会社であれば、ほとんどの会社が、少なくても年に一度は試算表を作成するでしょう。
作成する頻度は、会社によって様々です。
毎月作成する会社もあれば年に一度しか作成しないという会社もあります。
経営の観点からいうと毎月作成する、それも翌月のなるべく早い日に作成することが望ましいです。
売上が1,000万円以下の小規模な会社であれば、試算表を作成しなくても社長が頭の中で数字を把握しているかもしれません。
その場合でも、売上や粗利、そして現預金の残高くらいは、毎月確認したほうがいいでしょう。
もちろん、毎月試算表を作成できれば、それにこしたことはありません。
売上、粗利、営業利益、経常利益、税引き前当期純利益
試算表を見るポイントとして、まずは売上、粗利、営業利益、経常利益、税引前当期純利益などを確認しましょう。
これらの数字を、予算や前年同月と比較して、異常値が出ていれば、原因を確認します。
単純に売上を増やさなくてはいけないのか、粗利率が悪いのか、販売管理費が多いのか、異常の原因は様々でしょう。
予算を組んでいないと、比較が前年や前月との比較のみになってしまうので、予算は組んでおいた方がいいです。
ただ数字を見るだけでなく、目標に対してどうなのかを把握することで、対応も変わってきます。
貸借対照表の残高を確認する
現預金、売掛金、買掛金、未払金、借入金などの残高も確認しましょう。
マイナスになっていたり、残高が異常なものがあれば、入力が間違っているかもしれません。
現預金が少なければ、資金が足りなくなる可能性も出てきます。
日ごろから、貸借対照表を見ておくことで、自分の会社の財務状況が頭に入ります。
貸借対照表上の数字で、土地やその他の固定資産などは、実際の時価とは異なります。
普段から見ておくことで、時価との差額もおおよそ把握するようにしましょう。
年に一度くらいは、簿外資産や簿外負債も確認する
貸借対照表には載っていない資産や負債もあります。
毎月簿外資産や簿外負債を確認する必要はないかもしれませんが、少なくても、年に一度くらいは確認するようにしましょう。
簿外資産や簿外負債の例としては、以下のようなものがあります。
・30万円未満の資産について、経費処理をしたもの
・経営セーフティ共済の掛金で経費処理したもの
・生命保険で経費処理をしているが、解約返戻金があるもの
・経費処理しているリース料の残高
簿外資産や簿外負債というと、悪い意味のようなイメージがあるかもしれませんが、今回取り上げている簿外資産や簿外負債とは、認められている経理処理をした結果、発生しているもののことを言います。
経営セーフティ共済の掛金や、生命保険の解約返戻金、リースの残債などは、金額も大きくなりますので、把握しておかないと正しい財務分析はできないでしょう。
まとめ
毎月の試算表は、早く作成することがポイントです。
12月の試算表を2月に作成しても、だいぶ時間が経ってしまっています。
翌月のなるべ早い時期に作成してこそ、経営の分析に活かすことができます。
予算に対してどう進捗しているのかを把握したり、問題の早期発見にもつながります。
早く試算表を作成することで、いち早い軌道修正を行うことができます。
試算表を早く作成するポイントは、正確さにこだわり過ぎないことでしょう。
2か月後に作成した100%の試算表と、翌月5日に作成した90%の試算表では、後者の方が有効性はかなり高いと言えます。
まずは、正確さよりも試算表を作成する早さにこだわるようにしましょう。
【編集後記】
今日は、試算表について書きました。
ちなみにわたしは、今日これから自分の2月の試算表を作成する予定です。