給与所得者であれば、給与から所得税と住民税が天引きされています。
給与明細をみて、「所得税が高いなぁ」と思う人も入れば、「住民税が高いなぁ」と思う人もいるでしょう。
では、所得税と住民税はどちらが高いのでしょうか。
正解は、人によって違います。
所得税と住民税の計算方法は似ている
所得税と住民税のどちらが高いかは人によりますが、計算方法はどちらも似ています。
基本的には、個人の1年間の儲けに対して税金がかかります。
そして、税率をかける前の金額(以下、課税所得といいます。)を求める計算方法はほとんど同じです。
多少は変わりますが、大きくは変わらないので、ここでは税金をかける前までを同じと仮定して話を進めていきます。
所得税と住民税では、税率が違う
所得税の税率は、課税所得に応じて5%から45%となっています。
課税所得が高いほど税率が高くなります。
注意する点は、所得が高くなったときに税率が高くなるのは、税率が高くなる区分の金額のみということです。
課税所得が、195万円以下の部分の税率は5%で、195万円を超えて330万円以下の部分の税率は10%です。
例えば、課税所得が300万円のときの所得税は、以下のようになります。
195万円×5%+(300万円ー195万円)×10%=202,500円
300万円×10%ではありませんので、注意しましょう。
一方、住民税の税率は一律10%です。
課税所得が100万円でも、1億円でも税率は10%です。
この税率の違いが、人によって、所得税と住民税のどちらが高いかの違いになります。
所得が低い人は住民税の方が高く、所得が高い人は所得税の方が高い
結論を言うと、課税所得が430万円あたりが境目になります。
課税所得が420万円では、所得税が412,500円、住民税が420,000円となり、住民税の方が高くなりますが、課税所得が430万円では、所得税が432,500円、住民税が430,000円となり、所得税の方が高くなります。
では、課税所得が430万円というのは、給与の額面でいうといくら位になるのでしょうか。
課税所得は、所得控除というものが引かれた後の金額です。
この所得控除は人によって違うのですが、配偶者控除や扶養控除がない場合で、社会保険料などを考慮して150万円とします。
この場合、給与の額面収入で言うと、780万円くらいです。
給与の収入金額が780万円の場合給与所得の金額は、582万円となります。
582万円から所得控除額の150万円を引いた課税所得金額は432万円となります。
所得税と住民税のどちらが高いかは、給与の額面収入で言うと、780万円辺りが境目になると思っておくといいでしょう。
給与の額面収入が780万円より高ければ、所得税の方が高くなり、780万円より低ければ、住民税の方が高くなります。
ですから、あなたの周りで、「所得税高いなぁ」と言っている人がいたら、給与を780万円以上もらっている可能性があり、「住民税高いなぁ」と言っている人がいたら、給与が780万円より低い可能性があります。
税金の計算は、人によって違いますので一概に言うことはできませんが。大体の目安にはなるかもしれません。
また、税金が高いと思ったり、安いと思ったりする感覚も人それぞれなので、「高いなぁ」と言っているからといって、今回の計算が当てはまるとも限りませんので、他人の給与収入を決めつけないように注意しましょう。
【編集後記】
今日は朝から事務所の引っ越し作業をしています。
お店ではないので、いきなり完璧な状態にする必要はないとのんびり構えていましたが、それでもやることは沢山あります。
6日のオープンですが、思ったよりも整わない状態でのスタートになります。
体裁が整うには、オープンしてから1週間くらいかかるかな。