平成29年も残り1か月となりました。
所得税の確定申告は、その年の1月1日から12月31日までの期間で区切って所得を計算して、税金を納めます。
確定申告書は、翌年2月16日から3月15日までの間に提出します(還付申告は2月15日以前でも行うことができます)。
提出は2月16日以降だからといって、まだ何も準備をしていないという人がいたら要注意です。
節税対策は年内に行うものがほとんど
節税対策は、年内に行うものがほとんどです。
1月や2月になって、慌てて対策をしようと思っても遅いのです。
とは言っても、今の段階でどのくらい儲かっているのか全く分からないというのでは、手の打ちようがありません。
まずは、損益の把握からする必要があります。
自分で、会計ソフトなどに入力できるという人は、すぐにでも入力を始めましょう。
基本的には利益が出ていなければ、節税対策は必要ないのですが、利益が思ったより出ているという人は、節税対策を考えた方がいいかもしれません。
節税対策をするのは早いに越したことはありません。
例えば、小規模企業共済などは、手続きに多少の時間がかかるため、早めの手続きをおすすめします。
必要なものを買おうと思っても、品切れだったり、納品が間に合わなかったりするかもしれません。
特に年末ぎりぎりの買い物はおすすめできません。
ものによっては、年内に未使用ということで経費が認められないなんてことになってしまうかもしれません。
大まかな数字を把握しているのとしていないのとでは大違い
もし、現時点で何もしていなくて、今からやったのでは、とても年内には間に合わないというのであれば、大まかな数字の把握に努めましょう。
大きな数字の部分から入力をすることで大体の数字が把握できます。
売上、仕入れ、人件費など金額の大きいものから入力を進めましょう。
細かい数字の把握は後回しでも構いません。
規模にもよりますが、利益が数十万円単位でわかれば十分ですし、何百万円単位でも、利益が多く出ているのか、それほど出ていないのかがわかるだけでも違います。
この時に、細かいことはあまり気にしなくてもいいのですが、大きな数字の違いがないようにしましょう。
百万円単位の売上が漏れていたとか、二重に計上されていたとか、人件費が1か月分漏れていたとかになってしまうと、数字が大きく変わってしまいます。
在庫を多く抱えている場合も要注意です。
在庫の計上は年末にしかしないという場合、期首と期末の在庫の数字が大きく違うと利益も大きく変わってしまいます。
お金と利益は違います
手元にお金が残ってないから「税金対策も必要ないだろう」と安易に考えるのも危険です。
お金がなくても利益が出ていることはよくあります。
キャッシュで設備投資をした場合、在庫を多く抱えている場合、売掛金が多くある場合などは、キャッシュがなくても利益が多く出ている可能性があります。
逆にお金があるからといって、利益が出ているとも限りません。
お金があるからということで、節税対策としてものを買ったのに、実は利益が出ていなかったなんてこともあります。
そもそも、期末にものを買う節税はおすすめしていませんが。
まとめ
12月になって、今年の損益を全く把握していないという個人事業主がいたら、少し焦りましょう。
今すぐにでも、会計ソフトに入力を始め、まずは大まかな利益の把握に努めましょう。
そのうえで、思ったよりも利益が出ているようであれば、節税対策を考えるのもいいでしょう。
ただし、期末に節税対策のつもりでものを買う場合は、それが本当に節税対策になっているのか、よく考えましょう。
無駄なものを買っても仕方ありません。
もし、開業1年目などで、自分では何をしたらいいのか全く分からないという人がいたら、一度専門家に相談してみてもいいでしょう。
とにかく、確定申告の期限ぎりぎりになって、税額に驚くというようなことにならないように、早めの準備を心がけましょう。
【編集後記】
ちなみにわたし自身の会計データは、11月末までほぼ完成しています。
今年は、1月11日に提出しましたが、来年は1月4日に提出しようかなと思っています。