予測しています。
「早く帰れる」はお金と同じくらい魅力的なインセンティブ
わたしの場合、パートさんを1人雇っているだけなので、残業がないのは当たり前かもしれません。
実際にパートさんが残業をすることはないですし、わたし自身もそれほど遅くまで働くことはありません。
ちなみに、パートさんの給料は1分単位で計算しています。
始業の5分前にくれば、その5分も給与を支払いますし、終業が3分過ぎれば、3分の給与を支払います。
パートさんが終業時間から5分を過ぎて働くことはほとんどというか今までに一度もないんじゃないかと思います(1回くらいはあったかなぁ)。
著者は、「こどもたちとお風呂に入って」と書いていますが、わたしも毎日娘をお風呂に入れています。
家族との時間を優先していると書いてありますが、その点もわたしと同じです。
穏やかな成功
著者は、収入に上限を決める穏やかな成功を求めていると書いています。
この点も共感します。
わたしの言葉で言うと、バランスを重視しています。
家族、お金、時間、趣味、仕事などのバランスを大事にしたいと思っています。
原価率50%
著者のお店は原価率が50%だそうです。
担当の税理士にやめた方がいいと言われたと書いてあります。
わたしも、自分が担当している飲食店のお客様の原価率が50%だったら、そのことを話題にすると思います。
やめた方がいいとまでは言わないと思いますが(話を聞けば、原価率50%の理由がわかると思うので)。
それから、著者のお店は広告宣伝費がゼロだそうです。
この点もちょっと似ています。
わたしの場合、広告費はゼロではありませんが、大きくはかけていません。
営業はほとんどホームページとブログのみといつも言っていますが、自分で作成していますので、お金はサーバーのレンタル代くらいしかかかっていません。
ただし、現在は、少しお金をかけてホームページをリニューアルしていますが。
「どんな人も即戦力になる」やる気に溢れている人なんていらない
これは少し似ているところはあるかなという感じです。
わたしの場合、パートさんを採用するさいに、中途半端な経験者よりも未経験者の方がいいと思っていましたので、「どんな人も即戦力になる」というのは、わかる気がします。
しかし、やる気に溢れている人はいらないというのは、ちょっとどうかなぁとも思ってしまいます。
わたしは、そこまでは思わないです。
ただし、大企業志向のような考え方の人は向かないとは思っていますが。
採用にお金をかけていないのは同じですね。
現在のパートさんの採用のときもお金はかけませんでした(ホームページ、ブログ、ハローワークを利用しました)。
今後についても、採用にお金をかけるつもりはありません。
採用基準はいまいる従業員と合う人
これは強く共感します。
わたしは以前から、2人目の採用をするときは、わたしとの相性はもちろん、今いるパートさんとの相性を考える必要があると思っていました。
今はわたしとパートさんの2人の職場ですから、人間関係と言えば、わたしとパートさんの関係ということになります。
しかし、もう1人採用すると、人間関係は以下のような関係が発生し、かなり複雑になります。
わたし:パートA
わたし:パートB
パートA:パートB
わたし:パートA・B
パートA:わたし・パートB
パートB:わたし・パートA
一気に人間関係が複雑になります。
だから、1人目の採用のときも難しいと思っていましたが、2人目の採用はそれ以上に難しいなと考えているのです。
もし、3人目となると、いっそう人間関係が複雑になります。
従業員の働きかた
著者の会社の従業員のシフトは柔軟なようです。
有給休暇に理由なんていらないとも書かれています。
この点は、わたしの事務所でも似たような感じです。
パートさんは、週3日をベースに働いています。
わたしは、2週間くらい先までのスケジュールをパートさんに自由に入れてもらっています。
月水金でも、月火水でも、火水木でも構いません。
その週は用事があって2日しかこれない週があれば、翌週4日きてもらうことも自由です。
もちろん、翌週に3日でも何の問題もありません。
幼稚園に通っているお子さんがいるので、お子さんの事情などで、当日休んでもらっても大丈夫ですし、早退することも問題ありません。
入社して半年たったときに、有給を5日付与しました。
もちろん、有給を使うのに理由なんていりません。
パートさんには、有給は全て消化してくだいと言っています。
人件費
著者の会社は、ボーナスが年3回で、税理士に呆れられるほどの人件費だそうです。
わたしのところでは、今のところパートさんにボーナスはありませんが、今後は、確定申告が終わった時にボーナスとは言えないまでも、寸志くらいはだそうかなと考えています。
また、未経験で入社しましたが、入社して半年後には1回目の昇給をしましたし、入社後2年くらいまでは半年ごとの昇給を考えています。
そのあとは、そのときの状況に応じてということになると思います。
また、最近では、少額ですが、中退共にも加入しました。
中退共については、長く働いてもらいたいということで募集をかけましたので、長く働くメリットを作りたかったという理由です。
わたしは税理士ですが、わたし自身も税理士に呆れられたらいいですね(笑)
著者は、せっかく教育した社員が続々と退職してしまうのと、みんなが気持ちよく仕事できる環境をつくり、長く勤めてくれる従業員ばかりの組織にするのか。
どちらかを選ぶと言うと、迷わず後者を選ぶと書いています。
まったくの同感です。
最後にちょっとした違和感
本のタイトルなど、この本を読む前に違和感を覚えることはあったのですが、読んでみると共感する部分も多かったです。
しかし、最後にきて、また違和感を覚えることが書いてありました。
ここまで書いて最後にぼかすのも変かもしれませんが、最後の違和感の理由についてはここでは書かないこととします。
興味のある方は、実際に本を読んでみていただければと思います。
これだけでは、わたしが何に違和感を覚えたのかはわからないかもしれませんが。
基本的には、従業員を大切にするという点で共感することの多い本でした。
【編集後記】
事務所のホームページは来週中にもリニューアルして公開できそうです。
週末に細かいところを確認しようと思っています。