社長借入金が大きくなってしまう理由と問題点

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小規模企業では、社長借入金が発生することがよくあります。

社長借入金の発生する原因と問題点について書いてみます。

役員借入金と言った方が一般的かもしれませんが、小規模企業にとっての役員借入金は社長借入金であることが多く、また、社長借入金とその他の役員の借入金では意味合いも違ってくるため、社長借入金と書きます。

小規模企業の決算書では、よく見る社長借入金ですが、発生している原因や金額を把握していないと問題が発生している可能性もあるため、しっかりと確認するようにしましょう。

社長借入金が発生する理由

1.創業前の貯金が原資の場合

社長借入金とは、社長が会社に貸したお金のことです。

会社から見ると、会社が社長から借りたお金のことです。

社長が創業する前に持っていたお金を会社に貸すケースが一つ目の理由です。

会社を設立したが、資金繰りが苦しい状況が続き、会社のお金が足りない分を社長個人のお金で補填するというケースです。

例えば、創業時に3,000万円のお金を持っていて、会社設立後毎年200万円ずつ、会社にお金を貸していたとします。

会社の資金繰りが一向に楽にならない場合は、返済が全くできないことも多いです。

10年間もその状態が続くと、社長借入金は2,000万円にもなってしまいます。

この場合の問題点は、会社が常に資金繰りが厳しいということです。

会社の資金繰りが厳しいけれども、社長が個人でお金を持っていたから、会社が生き残れているのです。

しかし、このまま資金繰りが改善せずに社長個人のお金が尽きれば、倒産ということになってしまいます。

社長がお金を持っていたばかりに、本当であれば生き残れなかった会社が生き残り、最後には会社も社長個人もお金がなくなって倒産ということになります。

会社自体のお金が回っていないことを早急に把握して、社長個人のお金を借りることなくお金を回せるように早急に改善する必要があります。

2.役員報酬としてもらったお金が原資の場合

法人税を払うくらいなら、自分が役員報酬としてもらった方がいいという社長は多くいます。

しかし、会社の利益をほとんど役員報酬としてもらってしまうと、会社の資金繰りが厳しくなることがあります。

そういった時は、社長は役員報酬としてもらったお金を会社に貸すことになります。

この形の社長借入金も多く存在します。

問題点は、役員報酬が高いと会社の社会保険料も高くなりますし、社長個人の所得税、住民税、社会保険料も高くなるということです。

社長は、税金や社会保険料を控除した後の金額から、残ったお金の一部を会社に貸します。

社長は高い税金を払って、さらに会社にお金を貸すわけですから、手元に残るお金は少なくなってしまいます。

こういう状態であるならば、役員報酬を減額することを検討しましょう。

役員報酬を減額すれば、会社負担の社会保険料も安くなりますし、社長個人の税金や社会保険料も安くなります。

結果として、会社と社長を合わせた税金や社会保険料の負担が軽くなります。

役員報酬を多くもらっているのに、会社にお金を貸してしまって、手元にはお金がないという場合は、要注意です。

3.経費を立て替えてそのままになっているケース

社長が会社の経費を立て替えて精算をしていないというケースがあります。

小規模企業の社長の場合、経費を立て替えることはよくあります。

立て替えた経費を精算するのが通常ですが、一人社長だと会社のお金と個人のお金を区別していないことも多く精算もされていないことも多いのです。

一年に200万円の経費を立て替えて精算しない状態が10年続くと、2,000万円の社長借入金が発生することになります。

社長に立替金を払ってはいないけれど、経費としては計上されているとします。

このときに、立て替えたお金を精算していないことを把握していれば、まだいいのですが、その意識がない場合は問題です。

立て替えている意識がない場合を考えます。

通常であれば、社長が立て替えて精算していないのだとしたら、その分の現預金が会社にあるはずです。

社長借入金が2,000万円あるのだとしたら、現預金が2,000万円あるはずなのです。

しかし、立て替えているという意識がないと、会社の預金が多く残っているから、そのお金を使っちゃおうかと思いがちです。

この状態で、会社で1,000万円の高級車を買うと、現預金が高級車に変わってしまいます。

精算の意識がないと、本来であれば社長に返済するはずのお金を余っているお金と勘違いしてしまい、無駄に使ってしまう可能性もあるのです。

まとめ

社長借入金が発生する理由と問題点を見てきました。

銀行からの借入と違って、それほど返済を気にしなくていいのが社長借入金です。

使い勝手がいいだけに、いつの間にか社長借入金が多額になっているということにもなりかねません。

しかし、社長借入金が発生するということは会社の資金繰りに問題があるということです。

資金繰りの改善に努めなくてはいけません。

社長借入金がすでにあるという場合は、どのように返済をしていくかを本気で検討しましょう。

もちろん、一時的に会社のお金が足りなくなったときに、社長が会社にお金を貸すことは問題ありません。

慢性的に社長借入金が増えているようでは、会社の資金繰りに問題がある状態が続いているということです。

資金繰りを改善して社長借入金を返せるようにしましょう。

社長借入金は放置をしておくと、相続税に影響を与えることがありますので、あって当たり前のものと思わないようにしましょう。

【編集後記】

千葉ロッテがキャンプを行っている石垣島は、大嶺兄弟の出身地です。

アイキャッチ画像は、12月に石垣島に行った時に撮ったものです。

市役所前に大嶺兄弟の看板が出ていました。

ペーニャについて球団が気になる発言をしていました。新外国人のドミンゲスの様子を見たいと言うのです。

昨年70試合で15本のホームランを打ったのだから、新外国人関係なしに契約した方がいいのではと思ってしまいます。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。