会社を設立すると、赤字でも必ず最低年7万円の税金がかかるとよく聞くけれど、そもそもこの7万円って何?
と思う人のために、今回は、法人住民税の均等割について書いてみます。
法人住民税の均等割
税金は大きく分けると、国税と地方税に分けられます。
会社にかかる国税として主なものには、法人税、消費税などがあります。
会社にかかる地方税として主なものには、法人住民税、法人事業税などがあります。
そして、法人住民税には、法人県民税と法人市町村民税があります。
更に、法人県民税と法人市町村民税には、それぞれ、法人税割と均等割という2種類の税金があります。
今回のテーマの均等割は、会社にかかる地方税で、法人住民税の1つということになり、県と市町村に納めるということになります。ややこしいですね。
この均等割は、利益に関係なく赤字でも税金が発生します。均等割の税額は資本金によって決まっていて、資本金が1,000万円以下であれば、県が2万円、市が5万円になります。
だから、「会社にすると最低年7万円の税金がかかるよ」と言われるのです。
ちなみに、資本金が1,000万円を超えて、1億円以下の場合は、県が5万円、市町村が13万円(従業者数が50人超の場合は15万円)になります。
この均等割は、地方税なので、県や市町村によって多少税額が変わります。ですから、県によっては22,000円になったり、市町村によっては60,000円になったりします。全国どこでも7万円というわけではありません。
小規模な会社を前提に書いていますので、資本金が1億円超の会社については、ここでは触れないことにします。
この均等割は、資本金1,000万円以下で年7万円です。消費税の最初の2期が免税になるのは、資本金が1,000万円未満です。以下と未満で紛らわしいですね。
この消費税や均等割のことがあるので、会社を設立する際は、資本金1,000万円未満をすすめることが多いのです。
複数の事業所がある場合
会社の事業所などが1か所であれば、話はここで終わるのですが、事業所が複数あると話が変わってきます。
2つ以上の県や市町村に事業所がある場合は、それぞれの県や市町村に均等割を納めます。
支店を出す場合や、2店舗目を出店する場合などは、均等割の税金が増えるのです。
同じ市町村や、県に支店を出す場合は、関係ありません。
もともと、千葉県四街道市に本店があって、支店を同じ四街道市内に出すのであれば関係ないのです。
支店を千葉県千葉市に出す場合は、県民税の均等割は千葉県のみですが、市民税の均等割は、四街道市と千葉市の2か所に納めることになります。税額は県民税2万円と、市民税5万円×2で10万円、合計12万円になります。
支店が茨城県つくば市の場合は、県民税の均等割が、千葉県に2万円、茨城県に22,000円(※)、市民税の均等割が、四街道市とつくば市にそぞれぞれ5万円ずつで、合計142,000円になります。
(※)茨城県の法人県民税の均等割は、22,000円になります。
2つ目の事業所や2店舗目を別の県や市町村に出すときは、均等割の税金が増えることを覚えておきましょう。
社長の自宅とは別の市町村に事務所を借りて本店としている場合で、社長の自宅も事務所として使っている場合などは、均等割が複数の県や市町村で発生することがありますので、注意しましょう。
まとめ
赤字でも、会社が毎年支払う地方税の均等割について書いてみました。
増資をして、資本金が1,000万円超になったり、本店とは別の県や市町村に支店を出した場合に均等割の税金が増えることを知らない人も多いと思います。
増資をしたり、支店を出したりする会社は業績が順調だということでしょうから、そのときはあまり気にならないかもしれません。
しかし、この均等割はその後も毎年必ず発生するものですから、負担は結構大きくなります。
増資や支店を出店するときは、税理士などの専門家に相談をして、どのような負担が発生するのかよく検討するようにしましょう。